絶賛!酷評?フリーホラーゲーム
 遊んでみたフリーのホラーゲームをご紹介。

 素晴らしいと思ったところはおしみなく絶賛しますが、うまくないと思ったところは(失礼ながら)酷評しています。
 ただ、酷評に関しては、なるべくソフトな書き方になるよう、こころがけていきたいと思っています。

 なお、制作者さんに気を使ったレビューをしたくないので、レビューの報告は制作者さんにほとんどしていません。
 よって、画像の使用許可などは得ていません。ですが、制作者さんの著作権を侵害するつもりはありません。あくまでも「引用、紹介」の意で画像などを掲載しています。

 もしも制作者さんがウチのレビューをご覧になり、画像などの削除を申し出てこられた時には、それに応じさせていただきます。


過去のレビューから、絶賛したものだけをピックアップ

 おすすめゲーム一言紹介 
 

●全紹介リスト 及び 評価
 
 評価目安(面白さ&完成度): だいだい>青 / 星マーク(オススメ): ★★

 注: 評価はあくまでも個人的なものですので、そのゲームの正当な評価とならない場合もあります。

 >最新レビュー: 廃病院とガスマスク

『箱弐伍遺体』
『暑いから』
『スクッテー』
     
『Ib』
『孤独』
『あふさきるさ』
『死に至る病』
     『ずるずるさん』
『ぼくというモノ』
『いちろ少年忌憚』
『好奇心は何かを殺し
     『死鬼の扉〜足音〜』
『Re:Kinder』
『カノウセイ』
『渇望スル島』
     『The noose』
『こわめいろ』
『山荘で』
『青鬼』
     『怪光写真』
『南月島の人魚』
『The Box Of Lore』
『カイダン実ハ。』

注: このページの一番下に、過去のレビューへのリンクがあります。(ゲーム総数88本紹介)


『廃病院とガスマスク』 ―― NKKKさん
 (情報提供: 七子さん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:13.8M)

 ホラー度:★★★★
 面白さ :★★★★

 (一言: 短時間で遊べる、廃病院探索ゲーム。暗い廃病院の中を、ライトで照らして探索していく。バトル時、奇妙な歌とともに、少女の顔が画面の左右を覆うなどの奇抜な演出が光る。謎もなかなかに楽しい。ただゲーム画面が小さいので、プレイ時には工夫が必要)

 作者サイト●http://www7.plala.or.jp/iwakura/

●いきさつ

 掲示板にて、七子さんよりご紹介いただきました。ありがとうございます。

 こんばんは  投稿者:七子  投稿日:2013年01月08日

 はじめまして。七子(ななこ)と申します。
 私がフリーの脱出ゲームにハマり始めた頃、こちらのサイトを発見。どのレビューもわかりやすく、現在はホラゲばかりプレイするようになってしまいましたw

 今回はおすすめゲームを紹介させてください。
 NKKKさんの「廃病院とガスマスク」です。

 一周15〜20分くらいでプレイ可能。簡単なアクションと探索が中心ですが、演出が上手くて怖いです。
 エンドは2種類。謎解きの難易度も難しすぎず、ちょうどいいと思います。
 ぜひプレイしてみてください!

 乱文失礼しました。

 ……との事。レビューしやすそうだし、演出が上手くて怖い、というのに引かれました。

●フルスクリーン化する

 ネットで、このゲームをフルスクリーンにする方法が載っていましたので、以下に記します。

 @「start.asdf」ファイルを「メモ帳」で開く。
 A一番上に「!fullscreen」と記述して上書き保存する。
 >これでOK。

 ゲームを終了する時は、「alt+F4」キーを押す。

●プレイ&レビュー


暗い廃病院の中を、ライトで
照らしつつ探索していく



上図を拡大したもの
 小さなウインドウ画面。サイズ500×500くらいでしょうか。
 主人公はガスマスクをして、フードを着てますね。
 暗い廃病院の中。目的は「宝石」を見つけ出す事。ライトの灯りを頼りに、探索開始です。

 ブツブツッ……ブツブツッ……というのがBGM代わりなんでしょうか。バグッて音が鳴らないのかな、と思ったりもしましたが。

 ゲーム画面が小さいので、気持ちが入りにくいですね。小さい上に暗いので、ドアの場所とかわかりにくい。

 辺りをテキトウに探索していくと、手紙をいくつか発見していきます。
 ブタみたいなのとバトルになる時、少女の顔がウインドウの左右に出てきて、妙な歌を歌うとか……なかなか演出が凝ってます。こんなの見た事ないですね。センスがスゴイ。

 ●ディスプレイのサイズを変更してみる

 ゲームしにくいので、ディスプレイ(モニター)のサイズを小さくしてみます。(フルスクリーン化できる事を知ったのは、後日……)
 「コントロールパネル」→「画面の解像度の調整」で、800×600に変更。
 ゲーム画面が見やすくなって、いい感じになりました。

 探索を続けます。
 2階右奥の部屋。少女に会ったとたん、ワープしてしまいますが……、これってガスマスクの機能で「危険回避」したんですね。少女がワープさせているワケではない、と。

 2階では部屋がたくさんあり、少女の幽霊が消えていきますが……これは無意味なんでしょうか? 怖がらせるだけの演出?
 「くうう……」とかいう文字表現がいいですね。


戦闘画面。
ステキです



「C」キーで開くメニュー画面
 ●

 1階にて。ムンクの叫びみたいなもの(勝手に「泥男」と命名)が置いてあって、触れると場面が真っ赤な世界に切り替わり、ラ〜ラ〜ララ〜……と歌が流れて、「う〜」と泥男が出てきて終了……。
 文字で書くと何だかサッパリですが、なんかコレ気持ちいいです。

 泥男、撃退できるんですね。ネタバレ:ライトを当てる
 迷路を突破して、新しい手紙をゲット。

 で。いつも強制退却させられるボスキャラに一太刀(ひとたち)浴びせたと思ったら、また強制退却。う〜む。

 つか僕のセンスがないのか、もうプレイ時間は30分を過ぎてるんですけどね……。
 でもやっと全体像が見えてきました。この病院、2階までしかないみたいですね。 

 ●手紙の謎

 手紙に書かれた数字がやはり気になります。ネタバレ:順に、2、3、7、5、6、5
 手紙の数字に沿って、幽霊に会ってみましたが……特に変化はなし。ボスキャラも同じ感じで退却。はてさて?

 で。実はここ、さらにもう1つの事に気づかないとダメなんですね。
 ただの演出かと思っていたアレが実は……。なるほど、と。ネタバレ:悲鳴に注意

 ●撃破……っ!

 ボスキャラの戦闘画面が変わるんですね。なかなか盛り上がります。
 で、撃破して、何だか良さげなエンドになって終了。クリアー、ですね。

 紹介してくれた七子さんの話では、エンドは2種類。でも、もう1つの出し方については、ちょっと想像つかないですね……。
 ……と思いましたが、紹介サイトの「ふり〜む」さんをよく読んでみたら、エンドは1つのみに修正されているみたいですね。残念。

●総評

 泥男から逃げるところとか、手紙の謎解きとか、なかなか面白かったです。
 戦闘時に、ラ〜ラ〜ララ〜なんてな歌が流れるのが印象的でしたね。少女の顔でウインドウの左右を覆うとか、視覚的にも実に魅力的で、楽しかったです。

 ご紹介して下さった七子さん。楽しませていただきました。ありがとうございます。


 『箱弐伍遺体(はこにごいたい)』 ―― 「箱弐伍遺体」製作委員会さん
 (情報提供: すけあくろうさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:181M

 ホラー度:★★★★(恐怖短編が5話。中でも「ひとりかくれんぼ」の怖さが秀逸。ちゃんとホラー絵もあり、盛り上がりました)
 面白さ :★★★☆☆(短編集なんですが、どの話もムダに長い。告白をしあう状況作りが、やや煮つめられていない感じを受ける(長時間、止まったままのエレベーターの中で放置))

 (あらすじ: チャットで意気投合し、飛び降り自殺しようと集まった少女達。目星をつけたアパートの屋上へ向かう途中、エレベーターが故障し止まってしまった。誰かが来るまで、どうにもならない。そこで少女達は、互いに抱えていた秘密の告白をしあう事になる)

 (一言: 分岐なしのノベル。風変りな状況の中、色んな都市伝説を読めるのが楽しい。絵もキレイで、しっかりとホラーしています。ただリアリティさを考えると、各話はもっと短めでもいいハズ。プレイ時間は2〜3時間程度)

 公式サイト●http://hakonigo.web.fc2.com/index.html

●いきさつ

 ウチの掲示板にて、すけあくろうさんから情報をいただきました。いつもありがとうございます。

 こんにちは  投稿者:すけあくろう  投稿日:2012年12月09日

 『箱弐伍遺体』というフリゲーがあるんですが、2ちゃんねるの怖い話をもとに作られたゲームらしく描き手が複数いて立ち絵がすごく綺麗でした。
 分岐なしのノベルゲーで幾つかの怪談を聞く形です。ホラーとしては怖い話は怖いんですが、ちょっと状況的にトンデモすぎないか?と思うようなのもあるのでそこは微妙なんですが(笑)
 OP映像もあったり、オマケで怖い話が他にも読めたり(どれも2chで語られたもの)フリゲーとしてならば楽しめるかなという感じです。
 ネット上で有志が集まるって強いなと思わされました。
(後略)

 との事。ネット上で作り手が集まって、ゲームを完成させた。というのがいいですね。
 タイトルも意味ありげですし、興味をひかれました。

●プレイ&レビュー

 DLサイズが181M。でかい。OPムービーが入っているので、そのせいなのかな、と。
 OPムービーはyoutubeで一足先に見ましたが、なかなかにホラーしているようですね。完成度も高く、とてもシロウトが作ったようには見えませんでした。

 このゲーム。2chでクリエイターさんが集まって作ったゲーム、という事ですが、見ず知らずの他人がネット上で集まって完成させた、というのはほんと奇跡的な事なんじゃないか、と思います。
 お互いに都合とかあるでしょうし、時間が取れなくなったりで、進行がスムーズに行かない事も多々あると思いますし。ましてや互いが見ず知らずの他人ですから、制作途中で逃げちゃう人が出てもおかしくない。
 それなのに、見事に完成させた。これは称賛に値しますね。……そういった、なかなか風変りな制作過程を持ったこのゲーム。ありがたくプレイさせていただきます。
 ……レビューをするにあたり、言いたい事は言ってしまいますけど。

 ●プレイ

 タイトル画面。他、セーブロード時のシステム画面などもかなりていねいに作られています。キレイですね。
 で。ゲーム開始。
 文字がずらずらっと連なるという普通のノベル……じゃあないんですかね?
 ゲームのウインドウの中に、別のウインドウが立ち上がって、そこでチャットが始まりました。10人ほど。1人増えたり減ったり。

 チャットが自動で進んでいくので、気が抜けません。チャットの内容は、「自殺」について。互いに自殺の場所を探しているんですね。
 そして自分も参加している。ちゃんとキーボードでカチカチ打つ様子が表現されてます。PCを起動している、というモニター音かHD音みたいな音まで再現されてますねー…。凝ってます。

 でも何だか会話がぐだぐだですね……。どうしても死にたい!という強い言葉もまったく出てきませんし。

 ●ノベル開始

 とある駅前の噴水の前で、待ち合わせた少女達。ここで普通のノベルに切り替わりましたね。
 チャットで「自殺しよう」と、意気投合して集まった少女達。みんな美少女なのに、どうして死ななきゃならないのか。でも暗い表情とか上手いですね。

 自殺の方法は「飛び降り自殺」。飛び降りが出来そうなアパートを、あらかじめ探し出していた彼女達。そのアパートの屋上へと、エレベーターで向かいます。
 その途中、エレベーターは止まってしまった。故障したようだ。

 動かない。出られない。
 自殺しよう、という出バナをくじかれてしまった彼女達。5人の少女達は、「どうせ死ぬのだから」と本名を名乗り合う。
 そして互いに抱えていた何らかの「秘密」を、ここで話していく事になるのだった。止まったエレベーターの中で。

 ●やや気が早い

 冒頭でのちょっとした感想としては、エレベーターが止まってから、「あきらめるのが、あまりにも早すぎるのではないか」という事。
 ボタンを押したりわめいたりドアを叩いたり、緊急用のボタンを何度となく押してみたり……と、ムダな行為をいくらかは繰り返すような記述が欲しかったかな、と。
 そこまでせっぱ詰まらなくても、「何でエレベーターが急に止まるのよ! どういう事よ?! 何なのコレ!」みたいに、キレても良かったんじゃないかなぁと。ここに連れてきた人を責めるとか。

 そして、5人が互いに打ち解けあうのも早すぎ。
 しばらくは沈黙が続き、どうにも助けが来ないようだとあきらめてから(たとえばエレベーターの電気も消えて、さらにはお腹が空くくらい長い時間が経ってから)、沈黙に耐え切れなくなった誰かが、「じゃあ助けが来るまで、何か話でもしようか?」……などというゆっくりとした流れにした方が、よりリアルになるんじゃないかな、と思ったり。

 第一、エレベーターが停止したのならば、現実的には、長時間は放っておかれないハズ。だから、その状況で5人の見知らぬ少女達が秘密話を暴露しあう……などという流れになるのは、あまりリアルじゃないなー、と。
 もし、舞台が「真夜中」であれば、止まったエレベーターが長時間放置されていてもまぁ仕方ないかな、という気にはなりそうですが。


優しいお姉さん、という感じ
 ●永倉 栄子の告白

 5人の少女の名前が連なり、選択できるのかなと思ったら、「永倉栄子」しか選べません。まずは彼女の話を聞いてみましょう……。
 ながくら、かとおもったら「えいくら えいこ」ですか。まぁいいんですけど。

 なお、マウス右クリックでメニューが表示されますね。オートにしたり、セーブロードしたりと。

 ……栄子の母親は、栄子を産むと同時に死んでしまった。
 そして父親は栄子が幼稚園児になった頃、子持ちのバツイチの女性と再婚した。
 しかし、その再婚は2年ほどで破綻(はたん)。両親は完全に、不仲となった。

 そんなある日。栄子は仲の良かった義理の弟と、鉄道のイベントへ出かけた。めずらしい電車が実際の路線を走るというものだった。
 駅へ行く。栄子とは仲の悪かった継母も、弟のためと一緒についてきた。
 でもそこで、ある事件が起こる……。

 話、長いですね……。こんな話をしている間に、エレベーターは復旧すると思うんですけど、まぁいいですか……。

 なお、どうでもいい話ですけど、途中にある人混みの写真(バス停前みたいな所)。あの人混み、ですよ……。上手く描いたなぁと。
 あと、文中に難しい漢字が色々使われてますけど、ルビは欲しかったですね。システムに吉里吉里を使っているようなので、ルビは振れるハズなので。

 シメは良かったですね。栄子の自殺の理由がハッキリとしていますし。
 ただ、劇中のショッキングな部分は、TVの推理モノとかによくあるような感じ(特徴的な何かを思い出した)でしたけどねー。
 フツーはそんなものを目ざとく見つけないだろうし、もし見つけたとしても、「アイツが犯人だ!」という確たる証拠にはしないと思うんですけどね……。でもまぁ感覚的にわかっちゃったんでしょうね、栄子は。

 ホラー話としてはスジが通ってましたね。いいホラーだったと思います。
 でも個人的には、幽霊部分はバッサリとカットしちゃって、栄子がやっちゃった事をメインにもってきた方が、より話が引き締まったんじゃないかな、と思いました。

 それにしても長いですね。まだ一人目の話が終わっただけなのに、1時間以上はプレイしてますからね。他の人もこのくらい話が長いんだとしたら、結構読むのに疲れそうですね……。


展開が読めず、まじでどうな
るの?と息を潜めて読みま
した。

お気に入りの一編。
 ●妹尾 真尋の告白

 金髪ショートの子、妹尾(せのお)真尋。
 真尋はオカルトが大好きだった。でもそのおかげで、クラスの連中からいじめにあっていた。
 ノートに落書きされたり、トイレに入っていたら、上からホースで水をぶっかけられた……とか。かなりムゴイ。

 ……でも何でしょうね、リアリティが伝わってこない。そこまでいじめられる理由が、弱すぎる感じ。
 他人を短絡的にひどい悪者にしたてあげるのはいいんですが……、それでは「作り物」めいてしまう。他人が悪いんだー他人はひどい奴だーではなく、真尋のオカルト好きに「狂気さ」が混じっていたりすると、気味悪がられる理由が強くなって、いじめにもリアリティが増すんじゃないかな、と思ったり。
 そしてどこかで聞いたようないじめられ方ではなく、もう少しひねって欲しかった気もします。

 真尋は不登校になり、オカルトにさらにどっぷりとハマッていった。
 そこで「ひとりかくれんぼ」という危険なオカルトを試してみたくなる。両親が家を空けた日、真尋はそれを実行に移した。

 クマのぬいぐるみ。それの腹を裂いて、中に米を入れたり、自分の血を染み込ませたワタを入れたり。さらにはナイフを突き立てちゃったり。そういった狂気じみた事をしなくてはならない。
 (米と血を入れたぬいぐるみに対して)――もう、それを今まで慣れ親しんだぬいぐるみと同じものとして見ることはできなくなっていました。
 なんていう言葉がやけにリアル。

 さぁ、真尋はどうなってしまうのか……?
 ラスト、自殺に至る理由が弱い気がしましたけどね。でもこの「ひとりかくれんぼ」の話は、このノベルの中で一番怖かったです。これはもう題材の勝利。そしてなお、かくれんぼの展開が非常にノレました。素直に怖がれましたね。


真昼間の田舎道で、まさか
恐怖におちいるとは…
 ●宮田紫織の告白

 長髪でうつむき、まるで小さな貞子……。ひいいッ! でも眉毛だけ髪の上に浮いてます。

 子供の頃、田舎で過ごした日の話。
 紫織はA君と遊んでいる最中、熱中症になってしまった。ズキズキ……。この画面効果が痛々しくていいですねー。
 で。とあるものが出て来るんですが、ここでの画面効果が素晴らしい。画面全体がふにゃふにゃとスクロールしながら発光したりするんですね。吉里吉里で、こんな事までできちゃうとは……恐れ入りました。

 でも、その化け物の事をA君や大人達は知っているようだったので、だったらどうして最初からその事を注意してくれなかったのか……? 手品のタネ明かしになるみたいですけど、何か一言、最初に欲しかったですねー……。

 ●

 デジカメで、「寝ている自分の身に何が起こっているのか撮る」とかムダな気もしますけどね。すぐにA君に会いに田舎に行ってしまう方が、展開としては素直だし、スッキリするんじゃないかな、と。
 後日、行く事になるんですが、その遠出の最中に発作に見舞われたらどうするんだ、という不安も一応は触れて欲しかったですね。

 まぁ○○を殺そううんぬんはどうかな〜、と思いましたけどね。あまりにも突飛すぎる気がして。
 さらには、紫織が自殺をする理由が弱い。どうせなら、○○を殺してしまわないと、その理由にはならない気がしました。
 「自分も○○になってしまうからその前に死ぬ」というのが紫織の自殺の理由っぽいんですが、その書き方があまりにもアッサリしていて、ピンと来なかったですね……。
 あぁ、だからこそあのデジカメでの録画が生きてくるんでしょうか。発作がひどく、両親にも迷惑をかけている、と。……とか一人で納得してみたり。

 この話も30分くらいかかりました。読むだけのノベルですが、意外と時間がかかりますね。

 ●天音美夜子の告白

 何だか一番ヤバそうな子……。しょっぱなから表情がコロコロ変わります。涙はなかった方がいいと思いますけど。他の表情との兼ね合いで。

 家族で山(キャンプ場?)へ行き、テントを張ってキャンプ。
 昼間、森の中で見かけた変な化け物。その話を弟にしたら、「見たい!」と言いだして、夜中にテントを飛び出していく。
 美夜子と弟はテントを抜け出して、夜中に森へ……。つーか、親は引き止めないんですか?

 そして見つけた化け物。その化け物が何であるのか、弟は知っていた……。 


場を盛り上げる恐怖画が豊富
 まぁ化け物に会うのはいいんですが、弟が口にしたらしきセリフがどうにもリアルじゃない。
 化け物を倒そうといきなり言ってみたり、「仮りそめの平和なんて嫌だ」「不安に苛まれながら生きて行きたくない」とか。……はあっ? そんな作りものみたいなセリフ、ありますか?

 果てには「姉ちゃんを守るために戦って、必ず戻ってくる……だって僕は男だから」。
 うわぁ……という感じです。
 この天音の話はガタガタですね。文章的にそんなに悪くはないんですが、書いている事がいちいちクサすぎる。……残念ながら、作者さんは高揚しすぎで、カラ回りしています。

 化け物を見つけ、2人して必死に逃げる……。それだけで良かったんじゃないですか?
 アイツからは決して逃げられないんだ!とかそういうのは最初に持ってくるものじゃないと思うんですよ。とにかくは、逃げる。まずはそこからなんじゃないか、と。

 そしてフツーは、一目散にキャンプ場に逃げ帰ると思うんですけどね。森の中をどうこう逃げるとかじゃなく。そして、キャンプ場まで追いかけてきた化け物が暴れ狂って、場は大惨事……なんてなパニック展開でも良かったのでは?(そりゃあ僕好みか……)

 あと、この化け物を退散させる方法というのが……まずい。
 「性器を見せる」というヤツ。これはどうにも使えない。こういう都市伝説があったとしても……、これは使えません。

 だって、「ちんちんを見せたら化け物に勝利」って……、これはホラーになりにくいでしょう? いきなりここで、変態ギャグな展開ばかりが思い浮かんでしまいます。
 化け物を退散させようと、ズボンを脱いで、ちんちんをさらけ出す……。そんな場面を想像しても、勇ましい感じがするワケがありません。(劇中では「放尿」と)

 怖くて真面目な話をしてたのに、急にアホみたいな展開になっちゃった感じです……。
 しかもここで、姉ちゃんがやる気をかいま見せちゃったり? え〜……っ? まじすか。

 ドキドキしちゃいますよ、これは。「これを見なさい化け物ぉ、えいっ!(脱ぎっ)」……とか、もう妄想で興奮しちゃったり?
 すいませんけどね……。そういうヤツで……。

 脱線しちゃいましたけど、こればっかりは、「選んだ都市伝説そのものがまずかった」としか言いようがありません……。トンデモ話にするのならばともかく。真面目に書いちゃってますからね……。
 でもラスト付近はいいですね。盛り返してくれました。……あぁ、良かった。


気が弱そうな美少女。
しかし時に狂気の顔をのぞ
かせる。
 ●柊千春の告白

 柊(ひいらぎ)千春。千春は、友達の大切な物が壊れてしまったからここに来た、という。
 彼女が抱えた秘密とは何か……? 一番無害そうな顔してますけどね。でも急激に顔つきが凶悪になったり。おおっ。いいホラー顔です。

 で。またいじめられる話なんですが……、この話には「救いの手」がありました。
 綾佳(あやか)という子に助けられるんですね。
 ……でも綾佳が長い事、千春のいじめを見て見ぬフリをしていた事は確か。ここはどう書いてくるのか、注目です。

 結論として、この辺りの書き方はかなり上手い。見事にノセられました。
 綾佳は、「ワタシはいじめを知りませんでした、今からアナタを助けます」じゃなくて、ちゃんと千春がイジメられていた事を知った上で、仕方ないから助けてあげると手を差し伸べてくるんですね。
 「苛立ちをもって」、アンタを見ていられなくなったから助けてあげる、というのがいいですね。偽善者っぽくなくて。優等生っぽい顔をしていますが、綾佳はちょっとした不良っぽい子なんですね。だから強さもある。

 次第に綾佳と打ち解けて、いじめからすっかりと解放された千春。
 しかし、千春はそれで救われたワケではなかった。千春はまた、別の不安を抱えていたのだ。
 それは一体、何なのか……?

 何か、ラスト付近の日記の文章とか、ピンとこなかったんですけどね……。もうちょっとわかりやすく書いてほしかったですね。さらには、ホラー的な魅力も付加できた場所だと思いますので……。
 他、記念写真エピソードは丸ごと、不要だった気もします。話をそこに注目させても、意味ないと思いますので。しかも千切れた部分に、何か重大な秘密があるワケでもなし……。
 だったら、日記で狂気を描いて、千春をどん底に叩き込んで欲しかった。

 ●エピローグ

 意外性があって、なかなかいいです。いいんですけど……、せっかく出て来た最後の一人。その人が黒幕みたいな感じだったら、どうだったかなぁ……?と。
 せっかく出て来てアレじゃあ……意味ないような。

 笑顔での凶行。まぁひぐらしみたいだな、と。でもこういうサイコな人間がいた方が、ホラーノベルは盛り上がるのかもしれません。
 橋の下で見つけるアレは……いらなかったでしょうね。僕には意味不明でした。

 ●クリアーしての感想、総評

 クリアーの特典として、他にいくつかの都市伝説が読めるんですね。ちょっと見ましたが、ちゃんと背景とかも用意されてるんですね。

 このゲーム。全体的に、なかなかホラーしていたと思います。色々な都市伝説がノベルとして読める、というのも良かったです。

 悪い所を上げれば、短編の一つひとつがムダに長い気がしましたし(ほんと日常部分とかいらないなぁと)、ラストはどうも……何か違うな、という感じがしてしまいました。あそこで彼女が出しゃばる意味がわからない。
 だったら、最後に出て来た意外な人物がサイコなヤツで、そこにいる全員を殺してしまった方が、まだストレートだったんじゃないかな、と。あまりにも個人的すぎる意見ですが。
 他、ちょっとした事ですけど、タイトルの「箱弐伍遺体」どおりに、その光景を映した絵は欲しかったですね。その方が、タイトルの説得力が目に見えて伝わってくると思いますので。

 もちろん、今の形でもいい。いいんですが……「状況に流されたシナリオ作り」という印象を受けてしまったんですよね……。もう少し、ラストに説得力が欲しかった。せっかく意外な人物を出したんだから、それを最大限に生かして欲しかった。
 愛するモノの壊れたモノを埋めるためにうんたら〜……というのは他でもよく見かけるサイコ話なので(しかもアマチュア小説っぽすぎる)、そこはひねって欲しかったですね〜……。キツイ意見かもしれませんが。

 「色々と惜しかったなぁ……」、というのが全体的な感想です。でもまぁ個人的な感想が入りすぎなので、皆さんが読む分には、不満なく普通に面白怖がれるかと思います。
 僕が言いたい事が多い時には、「僕もこんなのを作りてー!」という意思や「やってくれたなー」という嫉妬も混じっていますので……。
 
 オススメして下さった、すけあくろうさん。どうもありがとうございました。色々と楽しませていただきました。レビューの書きがいもありましたし、あとは作者さん達に見られない事を祈るばかり……ですかね。(幸い、苦情をもらった事はないんですけど)


『暑いから』 ―― たぶんおそらくきっと(神波裕太)さん
 (情報提供: 蛆さん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:13.8M)

 ホラー度:★★★★(実写での数々の恐怖画をしっかりと盛り込んだ事で、インパクトは抜群。BGMでの盛り上げもスゴイ)
 面白さ :★★★★(奇抜で怖い短編が10ほど詰まっている。そのどれもがほとんどハズレなし)

 (あらすじ: 暑いから怖い話をしよう…という事になり、主人公は女の子の話を聞く。時に、人の秘密を暴くのが好きな少女の話。時に、自分が英雄の生まれ変わりなんだと信じる妄想少年の話。時に、潔癖症が過ぎて、周囲のバイキンに耐えられなくなっていく少女の話…。そして話が終わった後も、まだ悪夢は続く)

 (一言: 選択分岐ノベル。エンドは全11。1話十数分程度で読める短編集。どの話も怖いし面白い。背景画は実写を加工したもの。場面に合った恐怖画と力強いBGMが、雰囲気を盛り上げてくれる。かなりの良作)

●いきさつ

 掲示板にて、蛆さんより情報をいただきました。ありがとうございます。

 (無題)  投稿者:蛆  投稿日:2012年08月31日

 どうも。猛暑の中、いかがお過ごしでしょうか。
 フリーのホラーゲームで、「暑いから」というものがあります。
 サウンドノベルであり、暑い日差しの中、主人公が目の前の少女から話をただ聞いていくという作品なのですが。
 恐ろしいです。どれも。物語に出てくるキャラクターは皆中高生なのですが、話の種類。これが色々あっていい。
 全10話の中に、SFホラーはあるわサイコホラーはあるわ猟奇はあるわ心霊ものはあるわ……。駄目なホラーものだと似たような話ばっかりで楽しめないとかいうことがあるのですが、この作品は全く逆です。
 大変面白かったです。作品のそれぞれは短く、一回のプレイには大体10分、すべてプレイすると2時間ちょっとってところでしょうね。ぜひとも遊んでくださいな。

 ……との事。気軽にプレイできそうなので、遊んでみました。
 
●プレイ&レビュー

 たぶんおそらくきっと……。そして聞き覚えのある音。
 かなり昔に、この作者さんのゲームをプレイしていたな〜、と思い出しました。こういう印象付けみたいなのもいいですね。

 で、注意事項が出て来るんですが、文字のフォントがいいですね。あまり見た事のないフォントです。
 ただ僕のPCでは、ウインドウモードにすると、下部分が少し欠けてしまう。これはウインドウ上のメニューが2行に渡るため、表示ズレが起きたものかと思われます。
 「CD−DA」とか「バージョン情報」とか、いらないメニューは削除した方がスッキリするんじゃないか、と。
 なお、システムツールは「NScriper」ですね。マウスのロールボタンでの、メッセージ送りなどができないのが残念。

 では、フルスクリーンでゲームを始めていこうと思います。


学校での話が大半を占める
 ちょっと読んでみて気付いたのは、この人は「文章が上手い」という事。
 作家みたいにやたら上手い、というワケじゃないんですが、普通のアマチュアレベルを軽く超えてしまうくらいの書き手さんなんじゃないか、と。こちらも腰をすえて、じっくりと読んでみたくなります。

 立ち絵はないんですが、主人公は若い女の子と話をしている様子。
 暑いから、という事で「怖い話をしよう」という流れになります。そして女の子が怖い話をしてくれるんですね。

 選択肢を2つほど選ぶと、他人の秘密を暴くのが好きな望月さんという女の子の話になりました。
 学校で、人間観察をするのが好きな望月さん。
 彼女は、吉野さんという子の秘密が気になった。吉野さんは肌が異様にキレイだったのだ。他の女子にうらやましがられるくらいに。

 ……とか読んでいて、BGMがないのが残念に思いました。無音……。

 文章も「〜〜だよね。」とか、プレイヤーの同意を求めるような口調が大半。スーパーファミコンの「学校であった怖い話」の雰囲気に似てますね。まぁ、好きなんですけどね。

 吉野の肌の美しさの秘密を追う望月。そして望月は、吉野の肌のキレイさに一定の周期があるのをつかむ。
 それは女性特有の「月経」がからむものなのか? 望月は最低の行為だと知りつつも、吉野の肌の周期に月経がからむのかどうか、トイレについていって確かめる事にした。
 でも吉野はなかなかトイレに行かない。そしてある時ついに、吉野がトイレに急いでいるのを見かけ、後をつける……。
 そうして、吉野の秘密を知ってしまった望月は……?

 なかなか壮絶な秘密でしたけどね。何重にもどんでん返しがあったりして、盛り上がりました。
 ホント、「学校であった怖い話」みたいな、突拍子もないような話ですけどね。……でも、これはこれで面白いです。なかなかここまで書ける人はいないんじゃないか、と。

 エンド「四肢切断―○○○輪廻」(ネタバレのため伏字)でした。タイトルメニューの「終わりリスト」を見ると、まだまだエンドはたくさんあるみたいですね。
 写真での恐怖画もちゃんとありましたし、なかなかぐっときました。ホラー度はかなり良好。1話目から好感触でした。

 BGMも恐怖場面でちゃんと鳴りますね。BGMにも強弱(鳴る、鳴らない)をつけて、盛り上げ方を工夫しているんでしょうか。チカラ強いホラー曲が、雰囲気を盛り上げてくれます。

 ●2回目

 はじめからプレイ。セーブもあるみたいですが、1話でこのくらいの短さ(十数分程度)なら、イッキに読み切れてしまいそうですね。

 選択肢をテキトウに選んでいくと、食べ物の話になってしまいました。……なかなか素直な選択肢ではないですよ、これは。おなかが空いてないって言ってるのに、そういう話になってしまうんですから。
 選択肢は「首を横に振る」か「縦に振る」かしかないんですね。

 食べ物を粗末にする澤田。その澤田の彼女である村木。
 村木は、澤田が食べ物を粗末にするクセを直そうと小言を言い続けるが、澤田は一向にあらためようとはしない。そればかりか、澤田は村木がうっとうしくなってしまう。そして……


市販ホラーソフトでは当たり
前にある恐怖画でも、アマチ
ュア作品ではなかなか見ら
れない。
 ●しっかりと恐怖画を見せてくれる

 髪と血だけで実写のホラー画を作ってしまうというセンスの良さ! ……これはシビレます。
 しっかりと恐怖画を挿入してくれている事で、インパクトはバツグン。これが文字だけだったら、果たして怖がれたかどうか。……やはりホラーノベルに恐怖画は必須でしょう。

 他のホラーノベルでは、恐怖画として「背景を赤にするだけ」などというのが結構多いので、しっかりとした恐怖画を見せてくれる事で、全体的なホラーノベルの中でも、秀でたインパクトを見せてくれているのではないでしょうか?
 他の人が面倒臭がる事、できないと思う事をしっかりと行う。ただそれだけの事で、これだけ見栄えのするゲームを作れてしまう。……特に、アマチュアの世界では。

 ……で、澤田の凶行。凶行の後には、悪夢が続く。無意識に行ってしまう、というのがいいですね。自分で自分を止められない……。何が狂っているのかわからなくなる。

 そして迎えたエンドは、「カニバリズム―好き嫌いはダメ」。
 どうしてか、「人肉食の話」ってアマチュア作品に多い気がするんですけどね……。タブーであり、直接的に怖いから書いてしまうのか……。まぁ、人を殺すというだけじゃ、なかなか話がもたない、というのもあるんでしょうけど。

 話のおまけとして、エピローグもあるんですが、そこでもムゴイ事になってますね。


背景画は実写や、実写を
加工したもの
 ●他

 「四肢切断・○○○○交換」などもぶっ飛んだ話で面白かったですねー。

 「返り血・○処理」なんかも、変わっていて良かったですねー。
 異常とも言えるほどの潔癖症の彼女が、アルコール除菌などでは限界があると感じていた。そして彼女はある時、とんでもないものを目にしてしまう……。そして彼女は……

 いいですねー。しっかりホラーしてます。……良い子は決してマネしちゃいけません、と言いたくなるようなヤバイ話です。
 悪趣味で、反社会的で、さらに容赦ない。ここまで書ければ、もう怖いものナシでしょうね。彼女のぶち壊れ具合が、最高にホラーしていました。
 「狂った人間を描く」というのが個人的には「簡単なサイコホラー」だと思ったりもするんですが、ここでの彼女みたいに「凶行にちゃんとした理由づけ」があると、説得力がある気がしますね。

 ただ「悪趣味」というだけじゃない。しっかりと「怖い話を描こう」とするチカラが感じられます。だからこそ、読み応えがある。

 いやぁ、どの話も面白いですねー……。
 これだけハズレがない、オムニバス形式のノベルもめずらしいんじゃないか、と。もうこの時点で、絶賛は決まったようなものです。

 面白怖くて、すがすがしくさえなってしまいました。

 いじめの話なんかもスゴかったですね。
 近年、複雑化するいじめの心理などを、しっかりと描いているんですね。……いじめの加害者を、「他の第三者」が正義風を吹かせて、いじめる。

 ……ネットでも見かけました。いじめの加害者を許せない、という気持ちはわかるんですが、例えば実名を上げてみたり、そのいじめの加害者に実際に危害を加えようとしたり……。そうなると、もうそれは正義ではなく、犯罪なんですね……。
 近年の社会問題まで組み込んでしまうとは、さすがです。こういう「問いかけ」があると、話そのものが、「考えさせられる」奥深いものになっていくんじゃないかな、と思ったり。

 他。全編に渡って、「〜わからないかなぁ?わからないか。」なんていう口グセも面白いですね。

 ●選択肢について

 ちょっと難を言えば、選択肢が2種類しかないので、「どの選択肢を選べば、どの話が読めるのかが、わかりにくい」という事。
 まぁ主人公がどういう状態で話を聞いているのか、という事を想像すれば、やむを得ないのかもしれませんけど。……首を振る事しかできない状態で話を聞いているのかな、と怖い想像もできちゃうワケで。
 選んだ選択肢を書き出していくと、明確になるんですけどね。

 縦、縦→ 人形話(突き落とし)
 横、横→ 中二病(穴埋め)
 縦、横→ 秘密を探る子(四肢切断)
 横、縦、縦→ 潔癖症(返り血)
 横、縦、横→ (カニバリズム)

 話は5種類。そして各々が2つの物語に分かれる。まぁ、「穴埋め」「カニバリズム」「返り血」……とか、物語の趣旨に全然合わないエンド名なぁと思ったりもしましたが。
 でもこれは、「主人公の殺され方」をエンドリストの頭につけているワケなんですね。

 個人的には、「人形話」や「中二病」みたいに、話の内容がわかりやすいエンドリスト名にした方が良かったんじゃないかな、と思いましたけどね。……と言うのも、「終わりリスト」を見ても、どの話の結末が表記されているのか、わかりにくいので。
 でも、こだわりと言えばこだわりなんでしょうけどね。エンド名も。

●総評

 全エンドを見ました。やっぱりノベル形式は、手軽に気軽にクリアーできていいですね。ストレスなく、レビューも仕上げられました。
 残された最後のエンドは、怖いというより笑えるデキだったんですけどね。でも、恐怖と笑いは紙一重、な時もありそうですからね。これはこれで。

 ほとんどの話が面白かったし、なかなかに怖かったです。
 写真による恐怖画も、色々と場面に合ったものがちゃんと用意されていて、ノレましたね。逆に恐怖画がなかったら、あまり印象には残らないゲームになったんじゃないかな、と。……やっぱり重要ですよ、恐怖画は。インパクトをつけるためにも。

 効果音の「女の狂った笑い」は、たまによそでも聞かされるので、(あぁ、あの素材か)と思ってしまうのがちょっとだけ残念。でも場の盛り上げには一役買ってますね。

 とにかく、よくできたホラーノベルでした。完成度が高く、しかも遊びやすい。話数もそこそこ多いので、充分に満足できるボリューム(2時間くらいは遊べる)なんじゃないでしょうか。

 オススメ下さった蛆さん、どうもありがとうございました。色々と感心させられるノベルゲームでした。
 こういうものを作ってみたい、という意欲にもつながりましたね。これからホラーノベルを作ろうと思っている人にとっても、いいお手本になるんじゃないでしょうか?


『スクッテー』 ―― 粉粉粉粉粉さん
 (情報提供: BIG BOSSさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:23.2M)


 ホラー度:★★★★(化け物登場時のおどかし&追いかけられる恐怖。イベント画による殺戮描写)
 面白さ :★★★☆☆(館探索型RPG。時折化け物におどかされながら、謎解きをして進めていく。手アイテムの「鍵」がやたら多い。数々の謎解きにヒントは皆無。特に終盤の謎解きはツライ

 (あらすじ: 親友のこんちが、放課後に廃墟へ行ったきり行方不明になった。主人公のまりは、こんちを探すため廃墟へ乗り込む。廃墟の屋敷内を捜索している内に、まりは謎の化け物に襲われる。この屋敷は一体何なのか?)

 (一言: 館探索型のRPG。いきなり「ウワオー!」とくる化け物にビビった直後、必死で逃げ隠れしなくてはならない演出が何度か。屋敷内は、暗号で開ける金庫や鍵がないと開かないドアが多数。人が殺されていくホラー演出を、動きを交えたイベント画で表現(でも絵は荒い)。化け物の造形もやや平凡。ほとんどBGMはなく、生音っぽい効果音がBGM代わり)

●いきさつ

 ウチの掲示板にて、BIG BOSSさんより情報をいただきました。ありがとうございます。

 これは!…と思った作品紹介  投稿者:BIG BOSS  投稿日:2012年04月23日

 初めまして、私はBIG BOSSと言います。
 ホラーのフリーゲームについて色々調べていた時に、こちらの絶賛!酷評?フリーホラーゲームのレビュー行き着き、様々なフリーホラーゲームの情報を得ることができました。書いてある特徴もとても分かり易くて助かります。
 で、早速ですが、ここ1年サーフィンしてみて個人的に「おっ!」と思ったフリーホラーゲームを幾つか紹介します。

 1、怪異症候群(略)
 2、親鳥の子(略)

 3、スクッテー
  上記の親鳥の子の作者が制作したもう一つのホラーゲームです。個人的に上記よりも恐怖を感じましたが、所々にクスりとしてしまう小ネタが存在します。

 4、やまんばinハイスクール(略)
 5、死神道化(略)
 6、INSANITY(略)
 7、PARANOIAC(略)

 以上、自分自身が言葉足らずなところもあるため、上手く伝わっているかどうか分かりませんが、いずれもやって損はないかと思いますがどうでしょう?
 また目に止まった作品がありましたら、お知らせ致します。それでは

 ……との事。処々(略)してしまってすみません。
 BIG BOSSさんの書き込みの返事として、お2人の方が「スクッテー」を推してくれていましたので、まずはそれをプレイしてみる事にしました。

●プレイ&レビュー

 ●怖いプロローグ

 静かなBGMが流れるタイトル画面。
 さぁゲーム開始!と思いきや、主人公かと思った女性がいきなり殺されてしまう。……あぁ、ここはプロローグ(冒頭)部分だったようで。

 ちゃんとプレイヤーに操作させて、ちょっと金庫を開けさせたりした後に、殺される演出が起きる……とか、こういうのはホラー的に素晴らしいですね。なかなか思いつかない事だと思います。
 好感触です。

 ●まりとこんち

 高校2年生、帰宅部の阿部真理紗こと、まり。親友の近藤千代、こんち。こんちの「うぇへぇ」という言葉使いと、ロリ顔のバカッぽさがすごい……。
 絵はややガタガタ。
 まりとこんち。いかにもな不良少女とおバカ(失礼)ちゃん。似合わない2人です……。

 で。ドラクエみたいに、マップ上をキャラが並んで移動。こういうのはめずらしいなと思いきや、あっという間に終了。
 その日の放課後、一人で廃墟を探索しに出かけた、こんちの行方がわからなくなった。

 そしてまりは、こんちがいなくなった廃墟に向かう。
 普通は「警察に相談する」とかそういう流れになるんでしょうけど……、そういうのを無視しないと、物語は始まらない。
 まぁ警察が介入して、手始めにぶっ殺されてしまう、という流れでもいいんですが。でもそうなると、また別の話になりそうですからね……。


普通の館探索型RPG

体力も経験値もないので、
RPGとは言えないんですが
 ●廃墟内、探索開始

 廃墟の1階をざっと見て回る。開かないドアなどがいくつかあります。
 階段を登り、2階へ。2階中央の廊下。そこに物が乱雑に積まれてあって、行き来ができません。2階は左右に分断されてしまった形になってますね。

 2階左側の部屋で、TVに「延長ケーブル」をつなげて、ごみ箱に捨てられてあった「ビデオテープ」を見てみると……、何やら人体実験の様子が映し出されています。まぁここは廃墟なので、電気は通っていないとは思いますけどね……。
 そして部屋を出ると、ごとっと生首が落ちてきて、鍵を入手。「倉庫の鍵」とありますが、どこが倉庫なのかはわかりません。

 BGMは効果音として、風を切る音。
 3階に来ると、辺りが急激に暗くなる。ここに怨霊でもいるのか……? 雰囲気バツグン。

 ●色々と感じた事などを

 ……ちょっとした事ですけど、マップの凸凹部分。行ける所があったりなかったり。マップチップの置き方がちょっと違うな、と思われる場所がいくつか見られたりしました。(左右の壁、凹みがないのに、そこにドアがあったりとか)
 ていねいさが不足。障害物の判定などもですね。イスの裏が通れたり通れなかったり。
 まぁそんな細かい所まで気にする人は、あまりいないのかもしれませんけど。

 メッセージ部の顔CGはややザツなんですが、マップ上のドット絵は普通に上手い。素材なのかなぁと思ったりもしますが、素材にはなさそうな「生首(手首?)」とか「化け物」とかも普通に上手いので、この作者さんはドット絵を描くのは得意なのかな、と思ったり。

 そういや、セーブ箇所は1つなんですね。個人的にはツライ。要所要所のスクリーンショットを撮るために、セーブ箇所はたくさん欲しいので。

 タイトル右下の数字は何を意味しているんでしょうか……?(あとで調べてみたら、秒数でのプレイ時間らしいですね)
 あと、フルスクリーン対応じゃない(F4キーでウインドウサイズを切り替え)みたいですが、それにも何か理由があるのかな、と。(最初はRPGツクール作品だと思ってましたが、ツールが違うんですね。だからフルスクリーンには、ツール自体が対応していなかった?)


時折、こういうイベント画が


そこから現れた化け物!


上の画面を拡大
 ●早速、詰まる

 廃墟の屋敷内。1階で謎の人影が走り去ったのが見えた後、進展しなくなってしまいました。
 あらゆるドアに倉庫の鍵を試してみたり、1階から3階まで何度も調べ直してみたんですが……、進展ナシ。

 後日。
 鉄パイプを使って、色の違う壁を壊したら進展。「トンカチ」を入手。……トンカチ。久しぶりに聞きました。

 トンカチを使って、2階の石膏像の頭を割ると、「赤い水晶」が出てきた。(石膏像を壊すと、何故かトンカチは消滅……)
 赤い水晶は図書室の中にもあったので、2つになる。
 ESCキーで開くアイテム欄。アイテムは文字で表示されるんですが、文字だけではかなりそっけない……。れなりの絵があれば、ゲームとしての完成度も高まったんじゃないかな、と。

 で、2階奥左ハジの鉄製?のドアに、赤い水晶を2つハメ込んでみると……
 「ウワオーッ!」
 にビクーーッ!と。真っ赤な化け物がいきなり現れ、あたふたと逃げましたが、すぐにとっ捕まってGAME OVER……。

 速い。化け物の足が、フリーゲーの「青鬼」並に速い。
 そろそろ何か出てくるだろうと思ってましたが、しっかりとビビりました。まぁ静かめの音ばかり続いたんで、余計にビビる作りになってたんでしょうね。

 細かい話ですけど、やや明るめの2階で脅かされるより、暗黒の3階で脅かされた方が、ビビリ度がもっとアップしたんじゃないかなぁ……、と。あの場所こそ、何かいそうな感じなので。

 ●

 化け物から急いで逃げ、逃げ込んだ部屋で棚(たな)を動かして穴を塞ぎ、様子をうかがう。
 ……化け物はどこかへ行ったようだ。そして捜索を再開し、廊下に出てみると……すぐさま「ウワオーッ!」。
 やられた。

 何度かやってみても、すぐにとっ捕まってしまう。
 はて。活路が見出せません。

 ●やっと進展

 棚を戻して、廊下に出た途端に化け物に殺されますが、キーを左に入れっぱなしにしていると、ぎりぎり逃げられる事がわかる。
 で、化け物が出てきた「鉄のドアの部屋」の中に逃げ込めるかもしれない!と思ったら、上手く逃げ込める。
 その部屋のロッカーに隠れ、化け物を回避……。化け物、ちゃんとロッカーの前を不審ぎみにのろのろ見て回るのがいいですね。

 その部屋、調べても何もない……けど、そんなハズはない。ここできっと、進展が得られるハズ。他のロッカーを開けるんだろうと思ったけど、開けられない。
 で。「鉄パイプ」を使ったら、何と鏡が割れて、その裏に新しい「鍵」が。おぉ……!

 いやしかし、この化け物の足が速すぎるんで、ここで逃げられずにゲームをあきらめてしまう人も結構いるんじゃないかなぁと思ったり。
 「青鬼」もですけど、こういうハラハラさせるのはいいんですが、ちょっと難易度が高すぎるんじゃないか、と。僕も何回もやり直して、一時あきらめようと思いましたし。
 もう少しのろい動きでも充分に怖さは再現できたと思うし、プレイヤー層の幅を広げる意味でも、その辺の難易度は考えてほしかった。

 さて。鏡の裏から見つけた鍵は、「2階寝室の鍵」。2階の寝室とは、「鉄のドアの部屋」のすぐ下。そこに入ってみると、そこでまた鍵を発見。
 アイテム欄を確認してみると、「3階で使用できる」との記述が。

 3階へ行き、左手前のハジのドア(凹み)に使ってみると、開いた……。
 そこは何と、冒頭に出てきた、あの惨劇の起きた場所だった……! いい演出ですね。

 ●やたらと鍵が多すぎ

 その惨劇の場所でもロッカーの鍵とか必要になったりするんですが、とにかくこのゲーム、やたらめったら鍵ばかり多い!
 鍵を見つけたと思ったら、またすぐに次の鍵を見つけて、それを開けたらまた別の場所の鍵を見つけた……とか。もう少しどうにかしてほしかった。全体的に、鍵の数は10を超えるんじゃないか、と。
 鍵は使い終えたらアイテム欄から消えるんですが、もし残っていたら、混乱必至……。

 もう少し、上手くだまして欲しかったんですけどね。
 例えば、開かないロッカーは鍵を使って開けるのではなく、どこかでメモを見つけて「あのロッカーは取っ手が壊れているので、強くひねれば開く」などというヒントメモを見つけた後、目的のロッカーを開けようとすると、主人公はヒントを思い出して(フラグ解放)、そのロッカーが開く……とか。
 鍵ばかりあるんじゃなく、そういう「だましの工夫」が欲しかったんじゃないかな、と個人的に思いました。そう思ってしまうくらい、このゲームは何でもかんでも「鍵」ばっかりだったので。


佐野という男に出会う、まり

ゲームにブ男が出てくると
いうのもめずらしい…




時折、謎解きがある
 ●謎のブ男(失礼)、佐野

 本館1階手前の右奥のドア(マップ上ではただの凹み)を開け、未知の通路へ。そこを歩いている内に、化け物に襲われて死亡……。
 ここは何もなさそうなので、ただのワナ通路なのかな……と思ったら、通路の先が別の館に通じていました。大きな進展。

 そこにいた男、佐野。まりは彼に人助けを頼まれた。友達がまだ、この辺りにいるという。
 周囲を探索し、「干支(えと)にちなんだ謎のメモ」や、「竜の物語が描かれた絵本」を見つける。
 「引き出しの鍵」を入手し、1階にある机の引き出しを開けたら、また鍵を入手……。

 干支が描かれた5つのボタン。メモの謎が関わるワケですね。
 順にボタンを操作すると、壁ががらがらと崩れる。そんな派手な演出の後、「釘抜きハンマー」を入手……。しかも今度はトンカチじゃなくハンマーすか……。

 ●短いザッピング(主役交代)

 色々あって佐野の友人、雲子(くもこ、でしょう)を見つける。
 そこで、佐野と雲子にいきなりザッピング。
 彼らを操作して館を抜け出すのか……と思いきや、佐野が本館の1階で人影を見つけ、勇敢にもその後を追う。佐野は、まりも友人を探しているのを思い出したのだ。
 なかなかの男っぷりですが、ここで死亡フラグが立った……ワケですね。

 そしてホラーに突入……。
 絵は乱雑ですけど、よくできた演出だと思います。まぁあの化け物なら、包丁とか持たなくても、素手で佐野の頭とかツブしちゃったりしそうですが。

 このゲーム。荒削りながらも、要所要所のホラー演出が光りますね。
 作りがていねいで小綺麗でも、ゲームそのものが面白怖くなければ、しょうがないですからね。

 話は、「まり」に戻る。
 フライパンの謎。蝶の標本の謎。
 標本の謎を解いたかと思いきや、即座にアレが登場で死亡……。
 
 なるほど。アレを使って化け物の侵入を防ぐ、と。
 そうすれば色々とまた進展しました。

 ●ここでまた詰まる。大いに詰まる

 本館3階より通じる、左側の別館で見つけた「メモの片割れ」はどこにあるのか?
(あとで気づいたんですが、これってプロローグのなごりだったんですね。あのメモ用紙は無意味だった、と。その片割れがどこにあるのかと、結構探してしまいました……
 ……でも正直、これはまぎらわしい。

 「フライパン」は何に使うのか? 「孫の手」はどこで使うのか?
 さらには雲子の行方。佐野の死体は見つけたので、雲子もどこかにいるハズ……。

 しかし行けど探せど進展しない。館じゅうを探索し続けて、ついにギブアップの時が来た……。

 ●ついに攻略サイトを見る

 このままではいつまで経っても進まないし、レビューも仕上がらないので、あきらめて攻略サイトを探してみました。ちょくちょくプレイで、1か月近く経ってしまっていましたので。

 すると、まずは孫の手をどこで使うのか、がわかりました。ネタバレ:とあるタンスを横から調べてみると…
 でも、孫の手を使って入手した「暗号メモ」が、またワケわからず……。
 もう立ち止まってもいられないので、答えを見る。あぁ、なるほどと。でも頭の固い僕が、このメモの謎を自力で解く事は多分なかっただろうな、と思ったり……。

 ●また化け物が……! しかも今度は逃げ切れない!
 
 そして本館の「3階の鍵」を入手したところで、化け物に襲われてエンド……。
 進んでいるんだけど、進まない……。足踏み状態ですね。

 時間のある時に、じっくりと腰をすえてプレイしないとダメですね、これは……。
 この場での「化け物回避」こそが、このゲーム最大最後の難所。
 時間に余裕のある人は、何度もやられながらも自力でクリアーしてみて欲しいですね。回答を見て解くのとでは、きっと達成感が違いますから。

 ●

 結局、3階の鍵入手後の、化け物の回避方法も答えを見てしまいました。
 つか、あの暗闇の部屋の中は、自力で逃げなきゃならないんですね……。RPGタイプのゲームで、素早いキー操作のアクションを必要とするのは止めて欲しい……というか、自分は嫌なんですけどね……。
 スリルがある、と言えばそうなんですけど……。

 答えがわかっていても、ここ何度もやり直しさせられますね〜。キー操作をちょっとでも誤ると、すぐゲームオーバー……。
 3階の鍵がある部屋でセーブできれば、まだマシなんですが……。

 そしてやっと進展。化け物を倒すところも回答を見てしまい……。プレイに時間が掛かり過ぎたので、あきらめムードになってます。
 細かい事を言えば、あの化け物をやっつけた時に、化け物の死体が残っていた方が良かったんじゃないかと思ったり……。いきなり消えるんじゃあ……ね。

 あと、ネタバレ:フライパンはやっぱり燃え盛っていないと。あんなに静かなままじゃ、何に使うのかサッパリわからない。僕は、別のアイテムをそこで熱して変形させるのか、と思ったりしてました。
 ネタバレ:演出として「サラダ油」を投入時に、ボワッ!と。……そうしていただかないと。そういう反応は大事です。

 このゲーム、全ての謎にヒントがなさすぎ。皆無、と言っていいほど、全くヒントがない。
 ゲーム初心者の方が「自力でクリアーしました!」とか、まずありえないだろうな、と思うほどのレベル。「青鬼」ほど凶悪(失礼)ではないんですが、ゲームバランスはお世辞にも「いい」とは言えません。

 ●本館3階にて

 別館で入手した鍵で、本館3階の中央付近の部屋が開く。
 いかにも何か出てきそうな戸棚を「決定キー連打で開けろ」と指示。……「連打」とはまた奇怪な演出。パチンコじゃないんですから……。でも笑うところなんですかね、ここは。
 連打中にチラッと死体が見えて、そのまますぐ消える。

 ……あぁもったいない。死体が出てきたところでキーを無効にして、「ギャーッ!」とか脅かしてくれても良かったのに……。
 チラッと見えた感じでは、雲子の死体ですね。

 そこでまた干支の暗号が。干支好きですね……。
 でもよくわからない。「1.馬 2.犬 4.虎 8.兎 9.蛇」。はぁっ?

 ……ダメですね。
 このスクッテーでは、全く謎が解けません。僕の脳はカラ回りしてばかり。本館はまだしも、別館に行ってから、気分よく謎が解けた事ってあったかな?と思うほど、歯が立たない……。
 ダメだ。また後日……。

 ●全く納得のいかない謎解き

 また悩んでもいられないので、答え拝見。答えばかり見て、つまらない遊び方をしてしまっていますが……、皆さんはそうならない事を祈りたいです。
 自分は干支の順番に並べて、頭の数字が暗証番号になるかと思ったんですが、どうやら違う模様。

 と言いますか、ヒントも何もないんじゃ、これは謎解きになっていないんじゃないかと……。「以前に謎解きしたものの、順序を覚えていなきゃならない」なんて、謎解きとしてはかなり変。
 誰がそんなのを覚えているのか、と……。ここの謎解きは全く評価できません。ネタバレ答え:98142

 で。ゲームも終盤になってから気づいたんですが、このゲーム、「WOLF RPGエディター」というものを使っているんですね。普通にRPGツクール作品かと思ってました。違和感もなかったですし……。

 ●ラストバトル

 持っている物を色々試してみる事になるんですが、携帯電話とか笑いましたよ。容赦なくて。確かにそうなるよな〜と。

 ●エンドを迎える

 あの空に浮かんだ2人の顔……。いらなかったとは思うんですけどね。

 とにかく、クリアーできました。だいぶ回答を見てしまったんですけど。
 しかしラスト間際でも笑いをとるとはすごいです……。「TDNarmer」とか、何だそりゃと思ったりもしましたが、ギャグなんですよね、これ……。

●総評 ※ネタバレもあり

 一番の印象としては、イベント画や、セリフ部分の顔CGなどが、かなり荒かったなぁと。
 目立つ部分なので、評価もここで大きく下がってしまいますけど……、イメージに合わない素材を使うよりは良かったのかな、と思ったり。
 殺戮シーンも、絵がなくて文字だけだったら、かなり残念だったでしょうし。

 化け物のおどかしは良かったんですが、化け物の造形がフツーすぎて、魅力に欠けましたね……。青鬼みたいな個性が全くない。
 冒頭で殺された姉妹がグチャグチャに合体したような化け物でも出てきてくれた方が、冷えたかな、と。(そりゃ僕の個人的すぎる意見なんですが……)

 「ウワオー! あうあうー、はっはっ……」という、化け物の長いわめきのセリフ。あれって作者さんが悪ノリして、自分で録音したんじゃないの?と思ったり。あぁいう素材はなさそうな気もしますし……。

 結局、あの化け物の正体は明かされないままでしたが、これはこれで。ビデオ映像を見るイベントなどがあったので、ある程度は察する事もできるんですけど。
 で、タイトルの「スクッテー」とは何だったのか?
 きっと明かされるんだと思ってましたし、それを楽しみにしていた部分もあったんですが……、これも明かされないままでしたね。ただ単に「救って」という願いの言葉だったのか……。

 なお、このゲームには「おまけ」もあるんですが、それはプレイしてみてのお楽しみ、という事で。あえて触れません。

 ●不満点を色々と

 他。謎解きにヒントがなさすぎ、なところが多かった気がします。
 フライパンについて。これは絵として「燃え盛る」などのヒントが欲しかった。サラダ油を使ってみても、絵的には何の変化もないんじゃさびしすぎる。

 ラスト間近の干支がらみの暗号なんか、「以前の答えが関わってくる?」なんて、ありえないレベル。セーブも一カ所しかできないんだから、以前の回答を参照する事もできない。
 しかも、その答えを記憶しているワケもなし……。ここ、フツーに解けた人っているんですか? 「難解」「イジワル」で済むレベルじゃないです。もはや、問題自体が間違い。

 ラストで作者さんの「エディター推奨」のコメントがあったりもしますが、こういうのはわざわざゲームで書かなくてもいいのにと思いますけどね。

 そうそう。「鍵」がやたらめったら出てくるのに加え、ムダに「開かないままのドア」も多くありましたね。マップに凹みがないのに、そこにドアがあったり、とか。凹みやイスの裏などの、障害物判定がまちまちだったり。
 ……こういう部分にも、中途ハンパな印象を受けてしまいました。

 マップ上での化け物のドット絵も、怖いというより「かわいい」デキなんで、もったいないかな、と。

 ●

 全体的に怖さも上々で、面白いゲームではあるんですけど……、完成度を考えるとザツな絵、謎解きのヒントのなさ、化け物の造形が平凡、鍵がやたら多すぎ)、もう一歩足りないかな、と。
 プレイしていて、不満点がちょっと多かったので、面白怖いゲームではあるんですが……、あえて「絶賛のオススメ」からは外させていただきます。
 でも、これは僕の個人的な意見でしかないので、みなさんがプレイして、充分に面白怖がれる事は、想像に難くありません。……ラスト付近の謎解きには、苦戦するでしょうけど。

 オススメしてくれたBIG BOSSさん、どうもありがとうございました。
 なかなか、レビューのしがいがあるゲームだったと思います。完成度が高いゲームばかりレビューして、ほめるばかりでは物足りませんからね。たまには不満な点も挙げてみたいので。


『Ib(イヴ)』 ―― kouriさん
(情報提供:despiriaさん、なかやさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:335M

 ホラー度:★★★★(悪夢の美術館。不吉な絵の数々。絵や像が化け物となって襲いくる。細かなドッキリ演出も多数。BGMが恐怖をあおる)
 面白さ ★★★★★(様々な絵やオブジェが魅力的。数々の謎解き。仲間と出会い、時に別れわかれになって、ザッピング(主役交代)しながら進めていく…などのイベントも楽しい)
 難易度 :★★★☆☆(全体的な謎解きは簡単で、ストレスなく進めて行ける。ただ、TRUE ENDは難易度高すぎ

(あらすじ: 両親に連れられて来た美術館。そこでイヴは悪夢の世界に落ちる。徘徊する化け物、仕掛けられた数々の謎解き。果たしてイヴは無事に生還できるのか?)

(一言: 数々の謎解きをしながら、悪夢の美術館からの脱出をはかる。RPGタイプ。戦闘はないが、うろつく化け物から逃げる必要がある。触れるとダメージを食らうトラップも多数。キャラを交えたイベントも豊富で、あきさせない。BGMも雰囲気バツグン)

 作者サイト●http://kouri.kuchinawa.com/

●いきさつ

 掲示板にて、despiriaさんと、なかやさんからご紹介いただきました。ありがとうございます。

 >初めまして  投稿者:despiria  投稿日:2012年04月11日

 (前略)美術館が舞台のホラーアドベンチャー『Ib』です。RPGツクール2000で作られてるようです。
 某動画サイトでは実況などの動画が投稿されて人気を得ている様です。私自身は知人の紹介で出会いましたが。

 完成度が高く、独特の世界観とそれを表現する演出が素晴らしいです。
 難易度も難しすぎず、かといって簡単過ぎずと絶妙なバランスになっています。
 エンディングはマルチエンド式。計5種類が用意されているようです。
 セーブはどこでもセーブが出来るわけではありませんが、セーブ出来る場所を多く確保してくれているので、さほど苦もなく小分けプレイが出来ると思います。

 合うかどうかは分かりませんが、オススメの作品でした。(後略)

 >はじめまして  投稿者:なかや  投稿日:2012年04月27日
 
 (前略)先日友人からIbというフリーホラーゲームを紹介してもらったのですが、ご存知ですか?
 やってみましたが、プレイ時間は3時間程度。
 話は女の子が両親と美術館に訪れるところから始まります。
 一人で美術館を回っていたら気づけば館内には自分一人で、呼ばれるままに地下へ行けばそこは化け物のいる別世界、という感じの脱出ゲームです。

 ホラーよりもストーリー、謎解き重視といった感じなのですが、少し探索すればさくさく進めることが出来るので初心者に優しいゲームでした。
 時間もかかりませんので、よろしければプレイしてみてください。

 ……との事でした。美術館が舞台というのもいいですし、難易度もそこそこみたいなので、早速プレイしてみる事に。 

●DLサイズが335M

 まず、DL(ダウンロード)サイズが335Mというのに驚きました。
 ネット環境がいい人ならすぐDLできると思いますが、僕は一昔前のADSLなんで、30分くらいかかりましたね。

 RPGツクール作品は少な目のサイズの作品が多かった気がするので(ほとんどが数十M)、この作品は一体どこでこんなに容量を食っているのか、まず気になりました。画像が全部BMP(JPGの約10倍容量を食う)とか、BGMが高音質とか、ムービーを使っているとか……?(結果、ムービーでしたけど)

●プレイ&レビュー


美術館にはクラッシックな
BGMがよく似合います
 ●冒頭

 両親に連れられ、美術館に来たイヴ。
 そこでは、ゲルテナという芸術家の、作品の展示会をしていた。

 両親が受付をしている間、早速、辺りを見に行ってしまうイヴ。
 絵があったり。彫刻のようなものがあったり。お客さんの姿もそこそこ見られます。イヴが話しかけてみると、みんなゲルテナの作品に感心している様子。

 ……そうこうしている内に、辺りには誰もいなくなってしまった。
 ふと、ひときわ大きな絵が目につく。そこでイヴを呼ぶ、誘いの文字が現れる。

 そして誘われるままに、深海の魚のオブジェに足を踏み入れた途端……! イヴはどこぞと知れない、暗い世界に迷い込んでしまうのだった。


辺りの様子が一変する



ESCメニュー画面
 ●暗い世界に落ちたイヴ

 BGMが暗くなりました。そこで入手する「赤いバラ」、「3」。体力を示すものっぽいですね。
 「ESCキー」(テンキーの「0」)でメニューを開いてみます。このメニュー画面で、現在のイヴの状態が見られます。イヴの全身像と、持っているアイテムが表示されます。簡素ですが、ムダを排除した作りがいいですね。

 ところで、タイトルの「Ib」。イヴなら普通は「EVE」と書くような気もしますけど……、その辺はどうなんでしょうね。何か謎があるのかどうか。(結果、なかったような…)
 そして、ツクール作品全般に言える事なんですが、プレイ途中、方向キーが効かなくなったりした時は、数字のテンキー(もしくはNumLockキー)を押せば回復しますね。

 ……今いる場所は、暗い世界の入口か。ここのマップは狭い。
 いきなり、広々としたマップが広がっているより、こういう小さ目のマップをクリアーしつつ進めていく、という感じは好きですね。(自由度が高すぎると、ムダにウロウロしなければならなくなる)

 ……あれ、進まない? と思ったら、ちょっとした仕掛けがありました。マップが小さいからこそ、こういう仕掛けが生きてきます。この場でやれる事が少ないからこそ、色々試してみたくなります。
 「青いカギ」を入手して、ドアを開けて次の間へ。

 ●

 はしに注意。とか一休さんを思わせる(古い)セリフが。
 そしたらいきなり、壁から黒い手が「グワーーッ!」と出てきて、ダメージを食らいました。見れば、バラの残り数値が減ってしまいました。
 こりゃやり直しだ、とばかりにワザと死んでみる。

 ……なるほど。危険なワナが、この先もいっぱい仕掛けられているんでしょうか? 気を抜けませんね。

 ●再開

 BGM、雰囲気バツグンですね。
 バラの花を花瓶にさしたら、バラが5に増えました。おぉ。何と雰囲気のある体力回復なんでしょうか?
 猫の顔の部屋。左右の部屋からそれらしきカギを入手して、クリアー。次の間へ。

 セーブ箇所が細かく置かれてあって、助かりますね(多すぎるくらい)。イヴの体力を回復する花瓶の数も、結構多い。
 進める度にワナも増えていき、ダメージ受けまくり。これは死にながら覚えていくしかなさそう。
 謎も簡単なので、ほとんど立ち止らずに進めていけますね。

 ウソつきの部屋。6つの絵が並んでいて、それぞれの絵が何かを語っています。
 ……でも、座標(ざひょう)を言っているのは3人だけ。その中に正解があるとしたら、その3つを順に試してみればいいだけの話。

 玉が3つあり、それぞれの玉の数字を入手した後、計算して、出した答えがパスワードになったり……と、なかなか面白い仕掛けがほどこされています。

 ●うごくえほんが読めない……
 
 ギロチンの間。ここの仕掛けは笑ってしまいました。やられたなーと。

 その先にある「あ」「うん」の間で、赤いカギを入手して、開けた部屋。本棚がいくつかありますが、「うごくえほん」を読もうとしたらエラーが出てしまいました。
 フォルダ内にあった修正パッチを使ってみます。すると、うごくえほんのイベントがなくなって、アッサリと次の間へ行けるようになりました。
 でも、これはこれでかなり残念。「うごくえほん」見たいじゃないですか……。

 ●うごくえほんについて

 ネットで色々調べてみたら、うごくえほんは「動画ファイル」なんですね。
 どうしても見たい場合、「data」フォルダー内「movie」フォルダーにあるファイルを直接再生すれば、見る事ができますね。(もし見られない場合、視聴ツールの設定を「Windows Media Player」にすればOKかと)

 ちなみにほんの数分で終わるアニメなんですが、この1ファイルだけで、容量が何と580M(解凍時)も食ってました……。Ib全体の容量がでかかったのは、コイツのせいだった模様。
 一回見れば終わりだし、無くてもいいアニメだった気もしますけどね……。これが無いだけで、Ibは容量、数十Mに抑えられたハズなので。





ギャリー。
お姉さんかと思ったら、
男性との事。
頼れる仲間です。
 ●ギャリーとの出会い

 その先の通路で、倒れている人がいた。何だか汚いコートをはおっている。
 苦しそうにしているが、どうやら生きている様子。

 青いバラを入手した後に話しかけてみると……、その人は元気になった。
 名前はギャリー。この世界から一緒に出よう、とイヴの助けになってくれます。

 なお、ギャリーは女性だとばかり思っていたのですが……、掲示板にて紗夜さんよりご指摘を受けまして、ャリーは「オネエの男性」との事でした。失礼致しました。

 聞いた当初はまさか、と思いました。ゲーム中に、ギャリーが男性だとわかる描写があったかな?と考えてしまいました……。ギャリーの口調は完全に、女性のものでしたからね〜……。
 で。作者さんのサイトを見たら、ハッキリと、「男性」と書かれてました……。なるほど。


 次の間に行きます。
 イスとキャンバスのパズル部屋から目薬を入手して、床にある充血した目に目薬をさしたら、目玉が活き活きと動き出して壁を見つめる。その先に隠し通路があって、赤い玉を入手して、ヘビの絵にはめ込むと……うんぬん。
 書くと複雑ですけど、ゲームをしている間はさほど気になりませんね。直観的に次に進みやすいようにと、工夫されていると思います。

 そして絵のカップルを幸せにして、感謝のブーケをもらうけど……、青い顔の絵の化け物に食わせて、先に進まねばならないとは。笑
 もちろん化け物にわざと赤いバラを手渡して、GAME OVERを楽しむのも忘れてはいません……。

 ●TRUE(トゥルー)ENDへ向けての準備

 先の話になりますが、このゲームのTRUE ENDには、「ギャリーの好感度」と「ギャリーの死亡率」が関わってくるらしいです。

 「好感度」については、イヴがギャリーに好かれているかどうか。嫌われそうな選択肢は、避けるのが無難です。
 絵を見つけたら、できるだけ見るようにしてギャリーとの会話を楽しみ、そして物を壊したりの行動は控えるように、との事。
 そして、やたらギャリーとの会話がはずむ所(話す度に会話が変化する)があったりするのですが、そういう所はしつこく会話しつくす必要があるようです。(10回程度)

 「死亡率」については、ギャリーがどれだけ危険な目にあったか。ワナにかかって、ギャリーのバラの数値が減ったら要注意。
 中でもギャリーの死亡率の明暗をわけるほどの、一番のキモの場所があるのですが……、それについては後ほど。

 この先、それらのヒントを(TRUEに向けて:〜)として、記しておきます。
 でも正直、TRUE ENDは難しすぎるので、初プレイ時はあれこれ余計な事を考えないで、ゲームを楽しんだ方がいいような気もします。
 TRUEルートじゃないイベントの方が、面白かったりしますので。

 でもTRUE ENDを見たい場合は、ギャリーとの出会いからやり直さなくてはならないレベルですので、そこだけは注意です。


イヴ、ピンチ!
しかも拡大してみました…
 ●たくさんの女の絵と、首のないマネキンの間

 開かないドアがいくつかあります。パスワードを入力し、2部屋開けます。
 ……詰まったかなと思いきや、花瓶が乗った動かせる台をテキトウにいじっていたら進展。
 開いた部屋には鏡が。自分達の姿を眺めます。(TRUEに向けて:ギャリーがマネキンを蹴り壊そうとしますが、止めた方がいいでしょうね

 色々進展して、気がつけばもうそこはゾンビの巣状態。わらわらと動き回る化け物どもをかいくぐって、開いているドアをめざします。

 ふいにバッタリと倒れてしまうイヴ。ギャリーに救われて、安全な場所でほっと一息つきます。
 (TRUEに向けて:ここでのギャリーとの会話。実はかなりの種類があるので、何度も試してみましょう。選択肢があったり、歳を聞かれたり…

 その先。メアリーという子が仲間になりました。おしゃべり好きな子である様子。

 ●ギャリーと別れ別れに

 その後、バラのパネルを通しての、ザッピング(主役交代)みたいなイベントが起こります。
 イヴ側で三角形の物体を穴に落としてみると……、ギャリーの方で進展したり。イヴ側でわからなかった絵の名前が、ギャリー側でわかったり。何とも楽しく、上手い作りです。

 ……で、詰まってしまいました。イヴ、ギャリー側とも、進展ナシ。
 これは、イヴ側でマネキンを壊すしかないんでしょうか? やれそうな事はそのくらいしか残ってないので。

 1回目のプレイでは、何の恐れもなく、全部ぶっ壊したんですよ。
 でもTRUE ENDを見るために、2度目のプレイをしている今は、慎重になっています。「物を壊しちゃいけない」とかネットで目にしたんですよね……。

 ●マネキンの首を、机から落として……いいのか?

 試しに壊してみたら進展。「釣り人」の絵に、釣り人が現れました。そしてギャリー側でも絵に変化が。
 ここだけは、物を壊さなきゃ進まないんですかね。(ネットにあった「TRUE ENDを見るには、物を壊しちゃいけない」というヒントを、うのみにし過ぎた模様)

 念のため、何度かやり直してみたら、ガスの出るマネキンの首を一つ壊すだけで、進展する事がわかりました。
 でも、もしこれがTRUE ENDに関わっているとしたら、かなりイジワルなフラグだなぁと思わざるを得ませんが……。(ゲーム中に、何の注意書きもないですからねー)

 ……そこんトコ、どうなんですか?(と誰に聞く)

 ●ギャリー最大のピンチ

 ギャリーのピンチの時のホラー度はなかなかでしたねー。
 たくさんの人形がある部屋。出られなくなって、カギを探す。だが、ゆっくりしているヒマはない! でかい化け物が、のっそりと部屋内に入ってくるではないか……ッ!
 ここで鐘の音をゴーン、ゴーン、と鳴らすとか、演出もかなり効いてます。

 で、結局助からなかったんですが、そういう作りになっているのかどうか……。
 (TRUEに向けて:ここがギャリー死亡率に関わる大きなキモ。カギは人形が持っています。ここで助からなければ、TRUEへの道はほぼアウト

 視点はイヴ側に。やっとの事で、ギャリーと合流できたイヴ達。しかしギャリーの様子がおかしい……
 そこでイヴのとった行動は? 思わず涙ぐんでしまいました。いいですねー。

 ●この世界は何だ……?

 そしてネタバレ:クレヨンで描いたような世界へ。
 イベントとしてはいいんでしょうけど……、視覚的には美しくないですね。どうにも手抜きに見えてしまいます。これは残念。

 動きがないようでいて、でも少しづつ、周囲の様子が変化していきます。
 左上の館の、8つのスイッチの部屋。
 この謎を解くのに、僕は軽くマッピング(地図を書く)しましたね。でも、リンゴ、うずまき、ネコが位置的に不確かな場所にあるので、これはちょっと上手くないかな、と。角なら角と、位置的にしっかりとしてほしかったです。

 で、プラスチックのカギを入手。マップ上部中央にある、家のドアを開けます。

 ●禁断の部屋……なのか?

 ネタバレ:ギャリーからライターを借りるんですが、最初は知らなかったですね。
 この辺はもう、エンドの少し手前。色々な行動の仕方があるので、何度も試してみるしかなさそう。このままストレートに、いくつかのエンドを見られるかと思います。

 イバラで塞がれた部屋に入れるんですが……、ここは怖いし、死にます。何だか「禁断の部屋」みたいで、ホラー度良好ですね。
 どうにかして逃げようと四苦八苦。部屋の奥にたくさんの物がありますが、そのどれかにたどり着けば進展するのか? など色々やりましたね。
 まぁ実際はシンプルに……ネタバレ:真っ直ぐ奥へ行き、絵にたどり着き、選択肢を選ぶ

 ●エンディングについて

 まずは2つ見たんですが……、どうもスッキリしない。
 エンドは全部で5つとの事ですので、きっといいエンドがあるんでしょう。

 ネットで調べてみたら、TRUE ENDを見るためには、かなり色々な事に気をつけなきゃならない模様。
 隠しパラメーター(好感度、死亡率)があるだなんて、知るハズもなく……。

 ●

 少し前に戻って何度かやり直してみましたが……、ネタバレ:ハンカチイベントが発生しません。新たに、寂しげなエンドを見たりしましたけどね。

 でも、読み飛ばしのできないRPGタイプのゲームで、マルチエンド……というのは、やはりツライです。
 ましてTRUE ENDを見るために、どこからやり直せばいいのかもわからない。

 せっかくの、難易度低めと思われたゲームバランスが、ここでガタ落ち。
 やり込み要素はいいんですが、普通にプレイして普通にTRUE ENDにたどり着けるようでないと……、「一般作」としては問題アリかな、と。

 ●TRUE ENDをめざして

 ギャリーと会う手前でセーブしていたデータがあったので、TRUE ENDをめざして再開。
 でも1回目のプレイと大きく違っているのは、マネキンの首をむやみに壊さなかっただけ。会話にも気をつけ、ギャリーの好感度に気を使います。
 ……でも、どうやらダメ。ネタバレ:ハンカチイベントとやらが発生しないまま、エンドへと……。え〜……?

 何が悪いのか? またネットで攻略を探します。
 すると、細かな数値でギャリー死亡率と好感度を示したブログを発見。……てか、その数値、何でわかったんですかね? プログラムを逆アセンブル(ゲームそのもののプログラムを見る)するようなツールもあるみたいですが、そういうのを使わないと多分、数値まではわからないんじゃないかと。作者さんじゃない限りは。

 そこで自分が犯していた失態に気付きます。ネタバレ:あのギャリー最大のピンチは、自力で切り抜ける事ができたんですね。それは知りませんでした。
 うぅっ。またそこからやり直しですか……。

 ●TRUE ENDフラグ、キツすぎ

 正直、TRUE ENDフラグはキツすぎですね。ネットで調べなければ攻略はほとんどムリ、というレベルですからねー……。何でこんなに難しくしてしまったんでしょうか?

 まぁTRUE ENDにムリにこだわらなければいいんでしょうけどね。
 でも普通にプレイしてたどりつくエンドは、BAD ENDみたいなエンドですからねー……。スッキリしないワケですよ。

 ●TRUE ENDクリアー……ッ!

 なるほど。色んな所でイベントが変化するワケですね。
 ネタバレ:精神崩壊したギャリーを助けるイベントがなくなって、ギャリーは元気なまま
 ネタバレ:おもちゃ箱の中。メアリーは登場せず、桃色のカギがほんとみつけにくい所にあったり

 ……これでスッキリしました。ほっとするエンドでした。苦労が報われたなー、と。
 ギャリーと会うところからやり直して、最後のさいごでやっぱりダメでした……となった時は、まじでガクゼンとしましたけどね……。もうあきらめようと思いましたけど、いいブログを見つけちゃって、3度目の挑戦で無事にTRUE。

 でも個人的は、ネタバレ:イヴがギャリーをビンタするところがかなり好きなので、あれこそ上手くTRUEに盛り込んで欲しかったなー、と思ったり。
 元気なままクリアー……もいいんですが、個人的にはしっくり来なかったですね。別エンドへ至るイベントが、あまりにも胸に残るものだったかネタバレ:ギャリー精神崩壊、ギャリーが青いバラをメアリーに渡すなど、なおさらTRUEルートの物語が色あせて見えてしまいました。

 ぜいたくな話ですけど、ネタバレ:やっぱりギャリーが元気なまま、というのは……胸に来なかったです。一度、暗く落としてほしかったなーと。

●総評

 悪夢の美術館、という感じの世界観は好感が持てました。謎解きも多く、楽しかったですね。難易度も、適度でした。
 舞台が特殊なので、背景もキャラ絵も全部オリジナル、なんだと思います。素材に頼らない、そういうオリジナリティはやはり好感が持てますし、ノレますね。
 頼れるお姉さん(いえ、お兄さん)のギャリー、そしてメアリーといった仲間も、かなり活き活きとしていました。

 でも残念ながら、後半のネタバレ:クレヨンで描いた世界はちょっとノレませんでした。
 ……乱雑すぎるんですよ。ビジュアル的にだいぶ損をしているような気もしますし、せっかくの今までの丁寧な作りを、そこでかなり壊された感じもします。
 もう少し細かな修正を加えて、芸術的に見せる事ができたんじゃないかなぁ……、と思うんですよ。エラそうですみませんけど。(でも、例えば、市販ゲームならあの場面をどう描いていたのか。きっと今のままでは通らないと思います)
 ネタバレ:らくがきをそのまんま出しちゃった……という感じですからねー……う〜ん

 実際のプレイ時は、動きや変化もたくさんあって、いい感じなんですけどね。

 ●

 普通にプレイしていると、まずほとんど、TRUE ENDに行けない、というのも残念でした。
 謎解きがあって、ややこしく動きまわなきゃならないRPGタイプのゲームを、またやり直せと言われても……。ザッピング部分も大変ですからねー。

 BGMも良かったですね。
 静かな時と恐ろしい時のギャップ。良くできたいくつかのホラー曲(とギャリーのテーマみたいな、ギター?曲)が、このゲームを盛り上げてくれました。

 色々と不満点も語ってしまいましたが、全体をひっくるめて見れば、かなり面白いゲームだったと思います。

 ご紹介くださったお二方。despiriaさんと、なかやさん。なかなか楽しませていただきました。ありがとうございます。ギャリーが男性だと教えてくれた紗夜さんも、どうもどうも。
 美術館を舞台にした、独特の世界観。そしてキャラを活かした数々のイベント。あのビンタ。ギャリーの優しさ。苦労が報われた、TRUE END。……この作品は長い事、胸に残りそうです。


『孤独』 ―― vestaさん
 (情報提供: すけあくろうさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:18.7M)

 ホラー度:★★★☆☆(意外とバケモノに襲われない。探索がメイン。デスエンドはナシっぽい)
 面白さ :★★★★(イベントなどがちょくちょく起こるのはいいんですが、次に進むためのヒントがなさすぎ。ムダに歩かされてばかり。でもゲームそのものは面白い)
 技術度 :★★★★(見た目はややレトロ風ですが、3Dでのアドベンチャーゲームはフリーホラーゲーでは新鮮)

 (あらすじ: 放課後、学校の校庭にとつじょ現れたバケモノ! 少女が殺され、みんなは散り散りに逃げる。主人公サキは、はぐれた友人のサヨを探しつつ、時折襲いくるバケモノから逃げる。そして校舎内や旧校舎などを調べていく内に、30年前に起きたこの学校での「集団失踪事件」の事を知る)

 (一言: 3Dアドベンチャーゲーム。校舎内、図書館、旧校舎などを行き来し、時折起こるイベント演出でストーリーが進んでいく。「謎を探っていく」という感じではなく、「色んな場所をウロウロして、偶然イベントに遭遇してやっと次に進む」…という感じ(次に進むためのヒントがなさすぎ)。3D描写は洗練されていて(高水準)、動作も快適。しかし3D人物がレトロ風なので、ゲームの見た目もレトロ風になってしまうのが惜しい。プレイ時間は3時間以上か)

●いきさつ

 掲示板にて、すけあくろうさんより、情報をいただきました。いつも楽しい書き込みを、どうもありがとうございます。

 あけましておめでとうございます。  投稿者:すけあくろう  投稿日:2012年01月06日

 今年もよろしくお願いします。
 さっそくですがベクターの新作ホラーアドベンチャーゲームの『孤独』が凄いです。
 なんとフル3Dで作られています。
 時間がなくてまだぜんぜん進めていないんですが、フル3Dってだけでもやる価値はあるかと。
 これがフリーとは凄い時代です。

 ではでは。

 ……との事。フル3D。相当な技術を要すると思いますので、なかなか個人では制作が難しそう。
 フリーホラーゲームでは、ほとんどお目にかかった事がない3D。さて、一体どんなゲームなんでしょうか……?

●エラーが出る場合は…

 以前に起動した時は、エラーが出て動かなかったんですが……、その後DirectX(ダイレクトエックス)の更新をし、最新verにしてみたところ、動きました。

 (ちなみに、DirectXの更新って、種類がたくさんありすぎてわかりにくい。自分はDirectXのダウンロードページにて、一番上にある「DirectX End-User Runtime」をダウンロードして、更新しました)

 ただ、このゲームはプレイするのにマシンパワーもそこそこ必要とすると思いますので、DirectXを最新verに更新しても動かなかったり、DirectXの最新ver(ver9.0以降)をダウンロードできなかったりする場合は、プレイをあきらめなきゃならないかもしれません。

●プレイ&レビュー

 ●昔の3Dゲームっぽい…

 画面はパッと見、昔の3DOなどの初期3Dゲームを思い出させる感じ。レトロです。
 主人公の顔も…よく見るとオバサンのような……。
 動きも妙。スベッているように歩きます。でもボタンを押しながらの移動で、走れたりもするんですね。

 マウスでは操作できない模様。
 キーボードもしくはゲームパッドで操作します。僕はパッドを使ってプレイしてみます。

 放課後。教室に残っていると、校内放送が鳴りました。文字じゃなく、音声で。でもよく聞き取れません。
 「学校に残っている人は……」うんぬん。
 主人公は「運動場に集まって下さい」と(見事に)聞き取り、4階の教室から降りていきます。
 BGMは虫の鳴き声ですか。静かでいいフンイキですね。

 倉庫の出口みたいな、ヘンな所から校庭(運動場)に出る。
 すると、ぞくぞくと人が集まってくる。生徒ら数人、先生までも。校内放送があったとは言え、みんな律儀(りちぎ)すぎやしませんかね……?
 すると、空が突然真っ赤に染まり、空から人が降ってきた。
 そしてあっという間に、一人の女子の腕を引きちぎったのだった……!

 何が何だかわからないが、みんな散り散りに逃げる!
 主人公、駒沢(こまざわ)サキは、教室に逃げ戻った。……どうしてそんな所に逃げるのか?はお約束か。
 ……と言いますか、みんな個人個人、散り散りに逃げてしまうんですね。こういうパニックが起きた場合、みんなまとまって、一緒に同じ場所に逃げそうな気もしますけど……(怖いから寄り添う)。

 ひと段落ついた、とセーブしようとしたら……、「ここでは記録できません」と。残念。
 いつでもセーブできる方が、僕としてはありがたいんですけど……。(ちょくちょくと細切れにゲームを進めていくタイプなので)

 ●再開

 セーブ箇所まで進まないで中断してしまったので、また最初からプレイ。
 再開して、バケモノから逃げて、みんな散り散りになり……、サキは、校舎内の自分の教室に逃げ帰っていた。
 窓から校庭を見ると、バケモノに腕をちぎられた女生徒が倒れたままになっている……。

 教室から出て、校舎内を探索。でも、自分がいた教室以外はほとんどどこも開かない。
 ウロウロしていると、階段下にユウ(男)がいた。彼は、椋木(むくぎ?)ユウ。
 1階に行ってみると、校舎から出るための扉が開かない。校舎内に閉じ込められてしまったらしい。

 その辺で御厨(みくりや)なんて名前が出て来る。飯田譲二さんの「ナイトヘッド」を思い出します。なかなか聞かない苗字だと思いますので。
 ……あぁ。セーブできないのがツライ。とにかく1回だけでもしたいんですけどね。じゃないと、また最初からやらなきゃならなくなりますから……。

 頼りになりそうな男、ユウと別れ、主人公のサキは、また校舎内を探索。
 3―Aに入ってみると、机の上に誰かのカバンが。……何かしらのイベントがある場合、「見た目に変化がハッキリしている」ようになってますね。わかりやすくて、親切でいいです。(中盤以降はそうじゃない場合もあったりしますけど)
 ふと窓から校庭を眺めてみると、さっきまであった死体が消えてなくなっている……。

 うろうろしまくってまた3―Aに戻ってみると、多田野という男が入ってきた。
 会話したりやなんやで進展。多田野はわかりやすい、イヤなキャラですね。

 ●レトロかと思いきや、意外に凝った3D技術

 ところで……教室の床を照らす、外からの明かりなんですが、その上を主人公が通ると、ちゃんと「影」ができてたりするんですね。芸が細かいです。かなりハイレベルな技術だと思うんですけどね。……いやいや、主人公の服に「光の映り込みまで表現」されてますね。こりゃあスゴイです。
 パッと見はレトロ3Dっぽいんですが、最新の3D技術が応用されている、なんてな感じなんでしょうか。

 3D画面は時折、視点が切り替わるんですが、それがまた意外とスムーズで、ゲームがしやすいんですね。ずっと主人公視点でもないので、背景がムダにぐりぐり動かないのが目に優しい。(例を上げれば、教室の前後が2分割されている)
 3D背景なんですが……、時折、静止画のような背景になったりする。その辺のさじ加減は、かなり上手いと思います。

 ●セーブできなくてイライラ……

 時間がない時にプレイしてはいけません。セーブできなくて、イライラしてきました。
 やっと進展。1階の防火扉が開きました。ダイヤルキーの番号は、扉わきの柱に書かれてありますね。ネタバレ: 571

 それからバケモノが校舎内に入ってきたり、保健室行ったりやなんやで結構進展はあったのに、いまだセーブができず……。
 ぐわあっ! もう1時間半くらい「とにかくセーブしたい病」になってるんですけど……。じゃないと、また最初からプレイしなきゃならないじゃないですか……うぅ。

 図書館に行けばセーブできるのかなぁ、とかプレイ続行するものの……、もうギブアップ! 進めどすすめどセーブできない……。
 しかも会社の夜勤に行く前にプレイなんかしちゃってるから、時間が気になってしょうがないという……。(個人的なプレイ状況がひどかっただけ、なんですけど)

 最後とばかりに、作者サイトに行き、セーブがどこでできるのか、調べてみる事に。すると……!
 「音に注意してみて下さい」
 とある。何ーーーッ! すぐにわかる。あそこだけ、音楽なかったし……。ネタバレ: 「階段の踊り場」でいつでもセーブできる

 そしてすぐさまセーブ……やっと一息つけたけど、納得いかない……。
 フツーなら、「自分の教室でセーブできる」……とかだと思うんですけどね。もしくは保健室の日下先生が優しく?セーブしてくれる、とか。
 (ネタバレ: あんな、階段の踊り場でセーブって……どうして……アアッ! このゲームの作者さんは、踊り場が好きだったんでしょうか?

 まぁとにかく、ゲームを中断できて良かったです。ひぃぃ……。全然ゲームに関係ない所でストレスを感じるとは……。結構進んだ後、また最初からやり直し……じゃあ悲しすぎますし。
 でもこういうのは、マニュアルに書いといて下さいよ……。僕だけですか? こんな所で詰まるのって……?
 「セーブができない」というだけで、せっかくの凝ったイベントが、あまり頭の中に入ってこなかったんですけどね……。これは自分、もったいない遊び方をしてしまいました。

 でも「セーブ箇所を教えない」というお遊びも、フリーゲーならではなんでしょうね。市販じゃ多分、許されません。(システム不備と叩かれるだけ)


図書館内
 ●気を取り直して、再開

 廃校舎に閉じこもる男子生徒、忌部(いみべ)。彼は多田野というイヤなヤツに、イジメられているんですね。
 何度か行き来している内に、彼から「図書館の鍵」と「(被服)技術室の鍵」をもらいました。
 被服技術室で武器を見つけ、図書館に向かいます。
 図書館探索。大きな学校は、敷地内にこういった本格的な図書館を備えているもんなんですかね? 3階建てとは豪華です。

 りちぎに本棚を調べていきますが……、これといって何もなし。通路に出ているを引き抜いて、通路などを塞いでいる邪魔なガイコツを消し去っていきます。

 色々ありまして、図書館内の「視聴覚室」前で手詰まり。ここの前に陣取っているガイコツだけ、消せません。
 包丁とか使えるかと思ったんですが、効果なし。でもちゃんと、ムービーみたいなものを用意してくれているのはさすが。

 それにしても、いつでもセーブできる、というだけでこれだけ安心感を持ってゲームをプレイできるものなんですね。
 そうそう。校舎内に入ってきたハズのバケモノ(頭グロいヤツ)なんですが、一向に姿を見せませんから、緊迫感はないですね。フリーゲーの「青鬼」みたいにちょくちょく出てくるのか、と思いましたけど。
 もったいない気もしますね。ゲームはやたら静かなままです。(ホラーゲームというより、完全に、探索型のアドベンチャーゲームですね)

 ●図書館内、視聴覚室

 実は、図書館内に杭がまだ1つ、隠されていた。ヒント: 1階の…
 それを引き抜くと、視聴覚室に入れるようになる。
 そこにいたものは……! おおっ。なかなか派手な展開を迎えます。
 いやしかし……主人公が持つ包丁……。あれはかなりの大刀なんじゃないでしょうか……。勇ましい武器に見えます。でも役に立たないんですか……。

 出直し。いかにも意味ありげな本からメモを見つけ、包丁に血をぬりつけると……、包丁が光る。(杭全部の血だったかどうか、忘れてしまいました)
 そして見事、デカイ化け物を退治した……。主人公、なかなか勇敢です。

 ところで主人公の名前、駒沢サキなんですけど、「コマちゃん」と呼ばれてるのはまぎらわしいです。リアルさに凝るのではなく、まぎらわしさをなくした方が、ゲームとしては正解かと。
 そして、サヨを救出した。


旧校舎内
何度か日記を調べたり、資
料を調べたりする必要が。
 その後、体育館にすんなり入れました。どうやら椋木ユウが開けてくれていたらしい。
 そこで会うイツキ。会話もなかなか笑えます。上手いですね。
 このゲーム。見た目は硬派で無機質っぽい(感情のカケラもなさそう)んですが、意外と会話が砕けてるんですね。

 校舎に戻り、日下先生にあずけたサヨから、資料室のダイヤルキーの番号ネタバレ: 982を教わる。
 ところでこのゲーム、開かない扉が多いんですが……、開かないままゲームが終了してしまいそうな場所が多そうです。

 この辺の展開、実際にプレイしてみると結構面倒です。
 「調べた→それを誰かに報告→進展」という感じ。そんなのが何度か繰り返されます。だから校舎や体育館や旧校舎やらを行ったり来たり……。

 この学校で30年前に起きた、「謎の集団失踪(しっそう)事件」の核心にせまっていくサキ。

 バケモノが久々に襲ってきたりやなんや。日下先生達もどこへ行ったのやら……。
 頼りの椋木ユウにはサッパリ会えなくなります。


時折、ムービーのようなイベ
ントが挿入される。

なかなか派手な展開が起こ
る事が多い。

画面の上下がカットされると
ワクワク…
 ●プレイを振り返ってみる

 物語も中盤辺りまで進んだでしょうか。ここまでプレイは4時間ほど。
 細かなイベントがたくさん用意されていて、なかなか丁寧に作られています。
 ただ、校舎内、体育館、旧校舎、図書館、けっこう行ったり来たりさせられます。「次に行くべき場所のヒントがほとんどない」ので、会いに行ける人物にとにかく会いに行って、話を聞いてみよう……、という感じ。
 ゲーム的にはかなり不親切。次の進展を求めて、ムダに歩かされてばかり、ですからね。……まぁ親切すぎても面白くないので、その辺のバランスは難しいところ。

 ●

 旧校舎で進展した後、校舎2階をうろついてたら、新たなイベントが。
 イツキといじめられっ子がモメてます。
 進展したのはいいけど、続かない。また別の場所を探索……。

 スムーズに行きませんね。ポツポツと場所ごとにイベントが起こって、話が進展はするんですが……、次にどこに行けばイベントが起こるのか、推理のしようもない。あてずっぽうでテキトウに歩いて、イベントにぶつかるのを期待する……のではなかなかにツライ。
 ムダに歩き回る時間ばかり、長くなってしまいます。

 おぉっ? 行けない場所に行けるようになってました。ダンボールが山積みされてたあそこですね。
 そこで起きるドラマ……あぁあ……。

 理科室。ちょっとイジワルなところに鍵がありますね。ネタバレ: 黒板を背にして、机を調べる
 化け物退治できそうな青い液体。重くて持てない、というのが残念……。液体を小分けするビーカーか何か必要なんでしょうか……?(そうではないらしい)

 体育館の2階にて……あぁあ……。
 人がまた一人ひとりと減っていき……残るは……。

 旧校舎の資料室で、15年前の資料を読む。さらに職員室で日記を読むと、やはりあの先生は……。

 ●完全に、ツマッた……

 手詰まり。
 全部の場所を、何度も行ったりきたりしたんですが、とうとう進展ナシになってしまいました。校舎内の教室なども、ほとんど調べて直してみたり。
 もうどこへ行けばいいのやら。依然、日下先生とサヨは見つからないし……。バケモノも出て来ないし……。

 ギブアップ。答えを探します。
 でも、攻略サイトもないようだし、作者さんのページもまだ、大した攻略が乗っていない。
 そして動画に辿り着く。「孤独」のプレイ動画をいくつか眺めているウチに……、ズバリそのものを見つけてしまいました。
 ……なるほど。あれをやり忘れていました。ネタバレ: 包丁にまた何かをぬる
 あぁ、やっと進みそうです……。

 でも、しかし。
 それをやるのはいいんですが……、「必然性に迫られていない」ような? とりあえずやってみましょうか、という感じになってしまいますよ、これじゃ……?
 何か違いますね。

 ●話の順序が逆

 あああ……。これは完全に、話の順序が逆でしょう。
 ネタバレぎみ: 武器を強化してから、それに見合うイベントが起きるんじゃなく、先にそのイベントが起こって、それを何とか乗り切るために、武器を強化しなきゃならないワケであって……
 ここは納得いきません。う〜む。
 
 そしてその後……、すぐにゲームはラストを迎えてしまいました。
 僕がツマッていたのは、最後のさいごだったワケですね。

 ……でも、いい。ラストはかなりイイです。
 ホラー的にも、「やってくれたな」と。まぁリングをほうふつとさせる一面もあったりしますけど。
 いやはや、なかなかに容赦ないですよ、これは。

 感心させられつつ、エンドを迎えました。キレも最高級ですね。ムダが一切ない。
 説明が欲しいようなところも(あの少女の事とか)、一切の説明をはぶき、プレイヤーに想像させるような感じになってます。これもまた、ツウ好み。
 ……これは、フリーホラーゲーム史に残したいほどの名エンディングだったんじゃないでしょうか。目を見張りました。


アイテム欄などもていねい
に作られています。
●総評

 かなり、かなーりムダに歩かされましたけど……、ゲームとしては面白かったし、イベントも豊富で、ていねいに作られていたと思いました。
 自分はちょくちょくプレイで7〜8時間くらいかかったかな、と。でも要領が良ければ、3〜4時間でもクリアーできそうな感じですね。

 オススメして下さった、すけあくろうさん。ありがとうございます。存分に、久しぶりの3Dゲームを楽しませていただきました。
 ホラー的にも良好でした。特にラストですね。かなり光っていました。
 ……終わり良ければ全てヨシ。
 そんな感じで、ホラー人間としては、清々しい終わりに大満足でした。

 でも最後のイベントに至るための謎(工夫)を見つけるのは、多分自力じゃ……かなりキツイんじゃないかな、と。「とりあえずやってみようかな〜?」的な感じですからね、あれは。
 僕は動画(答え)を見なきゃ、完全に手詰まりでしたので。

 ホラーゲームというより、アドベンチャーゲーム性(探し回ってフラグを立て、次に進んでいく)の方が高かった気もします。


『あふさきるさ』 ―― MAZY Conspiracyさん
 (情報提供: 比良坂蒐さん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:100M

 ホラー度:★★★☆☆(モノクロ調の画面が映える。静と動の恐怖感も見事に表現)
 面白さ :★★★★(とにかくアニメ効果がスゴイ。物語は、演出効果に比べるとやや普通)
 演出度 :★★★★★(事細かなアニメーション効果にびっくり。ゲーム中、ずっとどこかが動いてます)

 (あらすじ: オレとオサレ。2人の女が、いわくつきの神社の解体作業に立ち会う。重機が故障したり、神社の中が真っ赤だったりと不穏な空気がただよう中、作業員達は神社の床下に妙なものを見つける…)

 (一言: 常に画面のどこかが動いているほどのアニメ効果。場面転換での「描くような」アニメは圧巻。影絵・切り絵調の画面。雰囲気を盛り上げる、おごそかで時に激しいBGM。ただ、物語がやや普通の妖怪退治モノに見えてしまうのが惜しい)

●いきさつ

 掲示板にて、比良坂蒐さんより情報をいただきました。どうもありがとうございます。

 はじめまして  投稿者:比良坂蒐  投稿日:2011年12月01日

 はじめまして。いつもこのサイトを閲覧させていただいている比良坂蒐(ひらさかあかね)と言います。
 私は将来ホラーゲームを作ろうと考えていて、フリーホラーゲームを多数プレイしたり夢鳥さんのフリーホラーゲームのレビューコーナーを覗かせていただいているのですが、夢鳥さんのレビューは単なる感想に留まらず、ホラー表
現の良い点・悪い点を細かく分析されており、非常に勉強になります。(略)

 「あふさきるさ」
 「MAZY Conspiracy」さんというサイトさんが製作されたノベルゲーム。アニメーションがふんだんに盛り込まれており、普通のノベルゲームとは異なる雰囲気を持っています。
あらすじはこんな感じです。
 「町はずれの丘の上にある『赤いの神社』が解体されることになった。『赤いの神社』は、かつて人里に現れては村人を攫っていたという妖怪『あかいびと』を鎮めるために建てられたといういわれがあった。
女子高生の『オレ』は、祖母から神社の解体に立ち会うよう言いつけられ、お目付け役の女性『オサレ』と共に赤いの神社の解体を見守ることになった。二人は解体作業が進む間、神社の謂われについていろいろと話し合うが、その最
中に異変が起こり…」
 システムからグラフィック、BGMもすべて作者さんオリジナルのもので、黒と赤でまとめられた絵と聞いていて心地いいBGMがゲームの雰囲気を盛り立てています。今までにはないオシャレなホラーゲームです。(後略)

 ……との事。「あふさきるさ」という不思議な語感が気になったので、プレイしてみる事に。

●プレイ&レビュー


冒頭。
この画面に木々や電柱やら
どんどん描き込まれていく

キャラの服や髪もなびいて
ます
 ●すげえアニメ効果にびっくり

 開始早々「うおおっ?!」と叫びそうになりました。(そういう人ですみません)
 こんなスゲーの、見た事ない……。

 アニメーション!
 口パクとか、そんなケチなものじゃない。常に、画面のどこかがふわふわ動いてます。ひぃぃっ!
 画面を描く描写も、何だかやたらすごい。(昔の、線画に色を塗りつつ、絵とする、レトロADVゲームを思い出しました。古きを取り入れ、新しきとするスゴさ)

 ツールは、Nscripter。使う人が使えば、ここまでのものを作る事ができるんですね……。
 既読(きどく)の前文章を、その度に緑色にするとか。これも今まで、あまり見た事のない表現です。これは読みやすいかもしれません。

 フルスクリーンにすると、ちょっと文字がでかすぎますけどね。ウインドウモードにすると、画面の下が少し切れてしまうのが残念。(コントロールパネルでの文字設定で、影響アリか)
 BGMも不思議。画面のアニメ効果と重なり合って、なかなかの効果を生み出しています。
 今まで見た事のない異世界が、ここにありますね。いやぁ……素晴らしすぎです。

 さらに、影絵・切り絵を思わせる背景、人物画もまた、素晴らしい。

 ●BGMの音、キレイすぎ

 BGMも普通の音源じゃないっぽいですね。音が綺麗すぎます。(PC内の音源は結構、貧弱。自分も音作りに、2つ3つの音を重ねて1つにしたり、してますので)
 ファイルを見れば「〜.ogg」という見慣れない拡張子が。どんなBGM作成ツールを使ったんでしょうか。気になります。

 でもオシャレ少女の「オサレ」登場時に、いきなり「パンツ」うんぬんのセリフにはびっくりしました。いきなり雰囲気壊されました……。
 あぁ……この辺で、アニメ調の話になってしまったようです。要は雰囲気より、キャラが立ってきた、と。
 これはこれで残念。キャラを立たせない、リアリティに凝った話でも良かった気がしますので。(この異様な雰囲気には、シリアスが似合いそう)


左)オサレ
右)主人公
2人ともツンツンキャラか


神社


神社内。作業員達が何か
騒いでいる
 ●主人公に名前はないっぽい

 あれ?「オレ」って主人公の名前じゃないみたい。ただ単に、自分を「俺」って言ってるようなので。(セリフなどから推測するに)
 で、おとものオシャレな子が「オサレ」。
 ……あぁ、これは少し、まぎらわしい。おともが「オサレ」だから、主人公の名前が「オレ」なんだなぁ、とカン違いしたりしてましたので。

 神社を解体する辺りまで読むと、この2人が妖怪ハンターみたいな役割なんだとわかってきます。
 普通の妖怪退治ものを、ここまで「独特の雰囲気」で描く、というのも面白いです。

 ●アニメ凝りすぎ

 途中でマンガのコマみたいな表現があったりして、楽しいですね。
 細かいアニメに、いちいち感心してしまいます。
 画面右下の、飾りみたいな蝶の辺りまで、色んなパターンで動いたり光ったり……。この凝りようにはおそれいります。

 ●物語は結構、普通っぽい

 「ああだこうだ」というのに「あふさきるさ」とルビがついてますね。ネットで調べたものとは、ちょっと違いますね。

 主人公達が社(やしろ)の中に入る、中盤辺りまで来ると、「この物語、かなりのスローペースだなぁ」と我に返ってみたり。
 こういった「呪いの神社」話とかだと、たいがいは、取り壊しの作業員達がムザンに死んだりするようなところが話の冒頭になったりする気がしますけど……、この物語ではその冒頭部分に主人公達が早速からんできて、話をそのま
ま引きずっているような感じを受けました。

 あらすじを書いてしまうとほんとに普通。
 「妖怪退治の2人(主人公とオサレ)が、オババという強力な師の下で、妖怪退治に励む」……みたいな。この辺はもう少し、ひねってほしかった気が。

 そんなアニメキャラめいた2人なんですけど……、でも実際のところは彼女達に特別な能力はなく、ハタから見れば、「フツーの子でも話が成り立ってしまう」ような感じ。ちょっと中途半端。
 つか、安楽椅子(あんらくいす)探偵めいたオババまで、あんまり役に立ってない……。呪文でも唱えてくれるかと思ったんですが。

 でも特殊能力を使って化け物を派手に退治するような、カンペキなるアニメ話にならなくて、それはそれで良かったです。
 物語のバランスは、ぎりぎりのところでリアリティ重視、というような感じを受けました。


右クリックメニューなども
かなりていねいに作られて
ある
●総評

 ……とにかく一番目を見張ったのが、アニメーション、ですね。
 事細かに作られたアニメ効果。どうやって作ってるのかなぁ、と感心しながら眺めてました。
 場面転換での、「描いているような」アニメ効果。はたまた、神社の中を、まるでディスコみたいな光の喧騒(けんそう)の場にし立ててしまったり。面白いセンスです。

 かんじんの物語はそんなに悪くはないんですが……、やや普通すぎる、という気がしました。妖怪退治モノで「ありそうだなぁ」と思えるような話でしたので。
 主人公とオサレに、もっと独特の魅力があれば、また違った感じになったのかもしれません。
 切り絵風の絵は、かなり魅力にあふれていましたけどね。

 でも意外とリアリティに凝った化け物描写は良かったです。アニメばりに出てこられたら、なえてしまったかもしれません。
 今ぐらいの描写がほどよく、リアリティを残しつつ、怖がれる微妙な線なんじゃないか、と思いました。

 このゲームを紹介して下さった、比良坂蒐さん。感謝致します。
 事細かで、時にダイタンなアニメ効果。かなり楽しませていただきました。……世の中、まだまだ広いなぁと。改めてそんな感心すらしてしまいました。


『死に至る病』 ―― 西 邑倖さん
 (情報提供: 桜木さん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:7.8M)

 ホラー度 :★★★★(中盤以降の怖さは満点。でも人物画や恐怖画が欲しかった)
 面白さ  :★★★★(物語的には★5。ゲーム的にもう少し、味付けが欲しかった)
 物語の凄さ★★★★★(アマチュア作とは思えない物語の凄さに、感服。中盤以降、夢中になりました)

 (あらすじ: 食糧難におちいった日本。主人公のナオは仲間達と、スーパーなどでの略奪を繰り返し、食いつないでいた。そんなある時、自衛隊に襲撃され、仲間達は銃弾に倒れてしまう。運び込まれた病院。しかしそこは意外にも、食うに困らない日々を送る事ができるという、天国のような場所だった。しかし、治りかけていた仲間が突然おかしな倒れ方をしてから、不穏なものをいだき始める…)

 (一言: 選択肢ありのノベルゲーム。エンドは十種類。物語背景、人物描写、凝った展開など、ていねいに描かれた物語の凄さに感服。面白さも一級品。ゲームというより、ひたすら文章を読む感じ。背景画は「絵」を思わせる写真加工(その場に合ったものを細かく用意)。人物画や恐怖画はなし。場に合ったBGMや効果音もていねいに配置。プレイ時間は長め)

 ●作者サイト: http://yamai.kurushiunai.jp/

●いきさつ

 ウチの掲示板にて、桜木さんからご紹介いただきました。

 お久しぶりです  投稿者:桜木  投稿日:2011年04月25日
 
 (前略)
 「死に至る病」というサウンドノベルです。チュンソフト小説賞のミステリー・ホラー部門奨励賞のシナリオだそうで。以下公式サイトのストーリー引用です。
 
  食料難の世の中。
  仲間達とスーパーを襲撃して食いつないでいるナオ。
  ある日の襲撃後から、全てが変わった。
  狂い始めた価値観と、ルールを失った社会。
  閉鎖的な病院の中で突然息絶える人々。
  いったい何が起こっているのか──。
  ミステリー要素を含んだサスペンス。
  波に呑まれながら、必死にもがくナオが迎える結末とは。

 引用終わり。読みやすくしっかりしていたので、おすすめしたいと思います。プレイ時間もそんなに長くありませんでしたし。
 (後略)

 ……との事。どこかで聞いたようなタイトル。「殺戮に至る病」(我孫子武丸。「かまいたちの夜」原作者)を思い出しましたが、そのまんま「死に至る病」という小説もあるみたいですね。

●プレイ&レビュー

 フリーゲームサイト「ふり〜む」での説明を見て、ちょっとガッカリしたのは、絵が「背景のみ」というところ。
 個人的に、「人物画とか恐怖画がないとノレないかなぁ」……と思ったり。昔からそんな偏見(へんけん)を言ってきてますけど、こればっかりはどうにも……。
 でも背景画のみのゲームでも、名作は多数ありましたし、とりあえずプレイ。


スーパーで略奪をする
主人公達
 ●出だしの印象

 背景画。写真を加工したのか、描いたものなのか。ちょっとわかりません。どちらにせよ、技術はすごいな、と。(マニュアルとかよく見たら、「素材写真を加工したもの」との事)
 1画面に15行ほども文字が連なったりするので、読みにくい。文字がやたら多い印象を受けます。……まぁ慣れれば、いいんでしょうけどね。
 ゲームというより、「文章をひたすら読んでいく」という感じ。まさにノベル的。

 それにしても、出だしから、なかなかに大胆。
 そこに広がっているのは……、食糧難におちいった世界という「非日常」。こういう「(独自の)世界を作り出す」といった大胆さは、今までプレイしたホラーゲームでも、あまりなかった気がします。
 ……感心しました。
 「せっかくのノベルゲームなんだから、こういう大胆なものに、作り手がもっと挑戦してみていいんじゃないか」と気づかされた気がします。


 でも、ゲームとしての出だしの印象は、決して良いものではありませんでした。
 文章ずらずら〜で読みにくいし、いきなり登場人物が多くて、全然、頭に入ってこないし(絵がないから)、目新しい世界観にも不安が。「コレ、面白くなるのかなぁ?」と。

 このゲーム(物語)にのめり込むのはまだまだ先の話で、最初は「とりあえず進めていこう」とちびちびと読み進めていった次第です……。


集中治療室前
 ●冒頭

 物価が高騰(こうとう)して、まともに食糧にありつけず、主人公達はスーパーなどの襲撃をして、食糧を奪って食いつないでいます。そこまで、せっぱつまった状況下にあるワケなんですね。

 主人公、戸倉直希(なおき)。仲間達には「ナオ」と呼ばれています。
 略奪のさなか、主人公と仲間が自衛隊の銃撃を受け、病院へ。

 物語はスローペースで、ていねいに進んでいきます。リアリティも充分。
 ……でも逆に言えば、「とっつきにくい」。それと言うのも、冒頭はただひたすらに「読むだけ」、なので。

 仲間の卓也(たくや)と祥子が大怪我を負い、集中治療室前であれこれ考える主人公。
 「お祈りは、病室でもできますから」
 そんな神月先生(医師)の一言。センスあります。
 (要は、主人公があれこれ長く考えている文章の後、そのセリフを入れる事で、「主人公がその場で長く悩んでいるんだな」とわかる)


刑務所
そこには食糧の配給もない
…じゃあ、囚人たちは?
 ●第二章  ※これ以降、あまりネタバレしないように書きますが、物語の大きな流れが分かってしまうので注意

 さて。この辺まで読み進めてくると、面白くなってきました。
 物語、かなり良くできていると思います。シロウトが書いた小説、という感じじゃないです。世の中、広いなぁと。感心しまくりです。

 ワケあって、主人公が収容された刑務所。そこでも、法や秩序(ちつじょ)が失われていた。
 とちゅうで「我武者羅」という言葉が出てきて、「何コレ?」と。あぁ「がむしゃら」か、と。漢字で書いたのを、初めて見たような気が……。

 で。この章のホラー度は……ハンパじゃないです。いやぁ、冷えました。
 文章も上手ければ、展開も上手い。これは嫉妬(しっと)する勢いです。素晴らしく、怖い。

 一章がやたら長かった(ムダが多かった気もします)んですが、二章はほんとアッという間でした。

 ●第三章

 そしてまさかの展開を迎えます。僕的には、二章で幕を閉じても良かったかな、と。そんな雰囲気を匂わせるシーンもありましたし。
 (と言いますか、僕の頭ではその辺が限度。そこでもう、満足。さらにその先を描いている作者さんには、尊敬する他ありません。しかも成功してますからね、その先の展開)

 友人、勇人が病室でいきなりおかしな倒れ方をした後、「集中治療室にいる」と言われたっきり、会えなくなった。
 ……死んだのか? じゃあ、何故?

 印象的な、喫茶室のシーン。落ち着いたBGM。癒されます。ゲーム全体的に、BGMが非常にイイです。かなり、場の雰囲気に合っています。(素材にしろ、選曲のセンスがいい)

 ●物語は思わぬ展開へと…

 読む毎に、物語に引き込まれていきます。長いので、何日にも分けてプレイしているんですが。
 アマチュアが書いたものだという事を忘れてしまうほど、物語の完成度は高い。ノベルゲームでここまでスゴイ話を読んだのは、今まであまりなかったんじゃないか、と思うほど。
 面白すぎて、夢中になりました。
 何が面白いのか、と言えば、「物語の展開」。すみませんが、人物描写はかなり現実的(マンガ的ではない)でクセもなく、人物的にはさほど面白い感じは受けないんですが……、とにかく物語の展開がイイ、んですね。
 でもこの作品の場合、クセのある人物がいなくて正解なんでしょうね。

 ●ゲームクリアー

 グッドエンド(LOVE―END)に到達。選択肢もそんなに多くないので、ここに辿り着くのはそんなに難しくないと思います。
 物語が長いので、読み切る根気だけが大事ですね。
 ラストシーンを迎えて、「ここまで見事に書き切ってくれた作品は、そうそうないんじゃないか」と思いました。とにかく、「素晴らしいな」と。

 話が難しくなったりもしますので、幼少の子向けではないですね。中高生以上じゃないと、面白さがわからないかもしれません。
 あと、キャラクターものでもなく、純粋にストーリーを楽しむものなので、アニメというよりドラマか映画的な作品だったと思います。

 ホラー的にも、かなり満足しました。二章、刑務所内での壊れっぷりが印象的でした。あと、後半の恐ろしさはほんとにもう……圧巻です。
 もし、このゲームに恐怖画が付いてたら……どれほどのものになったのか。そしてゲーム的にもう少し味付けがあれば(装飾の工夫、大きな分岐など)、市販レベルにかなり近づいたものになったんじゃないかな、と思いました。
 物語的にはアマチュアの域を超えている、と思いますので。

 ゲームというより完全に「ノベル」という感じでしたが、「物語の凄さ一つ」で押し切られた感じです。
 演出的にも、絵はおとなしいままでしたが、BGMやら文字のフォントやらで驚かせてくれました。(細かい話ですが、BADENDを表示するあのフォントについては、雰囲気壊してます)
 文章を止めないで流しっぱなしにするとか、天才的なアセラセ方も披露(ひろう)してくれました。やってくれます。

 エンドがまだまだ残っているのでいくつか見てみましたけど、一回目のプレイでだいぶ満足してしまうと、後はどうも蛇足(だそく)ぎみに思えてしまいますね……。ムリしないで、日数をあけてから、プレイした方がいいのかもしれません。
 後半も人物がやたら増えてしまいますので、「は? 永島って誰?」とかなってしまったり。人物画がないのに、全体を通して登場人物が10人近くもいるのは、やはりどうにも……(人物画があっても混乱しまくりそう)。
 リアリティに凝るのはいいんですけど、ほんの脇役にも命を吹き込み過ぎなんじゃないか、と思ったり。

 ●他

 あと、作者さんの名前(西 邑倖さん)の読み方がわかりません。にし むらゆき、さんとお読みするのかなぁ…?と。
 なお、このゲームの元となった小説は、400字詰め原稿用紙にして、250枚ほどとの事。かなりの長編ですね。道理で、ゲームもやたら長いハズです。(小説1冊分程度)

 かなり面白怖かったです。桜木さん、ご紹介ありがとうございました。
 ここまで面白い物語を書いてくれるアマチュアがいるんだなぁ、と改めて感心してしまいました。フリーホラーゲームそのものにも、まだまだこの先も期待できそうな予感がしてきました。怖さ、に関しても。


『ずるずるさん』 ―― こりすさん

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:1.5M)

 ホラー度:★★★☆☆(「青鬼」のように、追ってくる化け物から逃げる怖さ。グロなどはなし)
 面白さ :★★★★(難易度も低く、気軽に楽しめる。意外なシナリオ展開もいい)

 (あらすじ: 小学生のゆうきは友達のちえと、夜の学校に忍び込み、「ずるずるさん」というお化けが本当にいるのかどうか、確かめる。ずるずるさんは本当にいるのか…?)

 (一言: 「青鬼」タイプの逃げゲーを、小規模なマップでミニゲーにした感じ。謎解きなどはほぼナシ。突然、変な所から出てくる化け物にビクッ!とする。主人公の行動により、エンドは3つに分岐する。ラストの意外な展開が楽しい)

 作者サイト●「こりす製作所」 

●いきさつ

 久しぶりに、「ベクター」のホラーアドベンチャーのコーナーを見てみると、新作がぞくぞくと登場しているようで。
 中でも人気の高い「ずるずるさん」に目がいき、DL。


オープニングの一コマ
●プレイ&レビュー

 ゲーム画面は、まるでファミコン。……いや、それ以上にドットが荒い。主人公キャラも、12ドットくらいで描かれてます。(もちろん、ドットが少ない方が描くのはラク)

 オープニングデモで、物語のいきさつが語られます。
 主人公のゆうきが、友達のちえを連れて、夜の学校で「ずるずるさん」を見てやろう、というワケなんですね。
 「ずるずるさん」とは大きな肉のかたまりで、ずるずる這い回り、捕まると食べられてしまうのだという……。

 学校探索型のADVかな、と思えば、ロッカーやらを調べようとしてみても、反応がない。ただウロウロするだけ、しかできない模様。
 そして、校舎内の教室などを全て見て回ったところで……、ずるずるさんが!


ゲーム画面。
フルスクリーンでないと
小さすぎて遊びにくい


上のコマを拡大したもの
 校舎内を逃げ回る!
 結構、簡単にずるずるさんを撒(ま)く事ができますね。でもイキナリ、変なところからずるずるさんが現れたりするので、ビビリます。ほんと、「青鬼」みたいな感じ。

 バッドエンドを2つ見ましたが、ちえが生きているエンドがあるのかどうか、気になるところ。
 アイテムがあったり、物語の進展やらがあったりするワケでもなく。ただひたすらに、校舎内を逃げ回るだけ。
 「どうすればいいエンドを見られるの?」と疑問になりますが、それにはちょっとしたコツがある模様。(偶然、上手くいく場合もあるでしょう)

 ところで、保健室とかの特別教室が、記号で記されているのでわかりにくいですねー。
 (で。保健室で、どうもずるずるさんの動きがニブくなるような気がして、そこに秘密が隠されているのかな〜なんて思って、ずるずるさんを撒いた後、調べてみたりもしたんですが、無反応……。ちえが隠れている、とか思ったんですけどねー)
 あと、開かない教室結局、最後まで意味不明)はカギが必要なのかな〜と思ったりもしましたが、このゲームにアイテムは存在しないみたいだし……。あれ〜?

 「F12」キーで、タイトルメニュー画面になるので、これは結構使いました(続きから再開したい時)。ちなみに「F4」キーで、ウインドウとフルスクリーンの切替。

 ●無事にトゥルーエンド

 「ヒント」を見て、トゥルーエンドまで無事にたどりつけました。
 いや〜。ラスト、なかなか盛り上がりますね。意外な展開で楽しませてくれます。
 シナリオの作り方が上手いです。感心しました。

 クリア後のちょっとしたおまけ、なども楽しく読めました。隠し要素については、全く気づきませんでしたね〜…。


ずるずるさんに追いかけら
れる! 音も迫力。
●総評

 思った以上に、ミニゲーム的な感じでした。エンドは3つ。上手くいけば、1時間くらいで全クリアできる人もいるかと思います。
 人気があるのもうなずける、面白怖いゲームでした。

 怖さに関しては、「化け物にいきなり襲われる」という類(たぐい)のものなので、年齢的な制限はない感じすね。追いかけられるスリルと、いきなり現れるずるずるさんにビクッ!と。
 グロい表現(血や死体など)もなく、どなたでも気軽に遊べると思います。


 『ぼくというモノ』 ―― 1010さん

 ホラー度:★★★☆☆
 面白さ :★★★☆☆

 (一言: 決まった形を持たない「ぼく」はある日、人間の男の子になった。公園で出会った少女「さえ」。彼女とかくれんぼをする楽しい日々が続いた。だが、ある日からさえが公園に来なくなってしまい…。/選択肢なしのノベル。絵に似た背景画像、キャラ絵も美しい。BGM効果音も良好。ラストで悪意が爆発。やや安易な流れか?)

 ●作者サイト:「1010」

●いきさつ

 掲示板にて、桜木さんより情報をいただきました。

 こんばんは  投稿者:桜木  投稿日:2010年07月03日

 (前略)今回もフリーゲーム紹介をひとつ。
 「ぼくというモノ」というゲームです。常に形の定まっていない「ぼく」はある日人の形になり、公園で「さえ」という女の子に出会って…という話です。
 グラフィックが本当にきれいで見とれてしまいます。
 DLは1010というサイトさんの中からになりますね。プレイ時間は15分程度、分岐なしなのでお手軽な感じです。(後略)

 との事。書き込みを頂いてから半年以上経ちますが……、プレイさせていただきます。


少女「さえ」



「ぼく」は夜になってもさえを
待ち続ける…
●あらすじなど

 「ぼく」は決まった形がなく、次々と形を変える。ある時はそびえ立つ電柱、ある時は枯れ落ちた葉っぱ……。
 そして今は、人間になれた。人間の男の子だ。

 公園でぼんやりしていると、ある日、「さえ」という少女が話しかけてくれた。
 そしてかくれんぼをして遊ぶ日々が続く。どんどん「ぼく」は幸せを感じていく。

 しかし、ある日からさえが姿を見せなくなった。
 それでも「ぼく」は待ち続ける……。

●感想 (※ ややネタバレあり)

 制作ツールは「Nscripter」。残念ながら、フルスクリーンにはできない模様。
 絵はかなり綺麗ですね。背景は写真を加工したのかなぁ?と。絵のようにも見えてしまうので、どうかわからないんですが。

 この物語を読み終えて、「中途半端な優しさは罪なのかなぁ」なんて思ってしまいました。
 でもまぁ、ネタバレ: 問題は「ぼく」の方にもあるワケで。ラストの方は悪意が詰まってます。でもこういういのある物語を書ける人の方が、ホラー人間的?にはうらやましいです。

 で。この物語は「ぼく」が人間ではなく別のモノ、というのがミソなんでしょうね。
 ただの人間の男の子でも話のスジは追えますが、物語に全くリアリティがなくなってしまう(「こんな子供はいないな」と)。

 そこで、元々人間じゃないものを「ぼく」にした事で、リアリティそのものを最初から奪ってしまっている。上手いです。
 こういったSFめいたダイタンさは短編ならでは。こういう物語をもっと読んでみたいですね。

 BGMと効果音にも凝っていると思います。静と動のホラーも見事に描いていると思います。「動」の部分が上手く描けていると、のめり込み度も違ってくると思います。

 ただ、絶賛してオススメするにはちょっとだけ弱い。
 「ぼく」の思考の転換部分 ネタバレ: 「さぁ、かくれんぼをはじめよう」みたいな) がやや安易に見えてしまうところが惜しいかな、と。
 欲張りな事を言えば、もう少し違った展開で驚かせて欲しかった気もします。

 分岐ありのノベルにしてもらえば、色々と「可能性」がその後に生まれたんじゃないかな、と。
 でも、最後にアレに変化したところは「なるほど」と納得できました。ここは上手いと思います。(ホラー的に)


『いちろ少年忌憚』 ―― ねこふろしきさん
(情報提供: ℃さん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:2.4M)

 ホラー度:★★★★
 面白さ :★★★★★

 (あらすじ: 高校生のいちろは、今日の放課後も教室で一人、こっくりさんをやっていた。この学校の七不思議の事を聞いてみると、返って来た返事は「やめろ」。そして「のろわれてしね」。友人のとおこがそこに現れ、こっくりさんを中断して帰ろうとする。そこに現れた化け物。逃げる。しかし、いちろ達は学校から出られない事を知った…)

 (一言: 古き良き時代のファミコンを意識したような画面。校舎内を探索し、様々なアイテムを入手して、学校の七不思議を封印していきます。謎に関してのヒントはかなり少なめですが、ゲームバランスは良好。おどろおどろしいBGM。たくさんの即死ワナ。ホラー度も良好で、文句ナシの傑作)

 ●作者サイト:えびふろ

●いきさつ

 掲示板にて℃さんより、情報をいただきました。

 こんばんわ、初めまして  投稿者:℃  投稿日:2010年11月27日 

 (前略)
 突然なのですが、「ねこふろしき」様の作品をやったことはありますか?
 「いちろ少年忌憚」「お化け屋敷探検隊」「キラーベア」がオススメなのですが、もしよろしければプレイしてみて下さい^^
 一番のオススメはいちろ少年忌憚です。
 (後略)

 との事。「お化け屋敷探検隊」など以前に遊んだ記憶があったのですが、レビューはまだしていなかったので、これを機に、「ねこふろしき」さんの作品に改めて触れてみる事にしました。
 どうせやるならという事で、オススメの「いちろ少年忌憚」をプレイしてみる事にしました。 

●プレイ&レビュー

 ●冒頭

 こっくりさんが趣味の高校生、いちろ。
 ある日の放課後。教室で一人、こっくりさんをやっていた。

 いちろはこっくりさんに、この学校の七不思議の事を聞いてみたが、返事は「やめろ」。
 更には10円玉が勝手に動き出してしまい、描いた言葉は……「のろわれてしね」。

 そこで教室にやってくる女生徒、とおこ。
 いちろは驚いて、10円玉を指から離してしまう。こっくりさんの途中で、10円玉から指を離してはいけないのに……。

 不安を感じながらも、帰ろうとする。
 すると、何かがはいずってくる音が聞こえてきた。

 そして現れたモノは……この世のものではなかった。

 ●ファミコンっぽい画面

 ドット絵丸出しの敵の絵。
 最初見た時は、残念に思いましたけど、不思議と恐怖感がそんなに損なわれていないので、いいのかも。

 それにしても、全体的にファミコンを思わせる絵ですね。背景から、人物画まで。
 描きこまれていないけど、見やすくていいです。


図書室。
ここで七不思議の弱点を聞いたり、
セーブしたりする。
 ●七不思議を封印していく

 図書室で会う、遠藤先輩。
 彼は、オカルト研究部の部長。彼が色々と教えてくれます。

 今。この校舎は異界となってしまった。
 学校の七不思議を封印せねば、ここからは出られないらしい。
 ……話もわかりやすく、しかも興味深い。いい感じです。

 七不思議の一つである「ブリッジ女」。まずはここから攻めてみましょうか。
 軽く死亡。でも殺される間際に、廊下にて光るモノを発見。あれは何だ?

 一階に行って、光るソレを拾ってみると……、それは「鍵」だった。
 あぁ、ブリッジ女を倒すためのライトか何かかなぁと思ったんですが、予想はハズレました。

 続けて、一階の教室などを探索。
 トイレまで調べる。女子トイレのカガミが外せました。これでブリッジ女をどうにかするのかな、と思いきや、そこから出られなくなる。
 黒い化け物がはいよってきて……BADEND。

 おぉ、結構死にまくりです。


七不思議の1つ、ブリッジ女
 ●第一の敵でツマる

 校舎内を探索し回り、「鍵」「空き缶」「鏡」「鍵の束」「モップ」「マイナスドライバー」などを入手。
 しかし、一向にブリッジ女を倒せません。困った。

 まだ校舎内を探索する必要があるのか。どうすればブリッジ女を倒せるのか。見当もつきません。
 改めて、とおこ達のいる図書室の本棚などを調べてみると……、メモがいくつか見つかります。
 あぁ、重要そうなヒントもありました。

 ……しかしダメです。どうやってもブリッジ女を倒せません。

 ●

 後日。まだ探索が足りないんだろうなと思って、改めて校舎3階から、しらみつぶし的に、探索を再開。
 そしたらアッサリ進展。とある場所でネタバレ:サッカーボールを入手。これでブリッジ女を封印できました。
 やっぱりツマッた時は、日をおいてみるもんですね。


暗い校舎内
ゲームのメインは、校舎内の探索
 ●自由度は高そう

 校舎を探索している内に、「熱子さん」と「人体標本」、「異次元の鏡」(屋上前。後で、かん違いだと判明)の場所はわかりました。
 封印する順番とかは関係ないんですかね。

 校内ゆいいつの安息の場である、図書室に戻ろうとしたら、廊下にびっしりと赤い足跡が。とあるロッカーまで続いています。
 調べてみればやっぱりワナで、即死。
 こういうワナ、結構多いです。

 ●難易度は決してEASYではない

 校舎内の探索を再開。何かありそうな所を、徹底的に探していきます。印もヒントもない場合があるので(ただの花びんとかゴミ箱とか)、ちょっと面倒ですね、これは。
 ロッカー類は、ワナじゃなければ、あるもの全部調べていく勢いじゃないと、アイテムは見つかりません。

 ゲーム難易度は少なくともEASY、ではないですね。プレイヤーへの世話(ここにアイテムがありますよ〜という印など)は、かなり少な目。
 図書室にいる部長も、同じ事しか言いませんし。つまり、今置かれている状況の打破は、自力でしか突破できない。誰かに聞いてもムダ。

 ただ、あまりにもイジワルな仕掛け……、というのはない模様。
 探せば、見つかる。もしかすると、なかなかいいゲームバランスなのかもしれません。

 おぉ。いちろがいた教室での、カラスの鳴き声がいいですねぇ……。
 熱子さんも封印できるか……と思ったんですが、まだ情報不足のようですね。イジメッ子の名前が4人。でも呼ぶのは3回。誰か1人の名前にしぼって3回呼ぶのか?

 ゾンビ犬も見つけはしましたが、まだアイテム不足か。どうにもなりません。

 ●次々と封印していく

 探索していくと、また色々と発見がありました。
 ある程度、血の跡だとか、探すためのヒントはあるみたいですね。

 次に熱子さんを封印できました。(封印するためには、ヒントが2つ必要)
 遺書を入手。これで遺書が3つに。
 続けて、首吊り男も封印できた……、と思った直後、ワナに引っかかって死亡。やられた……。

 ●

 屋上付近にある大きな鏡は、異次元の鏡ではなかったんですね。
 まだゾンビ犬が倒せませんし、人体標本の骨もまだ足りない。
 そろそろ学校の様子も様変わりしてきて、色々な即死ワナも増えてきます。

 でも大概は、そこで重要な何かをゲットできるワケではなく、「このワナにのれば、どんな一発死が見られるのかなぁ」というブラックジョーク的なお遊び、程度のものみたいですね。


ゾンビ犬
倒すには色々と試してみるしかない
 ●ゾンビ犬の倒し方に感動…

 ゾンビ犬を倒すために、何か特別なアイテムが必要なんだろう、と校舎内を何度も探索し直してみますが、どうにも進展はありません。

 そこで、ゾンビ犬から何度か逃げてみた時の事を思い出します。ネタバレ:香水が必要
 どこまで逃げられるのか、何度か試したんですが、その辺にもしかするとヒントがあるのかもしれません。

 そしてひらめきました。……あそこで、アレを使ってみるのか?

 一度はBADを見た、ただのワナかと思いきや……、もしかすると上手くゾンビ犬を……。えぇえ〜?

 思い立ったらワクワクしてきました。
 まさか、この予想は当たるのか。それともてんでダメなのか……。

 そうして試してみたところ、おぉ、やりました! やってくれました!
 思い通りに上手くいくと、かなり嬉しいもんです。

 続いて、トイレをずっとガマンしていたという、とおこのトイレにつきあったりのイベントがあったり。
 もしかすると……見つからなかったアレはあそこにあるのでは……、とネタバレ:ゾンビ犬がいた場所を調べ直してみれば、おぉ。欲しかったアレが!
 続けて封印できました。

 ……と、いつの間にやら7不思議全部を封印していたようで。見た目に封印したぞとわかれば(メニューなどで確認とか)、もっとゲームらしかった気もしますが……、まぁそれはいいですか。

 残すは8つ目の、憑(つ)き子さんのみ。
 いけるのか?! ……ここまで来たら、行くしかない!

●総評など

 エンドの感想:胸の熱くなるような。そして清々しいENDを堪能(たんのう)させていただきました。
 ハッピーエンドがあまり好きじゃない僕も、上手くノセられました。

 満足しました。いいゲームでした。

 謎に関してのヒントが、少なすぎるかなぁ……とも思いましたが、そんなにイジワルさはなかったので、難易度としては並程度だったのかな、と。
 がんばれば、誰にでも解ける難易度、というのがやっぱり好ましいと思います。一般ウケをめざすのであれば。

 3階建ての校舎内、という限られた空間の中での探索劇でしたが、広さはほど良かったと思います。

 ●

 ホラー度に関しては、やっぱり七不思議との遭遇(そうぐう)時が一番大きかったかなと思います。
 あの秀逸(しゅういつ)なおどろおどろしいBGMに、グロぎみのドット絵。ドットの荒さがモザイクの役目をして?描かれていない部分も、見えてしまいそうな嫌な妄想におちいったり。
 圧倒されました。

 後はお遊び的な即死ワナ。色々凝っているので、つい全部を見てしまいたくなります。

 他、個人的には、ゾンビ犬の封印の仕方にヤラレました。よくぞやってくれた、と思いました。ネタバレ:しいて言えば、「2つ同時に遭遇する事はない」というメモがウソになってしまいますが
 これはぜひ自力で発見して、その喜びを感じてもらいたいですね。

 何はともあれ、かなり面白いホラーゲームでした。これぞ、良作。色々とていねいに作りこまれたゲームだったと思います。
 ご紹介くださった、℃さん。本当に、どうもありがとうございました。


『好奇心は何かを殺し』 ―― 小麦畑さん
(情報提供: すけあくろうさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:3.5M)

 ホラー度:★★★☆☆(派手さはないが、雰囲気がある)
 面白さ :★★★★(短編ならではのキレがいい)

 (一言: 分岐なしの短編ノベル。田舎でのある夜、ホテル近くでやっているお祭りに足を運んでみたが、どうも奇妙だ。やがて現れる人々。そして自分は、無性にのどが渇く…。話は短いながらも見せ方が上手く、独特の雰囲気に引き込まれました)
 
 ●作者サイト: 小麦畑

●いきさつ

 掲示板にて、いつも書き込みをくれる、すけあくろうさんから情報をいただきました。

 [1940] 遅くなりましたが  投稿者:すけあくろう  投稿日:2010年11月03日

 50万ヒットおめでとうございます!!
 (中略)
 ここのところ立て込んでいてフリーのホラゲーをやる暇がないのですが、さっき偶然見つけた『好奇心は何かを殺し』というのがおもしろかったのでご報告を。
 どうもそのサイトさんでしかDLできないようなのでリンクは貼りませんが・・・
 数分でできてしまうものながら後味の悪さや、画像や音のクオリティが素晴らしかったです。

 ……との事。貴重な情報をどうもありがとうございました。


田舎のホテルの一室。
祭り囃子(ばやし)が聞こえてきた。



祭りが行われていたが、人の姿が
見えない。
●プレイ&レビュー

 まず感心したのが、ゲームのアイコン。
 アイコンの2匹の魚の絵は、吉里吉里のオーソドックスなアイコンなんですが……、元々は水色。それピンクに塗って、金魚に見立てたそのセンスに、惹かれました。こういう軽いお遊びは好きですね。

 ゲームはノベル形式。文章は縦書き。文字はやや小さめ。
 で、文字には「影」がついているんですが(文字を見やすくするため)、これはどうやっているんでしょうね? 文字にこれだけ大きな影をつけられるとは知りませんでした。

 そして特徴的なのが、「文章を、数行大きく飛ばす」という効果。読みやすい。
 こういう型破りな事をしてもらえると、目が覚める思いがします。

 背景写真はかなり綺麗。素材のようですけどね。
 でも、色々な所から寄せ集めた、という感じはしませんでした。統一されて見えましたし、違和感も全然感じなかったですね。

 ●ネタバレしない程度に

 物語のラスト。そこでピタリと止まったので、「はて?」と思ったんですが…。あぁ、押すワケなんですね、あれを……。
 大写しの圧力。無言の選択肢。なかなか楽しいです。物語のキレ(終わり方)も最高ですね。

 短い話ながらも、見せ方がかなり上手いです。異様さに飲まれてしまいました。
 音もいいです。祭り囃子の効果音も耳に残り、物語そのものが尾を引くかのようです。

 話に感心したとか、オチに感心したとか、そういう感じでもないんですが……、とにかく雰囲気が良かっです。小説の「夜市」を連想してしまいました。
 何度かプレイし直すと、ちょっとだけ文章が変わったりもしますね。

 なお、タイトルの「好奇心は何かを殺し」の「何か」というのはプレイヤーの感じ方次第、という気がします。それは直接的なモノかもしれませんし、精神的なものかもしれない、と。

 すけあくろうさん。このゲームを教えていただき、どうもありがとうございました。
 ほんの数分、十数分で味わえる異世界。怖い想像。良作の短編だったと思います。


『死鬼の扉〜足音〜』 ―― 遊惰自適 さん

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:65.2M)

 ホラー度:★★★☆☆
 面白さ :★★★☆☆

 (あらすじ: 真夜中。見知らぬ民家の玄関の扉が開いていた。それが妙に気になり、足を運んでしまう。しかし玄関内に踏み込んだ途端、ドアが閉まり、閉じ込められてしまった! ドアは開かず、家内の窓なども全く開かない! そして2階を探ってみると、部屋の中には血塗れの死体が……。近づいてくる何かの足音。隣の部屋に逃げ込んだ途端、辺りは真っ白になり……、気づけばそこには見知らぬ少女がいた)

 (一言: 選択分岐型ADV。OPムービ、立ち絵、イベント画あり。見映えやシステムは良好。プレイ時間は1〜2時間。キャラが愉快で、ホラーというよりコミカルぎみ。時空を超えて追ってくる鬼から逃げまくる物語)

 作者サイト : 妖の唄

●いきさつなど

 久しぶりにホラーゲーのレビューをしてみようと思い、ベクター内を探索。
 目についた新作「死鬼の扉〜足音〜」。イベント画として、アニメっぽい絵もある模様。アニメ絵があると、妙に惹かれてしまいますね。
 ただDL容量が65Mもあるので、長編なのかなぁと思ったりもしましたが、とりあえずプレイ。

●プレイ&レビュー

 マニュアルを読んでみると、ショートカットキーの説明が。
 これって元々、吉里吉里についているものなのか、それともわざわざ盛り込んだものなのか。(結局、キーは使いませんでしたが)

 オープニング曲もあって、盛り上がります。最近のフリーゲーはほんと凝ってますね。
 で、ゲーム画面はADV形式。画面下のウインドウ内に、メッセージが表示されるタイプですね。

●はあっ?!

 出だしに引っかかる。
 主人公は夜中、コンビニ袋を片手に帰宅途中、玄関が開きっ放しになっている民家を見つける。
 物騒だから、とそれが妙に気になってしまい、なんと、その家のインターホンを押すのだった。
 ……フツー、そこまでしますか?

 で。何度インターホンを押しても反応がない。その家には誰もいないのか?
 そこで出る選択肢。

 1.家に入ってみる
 2.インターホンを全力で連打する

 「関わらずに帰宅する」みたいな選択肢がない。仕方なしに「1.」を選択。
 家の中に入ってみると、玄関のドアが勝手に閉まった。……しかも、開かない!

 ……かくして、見知らぬ民家に閉じ込められてしまいました。
 なかなか展開が早いのはいいんですが、やっぱり、その民家に入ってしまう、正当な理由付けなどが欲しかったですね。……美人がそこで手招きしていたとか、知り合いが誘われるようにその民家に入っていったのを目撃したとか……。色々と理由付けはできると思うので。

 とりあえずセーブ。セーブ画面なども丁寧に作られています。
 このゲーム、見映えはかなり良好です。

 ●

 1階を探してみたが、何もないし、誰もいない。そして窓なども開かない。
 2階へ行ってみる。3つの部屋。手前のドアを開けてみると……! まぁホラーが待っているワケなんですが。

 この辺、BGMなども良好。素材みたいなんですが、こんなに上手いホラー曲を作る人もいるんだなぁと感心。(一昔前だと、フリーのホラー曲って数が少ないのか、同じホラー曲を色んなゲームで聴かされたりした覚えが)

 ●ワープしまくり

 隣の部屋に逃げ込むと、そこは真っ白な世界。
 一瞬気を失った後、目を覚ますと、そこには見知らぬ少女がいた。

 この辺、かなりコミカルに描かれているので、序盤でのホラー的なフンイキは砕けてしまいますね。
 焼きそばのもやし、がどうのこうのと、ここでアニメ的なシナリオに。

 少女の名は来栖(くるす)。年齢は不詳。
 彼女もまた自分と同じように、どこかのドアを開けて、この場に来てしまったのだという。
 ここはどこだろう? 壁は石造り。RPGのダンジョンのよう。

 すぐそこにあったドアを開けると、今度はまた見知らぬ家の部屋の中。
 ……なかなか不可思議な感覚がいいですね。現実が異世界に見える感覚、とでも言いましょうか。
 何となく、マンガ「GANTZ(ガンツ)」が入っているかな、という感じ。

 ……会話の中「見つけられる保障はない。」そう2度3度出てますが、多分「保証」なんじゃないかな、と。(他にも「意外」を「以外」と書いちゃう間違いやすい過ちが)

 今度は夜の学校に行って、いなくなった来栖を探していたら、いきなり「BADEND4」。いきなりすぎてびっくり。
 てか、現れた何物かのCGがないと盛り上がりに欠けますね……。文章だけでいきなりBADEND直行になっちゃうのは、ちょっとさびしい……。まぁもちろん、「見せない」演出というのはあるでしょうけど、もうちょっと何か欲しかった。

 一度ENDに到達したので、ENDリストが出ました。全部で8つあるんですね。(おまけもある模様)

 長編かと思ったんですが、どうやらそうでもない模様。話的には、時空を超えて追ってくる鬼をどうにかすればエンドかな、と。

 で。パソコン室に、謎の男がいた。しかし、身体つきのバランスが悪い……。
 彼の名は、笹 亮平。どこへ行っても外へ通じるドアが開かない、という事でいよいよガンツみたいな感じかな、と。

 ところで、立ち絵+イベント画があるので、人物画は素材じゃない様ですね。

 鬼が正体を現すと、途端に迫力がなくなっちゃいますね。もっといかつい鬼を想像してたもので。
 と思ったら、これはただの学校の怪談? 鬼はまだ他にいる?

 来栖に加え、亮平も一緒に行動する事になる。彼もなかなか愉快です。

 で、現れた本当の鬼。なかなかな迫力。
 果たして、鬼から無事に逃げ切る事ができるのか……?

 ネタバレぎみ: オチの●●●トは、すぐには固まらないだろうな〜、と思ったり。でも決着のつけ方としては好印象

●総評

 楽しくプレイできました。それは来栖と亮平のキャラが良かったからだと思います。会話も楽しかったです。

 で。もしかすると、学校の怪談は余計だったかもしれません。あれを出すのなら、鬼を一度ひるませる、という描写にでもした方が、物語の柱が一本になったんじゃないかな、と思ったり。
 関係ない幽霊なんか出しちゃうから、余計な混乱が生じてしまう。後から見れば、寄り道みたいに見えてしまうんですね。

 背景素材は「どこかで見た事あるな」という感じでしたね。学校の素材は少ないと思うので、かち合うのも仕方ないとは思いますが。
 
 65.2Mという容量の割には、短かったですね。でもプレイ時間1〜2時間であらかた見終える事ができると思うので、ちょっとホラーゲーを遊んでみたい時にはいい感じかなと。

 話が見えてくるまでは、展開がわからずドキドキできました。話の見せ方が上手かったんでしょうね。


『Re:Kinder』 ―― ほらふき横丁 さん
 (情報提供:にぼしさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:29.9M)

 ●必要ファイル RPGツクールVX RTP [ ダウンロード ] (34.2M)

 ホラー度:★★★★(油断すると、仲間が容赦なくスプラッターに)
 面白さ :★★★★(魅せる演出。子供達の会話も楽しい)
 難易度 :★★★☆☆(全体的にほどよい難易度だが、ヒントが極端に少ない)

 (あらすじ: ある日突然、町が死の町に変わってしまった。それは、ゆういちという少年のせいなのか? 秘密基地に集まった子供達は、彼が町中に張り巡らせた様々なワナを切り抜け、3人の寵姫(ちょうき)という化け物を倒さなくてはならない! …果たして、子供達は生きてこの世界から出られるのか?)

 (一言: RPGならではの、動きのある演出が楽しい。霧がかった荒廃した町並みが美しい。個性的なキャラ絵(立ち絵)。効果音も丁寧に盛り込まれています。…普通にプレイすると、子供達はどんどん死んでしまう。いかにワナを切り抜けるかがポイント。シナリオがあり、次の行き場所があらかた決まっているのでプレイしやすい。寵姫とのバトルの戦略が楽しい。後半の語りは少々くどい)

 ●作者サイト(攻略あり): ほらふき横丁

●いきさつ

 掲示板にて、にぼしさんより紹介していただきました。

 はじめまして!  投稿者:にぼし  投稿日:2010年08月11日 

 kinder
 というフリーのホラーゲームなのですが、未プレイでしたらぜひプレイしてみて下さい!
 ゲームのシステム的には、カノウセイと同じで仲間を死なせないようにするゲームです。
 ストーリーは割と重い話で、色々と考えさせられるような内容です。
 ただ、少し長めなのでお時間あるときにでものんびりプレイしてみて下さい。
 (投稿内容より抜粋)

 ……との事。「kinder」は残念ながら公開停止になっていたんですが、そのリメイク作である「Re:kinder」が公開されていたので、プレイしてみました。

●プレイ&レビュー

 ●冒頭

 小学3年生のしゅんすけは、バスに乗って親戚の家に遊びに行った。
 そして自分の町に戻ってきてみると……町の様子が変わっていた。まるで、くち果てた異世界にいるようだ。一体、何が起きているんだろう?

 家に帰ると、いきなり生首が落ちてきた!
 ワケがわからずも逃げる。するとそこに、知り合いのお姉さんがいた。しかし、襲いかかってきたじゃないか!
 痛めつけられるしゅんすけ。そこに助けが入った……!
 りょうクン、だった。

 りょうクンが言うには、町は死人だらけになってしまったらしい。
 そして子供達は「秘密基地」に集まっているとの事。しゅんすけはりょうクンと共に、秘密基地に向かう……。

 ●ざっと見の感想

 背景のドットが、人物より倍ぐらい細かい感じなんですが、そんなに違和感はないですね。
 そして、画面上には常に薄い霧がうごめいている。雰囲気出てます。BGMも、邪魔にならない程度に静かめのものが多い感じ。

 特に気に入ったのは、メッセージウインドウ脇に出る、キャラの立ち絵。
 個性的な絵柄で、なお子供達の描き分けも上手い。表情もコロコロ変わって楽しいです。


秘密基地


味のある、可愛らしいキャラ絵
 ●子供達が集う「秘密基地」

 秘密基地に行くと、6人ほどの子供達がいた。
 りょうクン、さやかサン、たくみクン、れいサン、あやサン、ひろとクン。そして主人公のしゅんすけ。全員で7人だ。

 さやかサンの着ているTシャツの文字が「未亡人」。本人はその意味を知らない。そんな小ネタが笑えます。
 で。ケータイがつながらない、という事で、「おにばばの店」にある、「電話ボックス」に行ってみる事に。みんな、家族や知り合いと連絡をとりたいんですね。

 マップを移動すると、画面がスクロールするんですが、その動きがまた妙。画面全体がふにゃふにゃした不思議な動きをします。面白い。

 で。「おにばばの店」の電話ボックスにたどりつき、たくみクンが電話をするんですが……ムザンな事に。
 そこで間髪入れずに、誰かが登場。英語?の軽快な歌が流れます。フリー素材か何かなんでしょうか。

 彼の名は――ゆういちくん。
 そのドット絵は、冒頭で出てきた謎の……。この子、何かありそうです。

 ちょっと辺りを探索。「おにばばの店」のとなりにある建物は、「姉歯マンション」との事。……あぁ、そういうニュースも以前にあったなぁと。

 他、場面転換時(暗転)のエフェクトもいい感じですね。

 ●謎の少年、ゆういちクン

 秘密基地に戻るなり、ゆういちクンとケンカになる。
 ゆういちクンは「ナイチンゲール」という化け物を召還した。この子は一体、何なのか?

 ナイチンゲールを倒すと(りょうクンの特技をうまく使う)、ゆういちクンがその正体をさらけだします。……あぁ、隠さずいきなりなんですね。

 ゆういちクンは、神のごときチカラを自在につかえる模様。
 彼のきまぐれによって、しゅんすけ達は3体の寵姫(ちょうき)というボスを倒さなくてはならないハメに。
 はて。ずいぶんと軽めの展開、という気がしますけどね……。(一人の少年のきまぐれ、につきあわされるんですから)

 でもまぁ、一人の悩める少年が、神のごときチカラを持ってしまったら、世界はこんなにもたやすく壊れてしまうんでしょうね……。
 それを見事に視覚化してしまったこのゲームは、やはりスゴイ、のかもしれません。

 ●逃げ出すさやかサン

 秘密基地から、急にさやかサンが逃げ出してしまいます。
 頼りになりそうな、ひろとクンをおともに、さやかサンを探しに行きます。
 画面右方向にある、ドアが茶色の家。そこがさやかサンの家だ。玄関が開かないので、窓から入ります。
 さやかサンは、自分の部屋でくまサンに襲われていた! くまを倒して、さやかサンを救出。無事に秘密基地へ帰ります。

 次は近くの公園を探索する事に。
 しゅんすけ、ひろとクン、りょうクンの3人で向かう事に。


ボス、寵姫(ちょうき)とのバトル

ゲーム中、戦闘の回数は数える程度
ムダな戦闘がないのがいい
 ●寵姫・ハナウタヒメ蜜儀

 公園で、そんな長い名前のボスが登場。でも、絵柄がどうにもかわいすぎる……。いかにもな素材、という感じ。
 でも登場の仕方とか、バトルの選曲とか、そのすごいセンスに圧倒されますね……。

 ……で、倒せません。
 りょうクン(体力回復の特技あり)を生かす方向でやり直してみます。

 なお、敵の強攻撃時に耐える、という戦略でいくしかなさそう。強攻撃の名前もまたスゴイ。「九月の雨の心臓」。どうすればそんな言葉が思い浮かぶのか? 世の中、広いなぁと……。

 で、何度かやっていると無事に倒せました。
 りょうクンを助ける方向で進みましたけど、りょうクンが死んじゃうシーンもまた、味がある。……こちらの方の、寵姫の登場の仕方がだんぜん好みです。怖かっこよすぎ。

 ●子供達そのものも面白い

 子供達の会話も、いちいち面白くて笑えます。
 次は、しゅんすけとあやサンとれいサンで、町を探索に出かける事に。

 子供達のキャラ、よくできてます。みんな個性的で、味がある。似たようなキャラがいない、と思うほど。
 絵柄もかなり好みです。(戦闘時のゆういちクンはちょっと絵柄的に弱いかな、と思ったりもしましたが。)細かくてすみません。

 ●土管のある空き地、ゆういちクンの家探索、など

 れいサンとあやサンとで、土管のある空き地を探索。
 そこであやサンがいなくなる。あやサンを捜索する。制限時間もある! (でも、一度あやサンの死亡を見れば、次の回避は簡単。そこにあやサンがいますから)

 で、あやサんがいたのは、ゆういちクンの家だった。ついでにそこを探索する事に。
 それも終了し、「おにばばの家」に食料調達しに行く事に。

 ●寵姫・ヒトカタヒメ櫻儀

 「おにばばの店」内で遭遇(そうぐう)。
 しかし、強攻撃でみんな一撃で倒されてしまう。でも戦い続けている限りは、敵も強攻撃をしかけてこない模様。かと言って、戦い続けていても、敵は毎回体力を全回復してしまう……。
 これではキリがない。……そこで何かを使えばいいワケですね。

 そうして無事に、2人目の寵姫も撃破。
 そこでしゅんすけはトランス状態におちいり、ゆういちクンの過去を見る……。

 ●姉歯マンションへ

 この辺で中盤〜後半辺りでしょうか。ここまでのプレイ時間は2〜3時間といったところ。
 マンションは6階建て。しかし、マップはさほど広くないので、探索はすぐに終了します。

 ここで謎の暗号が出てきます。3つメモがあり、それをよく読まないとれいサンの死亡を回避できません。
 自分、暗号をメモしてかなり悩みました……。「こ、そ、ち、って何だ?」と、かなり引っかかってしまいました。「ABC」の意味もわからない。
 で。何故か、寝て起きたら浮かんだ。もしかして……たまに見かけるあのワナか?!

 ……当たりでした。この喜びはやはり、回答を見たりしたら激減でしょうね。
 謎を解く喜び。これがゲームそのものの面白さにつながったりもします。

 れいサンの死亡を回避。しかしその時、一方では、ひろとクンが一人で寵姫を前にしていた……。

 ●3人目の寵姫

 これを倒せば、この悪夢の町から無事に出られるのか……!
 しかし、ここにいるのはひろとクン一人だけ。限られた空間。限られた時間。部屋内にある様々なアイテム……。
 部屋内にある、どのアイテムを取ればいいのか。ここは何度も試行錯誤(しこうさくご)していくしかなさそうです。

 ヒントはあえて書きません。ただ、とあるアイテムを作ったのに使えない、というところで悩むかもしれません。
 その場合、役に立ちそうにないとあるアイテムを入手して、「行動」を入手しなければならないのです。

 苦労して倒せれば、感激もまたひとしお。なるほどなぁ……、と。

 ●まだ続く

 物語はまだ続きます。
 ブリキの小箱探しにほんろうされてみたり……(これ、まさか不要?)
 とある場所で「何故、懐中電灯が使えないんだよぉ!」とツマリ、とうとう作者さんのサイトの回答を見てしまったり……(つーか、これは見ないとわかりようがなかったというレベル。フツーは、持っている時点で使えるでしょうに……)

 なお、懐中電灯が使えないのは「きっと電池が必要なのだ!」と勝手に推測し、ムダに町内をしつこく探索してましたけどね……。あ〜あ。
 (ちなみに懐中電灯のありかは、サビのついた……。そのサビをどうにかするには、お金を……)

 「Kinder(子供達)」の名の通り、子供達が主役の物語。
 子供達の視点で見る世界。子供達の悩み。大人への不満。色々と深いところまで描かれている作品でした。

 懐中電灯が使えずにりょうクン達を死なせてしまい、まずたどりついたのが「killer end」。ラスト直前の誰かサンの過激な一言が、悪夢的で良かったです。いきなりすぎてびっくりしました。
 そして全員生還で迎えるラストまで、あと一息……! (冒頭のたくみクンは回避不可能)
 乗り切るしかない!

●総評など

 キャラの立ち絵の良さから始まり、シナリオの面白さとスピード感、演出の見せ方、効果音の丁寧な盛り込み。
 そして後半の「壊れたか」と思えるほどの、特異な描写の連続。……何もかもが、圧倒的でした。
 (ラストの説教じみたところは、ややくどいかな、と思いましたけど。この辺りだけ、妙にムダな描写が多かった)

 そして残酷に死に行く仲間達。ドット絵ながらも、そのスプラッター度はかなり高め。ホラーとしても充分に楽しめました。
 仲間の死を回避できた時の喜び。難易度は、謎の8割方が自分にとっては適度だったので、解き応えがありました。

 全体的に、本当はじめじめと暗くてもおかしくないのに、何だかやたら明るく感じてしまうのは、「トッピな選曲の愉快さ」も一役買っているような気がします。「ここでこんな曲が?」と驚かされる事も多かったですし。

 何にも増して、子供達のキャラが良かったですね。
 それぞれの性格が個性的で、会話もかなり笑えました。ゆういちクンとの微妙な関係も、何だか本当に子供達同士の争いを見ているようで、反発しあいながらも、どこかつながりがあったり。(しゅんすけのセリフにある「このゆういち、ノリノリである」など)

 紹介して下さったにぼしさん、感謝致します。大変、面白かったです。


『カノウセイ』 ―― SULPTENON(サルプテノン)さん
 (情報提供:桜木さん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:1.2M) + RPGツクール2000RTP [ ダウンロード ] (11.7M)

 ホラー度:★★★★
 面白さ :★★★★
 難易度 :★★★★(短編なのが救い)

 (一言: 人身事故が起きた電車内、友人達と共に閉じ込められてしまう。脱出しようとすると、死ぬ。そこに異様な化け物が現れる。生きてそこから出られるのか……?)

 (説明: RPGタイプ。電車内が舞台。仲間の死に直結するさまざまなイベントを回避し、化け物を倒しながら脱出をめざす。プレイ時間は1時間程度。複数のエンドあり。キャラ絵の表情が豊富。背景も綺麗。演出での盛り上げ方が上手い。(ドットですが)グロ絵あり。難易度は難しめか)

 ●作者サイト: SULPTENON

●いきさつ

 掲示板にて、桜木さんからご紹介いただきました。

 初めまして  投稿者:桜木  投稿日:2010年06月13日

 初めまして、夢鳥さん。中学生の頃に友達からこのサイトを教えてもらって早…4年くらいですかね? 初めてコメントさせていただきます。
 (中略)
 私からもフリーゲームを紹介させていただきます。
 「カノウセイ」というゲームです。舞台は電車内で、各キャラの死亡を回避するかしないかでエンドが変わる…という、内容自体はオーソドックスなものです。
 でも難易度が恐ろしく高い。攻略見ないと全員生存は難しいと思います。キャラは容赦なく死んでしまいますし。
 1回のプレイ時間自体はそんなに長くないので、よければ。(後略)

 との事。ご紹介、どうもありがとうございました。

●プレイ&レビュー


冒頭のシーンはやたら暗い。
時刻が8時という設定だからか。

でも駅の構内まで暗くしなくても…
 主人公の(まこと)は、友人の隼人(はやと)と一緒に、学校帰り、駅まで急ぎます。
 背景グラフィックが綺麗。素材みたいなんですが。

 で。駅に着くと、昔クラスメイトだった綾乃(あやの)という少女と会います。誠とは高校が違うので、久しぶりに会った模様。
 綾乃の後ろには、加奈というおとなしそうな子もいます。

 ホーム内に電車が流れてきます。こういう演出は見ていて気持ちがいいです。
 で、物語の舞台は電車内。変わっていて面白い。

 人身事故が起きる。騒然(そうぜん)とする電車内。電車は停車し、復旧まで1時間かかるとのアナウンスが入る。
 だが、何かがおかしい。
 電車内の各ドアが開かず、閉じ込められた状態になる。
 いきなり化け物が出て来る。からくも撃破するが、この電車内でおかしな事が起きているのは事実だ!

 誠達はそれぞれ、カバンの中にある辞典やカッターナイフなどを武器にし、化け物達と戦っていくハメになる。
 生きてここから出られるのか……?

 展開が速いので、30分もあれば充分に世界を味わう事ができますね。
 選択肢あり。行動そのものにも選択肢っぽいところがあったりで、それにより仲間が生きるか死ぬか、変化していきます。

 キャラ絵は素材じゃなくオリジナルっぽいですね。絵柄はそんなに上手いというワケじゃないんですが、コロコロ表情が変わるので見ていて楽しいです。

 すごいな、と思ったのは会話している最中でも、キャラがひそかに動いているところですね。何と言うか、デジタルではなくアナログっぽさがある。要はこの演出により、「キャラが自由意志で動いている」と錯覚して、妙なリアリティさを感じてしまったような気がします。
 あまりRPGとかやらないので、こういうのが普通なのかもしれませんけど。

 さっきまで普通に話していた仲間が、ムザンな死体となっていく。
 話もわかりやすい。電車に閉じ込められてしまい、そこから無事に逃げ出せば良さそう。話も短そうなので、プレイも気軽にできますね。

 ホラー的にも充分。ドット絵でも、充分に怖い(+BGM演出で盛り上がる)。黒コゲになった男とか、血しぶきとか。それが日常の背景を異様に汚しているから、なんでしょうか。後半はもっとエグいのがあったりしますが。

 キャラの性格づけなどもよくできていますし、会話なども上手い。
 久々に、夢中にさせられています。話もテンポ良く進むし、ムダもあまりない。

 ●まずはデスエンド

 敵を倒せなかったりや何やで、デスエンド3。
 ラスボス、強いですねぇ。でも、思った以上にクリアまでの道のりは短かそう。あと一息。ゲーム上手い人なら1時間かからないかも。
 まぁラスボスの言っている事は、何だかなぁという感じではありますが。(ちょっと青臭い?)

 デスエンド直前の演出もいいですね。「ぎゃあああ!」+BGMで盛り上がります。ここは気に入りました。 


戦闘シーン
 ●RPGだからこそ

 このゲーム、RPGタイプだから面白く感じられるのであって、このシナリオでノベルなら、果たしてノレたかどうか、かなり疑問です。
 いきなり電車内に閉じ込められて、脱出しようとした者が死に、ケータイを使ったりしても死ぬ。話に何の脈絡もない。リアリティなどありようもない。ホラー的に、好き放題やってる(ちょっとした事でムザンに死ぬ)だけ、という感じもしますし。

 でも、不思議とRPGタイプのゲームだと、ノレるんですねぇ、これが……。
 RPGって見た目に「いかにもゲーム」という感じなので、突拍子もない話でも、結構すんなり溶け込めてしまうんでしょうか? 今オレはゲームやってるんだぞ、という感じで。

 逆に言えば、あまり小難しい話はRPGには合わないのかも。会話が長々としたRPGなんて、疲れそうですし。

 ●ラスボスが倒せない

 誠と隼人だけで何度かラスボスと戦ってみたんですが、どうにも倒せません。
 体力回復系の呪文がないので、体力が持ちません。体力回復アイテムも不足ぎみですし。
 もしかすると、隼人と2人では倒すのが難しいのかもしれません。そういう事で、女の子2人を死なせない展開でやり直してみます。プレイ時間もお手軽なので、やり直しもさほど苦にならないのが救い。


このシーンがクリアできない…
 ●綾乃とケータイ

 よく見れば、綾乃と加奈が癒しの能力を持っていたようで。じゃあ、生かしておきたい。
 でも、綾乃がケータイを使う場面が切り抜けられない。色々なパターンを試してみたんですが……、どうやっても死にます。

 優先席から離れた所でケータイを使ってみたり、時には電話をかけないで(3回サイト見て、メール打つなど)みたり、わざと優先席付近で使用してみたり、体力を増やしてみたりやなんや……。
 僕の頭が硬いのか何なのか。どうやっても死にます。ムリです。

 デスエンド後のヒントなどを読んでも、わかりません。てかあれ、漠然(ばくぜん)としすぎ。一応、ちゃんと優先席から離れた所を意識して、ケータイを操作しているつもりなんですけどね……。
 攻略サイトなどを探せば、どこかに答えが書いてあるのかもしれませんが、見たらみたでつまんないし……。後の楽しみにとっておきます。

 ●一応、クリア

 加奈の死はほとんど強制的になってしまうので(フラグにより、回避できない状態になっているものと思われる)、隼人と2人でラスボスに挑みます。
 で、倒せましたね。敵が強攻撃をしかけてくる時(タイミングはよく見ればわかる)に防御、という感じで。……女の子、いなくても大丈夫でした。
 でもBADEND。残念……。てかボス倒しておいてBADとは……。一応、いいエンドにして下さいよ……。

 結構、難しめですね。全体的に。
 ヒントで役立ったのは、車掌(しゃしょう)とのバトル。あれはなるほどな、と思いました。
 敵は5〜6体しか見ていないような気がするんですが、グッドエンドを見るためには、まだまだ敵を倒さなくてはならない模様。

 で。一番のキモが、綾乃がケータイを操作するところ。あそこをどう切り抜けるか……。そこが僕的な課題ですね。
 優先席じゃない所で電話をかけて、電源切ってみんなのところに戻って、はい切り抜けられましたー程度の難易度じゃないと、僕には無理っぽい。

●総評など

 やはり、電車内が舞台というのが一番面白いです。
 そしてどのキャラも個性的ですし、コロコロ変わる表情も見ていて楽しい。画の荒さがあまり気にならないくらい、絵のパターンが多くて好感が持てました。

 そして仲間の死。皆、凄惨に死んでいきます。見事にホラーしています。加奈のところは、やりスギなんじゃないかと思う程。
 死が楽しい、というのではなく、死によって物語が引き締められるワケですね。……死は全てを凌駕(りょうが)する。だからこそ、プレイヤーは無念や緊張感を得られる。そうして物語から目を背けられなくなり、引き込まれていく……という感じでしょうか。
 まぁ単純に、怖いもの見たさ的な快感もあるんでしょうけどね。事故現場を見たい。そういった黒い感情ですね。はるか昔、色々な国で罪人の処刑は人々の娯楽にすらなっていた、という記録があります。日本でも打ち首さらし首、なんてありますしね。
 人間は元々、残酷なものを見たがる性質があるのかもしれません(とか語ってみる)。……まぁ、素直に認めたくはない気もしますけど。

 なお、全員助かるエンドもあるようなので(ボクサーの彼以外?)、そこに挑戦する楽しみというのもありますね。
 ちょっと難しいので、僕はまだ全然、クリアしたという感じじゃないんですが、それでも面白くプレイできました。
 ゲームの長さも、僕的には丁度いい感じでした。このくらいなら、何度か挑戦してみたくなります。

 RPGタイプのゲームは、システムがしっかりしているので(RPGツクールという製品のお蔭で)、一見アマチュア作品だとは思えないくらいのクオリティを保っていますね。ノベルと違って、画面全体に動きがあるのもいい。
 一言で言えば、「面白かった」です。

 紹介して下さった桜木さん。どうもありがとうございました。ホラー度も良好で、面白いゲームでした。


『渇望スル島』 ―― FunnyCrankyMomさん

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:104M

 ホラー度:★★★★★
 面白さ :★★★★★

 (あらすじ: 白寿島。そこは廃墟が群がる、無人島だった。その島へ探索ツアーに出かける11人。そこで待ち受けているものは果たして…?)

 (一言: 種類の違う4つのシナリオが楽しめる、分岐選択式のノベル。怖さ、面白さ共にかなり良好。背景は実写。立ち絵あり。歌つきのオープニングや要所要所に出て来るイベント画が、場を盛り上げてくれる。シナリオの面白さは感服モノ。プレイ時間は各シナリオ毎に1〜2時間)

 作者サイト● http://katubou.ninja-web.net/

●いきさつ

 ベクターにて。15禁として隔離された方に置いてあったのですが……、怖さは果たして?

●プレイ&レビュー

 ゲームを開始すると、オープニングデモが始まります。テーマソングが流れます。いやぁ……、かなりいい歌です。ホレます。
 この歌は、作者のバドさん自身が歌っているとの事。全然、シロウトっていう感じじゃないですね。
 フラッシュで制作されているんでしょうか、動きのあるいいデモです。期待とプレイ意欲が高まります。


左)キリコ 右)ネズ
彼らは大学の友人達
 廃墟サイト「RUINS」にて、白寿島という無人島の廃墟探索ツアーの話が出た。
 満月五郎と名乗る主催者。貴重な資料として、白寿島を世界遺産登録するにあたり、「その島を調査する」という名目で、今回のツアーが可能となったらしい。(というのも、無断での廃墟侵入は立派な犯罪だから)

 主人公ノヴシゲ(ハンドルネーム)、そして友人のキリコ(女)とネズ。彼らとは大学の「近代文化遺産研究会」の仲間だ。大層な肩書きだが、その活動の大半は、ただ単に廃墟の徘徊をしているだけ、の模様。

 「廃墟探索ツアー」の待ち合わせ場所に集まって来る人達。オシャレな姉弟、競馬好きのオヤジ、温厚そうな男、元気な高校生、中性的な中学生、主人公ら3人と合わせると……、9人。ゲームの登場人物としてはいきなり多すぎて、覚えるのが大変…となりそうなんですが、人物の描き分けが上手いせいか(容姿、性格ともに)、結構すんなり入ってきます。

 遅れて主催者の満月五郎が現れました。彼は厚手のコートを着て、サングラスにマスクという、いかにも怪しげな姿。だがヒフが弱い、というだけで、夜になれば素顔を見せてくれる模様。どんな顔なのか。ちょっとした楽しみが先にある、というのも面白いですね。

 港へ行くと、ユリカという元気な女性(しかし彼氏持ち)と合流し、全員で11名となった。主催者の満月五郎の叔父が所有しているらしい、クルーザーに乗り、白寿島へ行くのだ。

 ……面白い。まだ何も始まっていないけど、人物紹介だけで面白い。
 いきなり多人数を出してしまっても、主人公らが基本となり、他のキャラがあまりごちゃごちゃ出しゃばってこないから、スムーズな進行になるんですかね。
 シナリオ、上手いです。(僕は基本的に、冒頭でいきなり多人数を出すのは否定派なので。ここまで見事に書かれると、感心してしまいます)
 立ち絵はちょっと、塗りとかが単調なのでもったいないかな、という気がしますけどね。満月五郎以外は、そこそこいい線だと思います。


左)海清(みきよ) 右)一磋(いっさ)
姉と弟
 海の上。そこでもちょっとしたいざこざが。
 参加した女性と早くもいい仲になりそうな男への、嫉妬(しっと)など。ちょっとした事ですが、こういう感情を素直に書けるかどうかでも、物語の味が変わってくるような気がします。嫉妬しないで、どんどんその女性にみんなで話しかけていくのであれば、これはまた違った物語になりそうですし。…憎みあいのない、和気あいあいとした物語、とか。

 島に着き、早速辺りを軽く探索します。
 ……見渡す限りの廃墟の山。巨大なアパート、何らかの建物の群れ、通路、神社……。島の上にある全ての建造物が、廃墟になっているワケなんですね。
 この島、現実にもあるらしいんですよね。「軍艦島」と呼ばれる、炭鉱採掘のために作られた一つの町。エロゲーですみませんが、「百鬼」(エルフ)というゲームもそこが舞台となっています。(ちなみにミステリー編をプレイしましたが、あまり面白くなかったという…)
 このゲームの背景画像はそこを撮ったものなのかな、と。貴重な写真だと思います。

 で、夜を迎えます。みんな、建物の中で各々の寝袋に収まって眠る事に。
 そうこうしていると、「侵略者編」と出ました。4つあるというシナリオの内の1つがはじまった、という事でしょうか。


なかなかの迫力
 ●侵略者編

 朝起きてみると、「太平洋にいる」という事が騒ぎになっていますが……、こちらとしては全くピンと来ない。をみんな、そんなにあわてているのか? いや、元々太平洋にいたんじゃないの?とかボケてしまいます。
 その辺の説明を、その場でして欲しかった。

 で、シナリオ展開は「え〜っ?!」というような感じで。侵略者編…なるほど、という感じです。
 でもこれはちょっと……。

 でも惑星オラシオンに侵略したもの、のCG画はなかなか素晴らしい。キャラ絵同様の絵だったらかなり迫力ないだろうなぁと思いましたが、全然そんな事もなく。

 いや、でもですね……、そんな侵略者達と戦わせるのなら、いきなりじゃなくて、何らかの訓練を受けた人間にやらせるとか、そういうのがフツーなんじゃないか、と。自衛隊とかね。
 まぁ話を政府に聞いてもらえなかった、とかあるみたいですが、全くのシロウトにそんな無理難題を押し付けるのは……う〜む。

 盛り上げ方とか上手いですね。でも警告音、うるさいししつこい……。
 結構、戦闘シーン長いですね。1日で終わるかと思いきや、まだ続きます……。
 それにしても、敵は何でコチラの場所にわざわざ来てくれるんでしょうか? 主人公達が守るべき場所は、人の大勢いる都市部とかじゃないのかなぁ、と。

 2日目でホラーが混じりましたね。最初はトンデモ話かと思ってましたが、なかなか読ませてくれます。結構、夢中になってます。
 それにしても、よくぞこれだけのものを書いたなぁと感心しました。なかなか書けるものじゃないと思います。
 でも長いですね。話もどんどんこじれていきますし。まさか3日目まで突入するとは思いませんでした。


ロボットに乗り込み、侵略者と戦う
 ●侵略者編ラスト

 話が膨らんで長引いてますが(侵略者編に入ってから、プレイ時間1〜2時間程度)、なかなか夢中にさせてくれます。
 選択肢はなく、一本道ですけどね。

 仲間の内、X(カイ)くんがなかなかひねくれていきます。敵を弱すぎると言ったり、あんたらの協力はいらないから自分一人で戦う、と言い出したり。
 まさかまさか、仲間がどんどん失われていきます。壮絶な戦いを繰り広げていきますね。
 で、やっとの事で迎えたラスト。ネタバレ: ……冷えました。ありえねーだろ、これは、と……

 やってくれます。見事です。(ネタバレ: まぁあのままハッピーエンドでも良かったと思いますが、それ以上のものを見せてくれたような気がします
 感服ですね。想像もしませんでした。やられました。
 ここまでの話を書ける人は、なかなかいないんじゃないか、と思います。今までフリーのノベルを色々と読んできた中でも、ここまでのシナリオにはお目にかかった事がないような気すらします。
 それだけ、ラストは凄かった。

 この侵略者編だけでも充分1本のゲームとして楽しめたのに、まだ後3つもシナリオがあるんですね。こりゃかなり長いゲームだった模様。
 この侵略者編だけでも、面白さ、ホラー度ともに★5確定、という感じです。

 これで絵がロボットものとしてしっかりと描かれていたのならば、もっといい作品になったかな、と。……まぁそうなったら、物語そのもののジャンルが変わってしまいそうなんですが。


幼き日のユリカ
主人公とケンカしっぱなし
 ●……え〜っ? 何編?? 「食いしんぼ編」だぁ?

 また最初からゲームをやってみます。で、スキップしまくりで選択肢もテキトウに選んでいきます。
 島の廃墟で迎えた夜。夜風にあたろうと建物の外に出てみたら、そこにいたのは……ユリカちゃん。
 主人公のノヴシゲと幼き日々をここで過ごしたらしい。徐々に、過去を思い出していくノヴシゲ。

 で「食いしんぼ編」……というガッカリなタイトルの編が始まってしまいました……。これはギャグなんでしょうね。真面目なのを読みたかったんですが。
 とりあえず、これはちょっとだけ読んでみて、他の編に行こうかなーと。ミステリーっぽいヤツとか、ありそうなので。
 それというのも、侵略者編が長すぎたものだから(体感的に)、もう他の編をやる余力があまり残っていないんですよ。自分的にはあの一本でもうお腹いっぱい、という感じになってしまって。

 (そうかる〜く思っていたんですが、読んでいく内に、恐ろしい事に……)

 ●これはこれで面白い

 ネズがホモ役になってます。いきなり笑えました。
 幼なじみのユリカと島めぐりしていく内に、Xくんやオシャレ姉弟の海清(みきよ)と一磋(いっさ)達と会っていきます。バイクの事で一磋とケンカとか、楽しい事になってます。

 映画館での思い出のシーンも笑えますね。「信繁、あたし、うれし…」の辺り。
 ほんとこの方はシナリオを書くの上手いなぁ、と。侵略者編とはまた違った楽しさを味わえます。
 まぁ思い出話が何度も出てくるので、気を長くしていないと、楽しめないんですが。

 ●そろそろネタバレ含む

 そして何となく最後の思い出話になりそうかな、というところまで来ました。この編はもしかするとかなり短いのかな、と。

 でノヴシゲの記憶が戻り、真相が明らかになる。う〜あ〜……なかなか壮絶ですね。まぁ何故かアマチュアのホラーではよく描かれる題材なんですけど。
 でもそれだけじゃないところがスゴイですね。そこからの悪夢の描き方が見事。ネタバレ: そしてノヴシゲが、ひたすらユリカを求め続ける気持ちだけが純粋で、救われたような気持ちになります

 そうですね。ネタバレ: 他人から見て狂人であっても、その当人の中にはこんな悲しいドラマがあるのかもしれない
 ホラーとして、素晴らしい物語だったと思います。「食いしんぼ編」なんていういかにもギャグっぽいタイトルが、こんな話になっちゃったのは驚きでした。やられましたね。
 ホラー度、面白さ★5、維持のままです。感服です。

 ここまでのシナリオって、フリーのホラーじゃ味わった事がないような気がするんですけどね、僕は。
 怖いだけじゃなく、時に笑えて、ちゃんと「面白い」のがいい。いや〜……世の中にはまだまだ凄い人がいるもんだなぁと感心しました。しかもこの作者さん、主婦だというから驚きです。……僕が尊敬する作家の栗本薫(くりもとかおる)さんも主婦、らしいんですけどね。


建物の壁に描かれた、不吉な言葉
 ●殺人幽霊編

 また最初からプレイ。選択肢が微妙に増えたりしてます。そして来たのが「殺人幽霊編」。おぉ、待ってました、という感じです。

 冒頭では、胡蝶の夢のシーンなども出て来て、物語の深さがうかがいしれます。
 島の廃墟で一夜を明かし、翌朝になってみると、案内人である満月五郎が行方知れずになっていた。彼はネタバレ: とある建物の穴の下、廃材で胸を貫かれて死んでいた。事故なのか、他殺なのかはわからない

 選択肢がありますね。
 それで進めていく内に、「ミステリー小説ならあるかもしれないけど、このゲームはそんなに凝ってはいない」などという……、場をぶち壊す一文があったりして、残念に思ったり。そこまで卑下する程度のゲームじゃないと思うので。堂々としていてほしかったですね。

 連続殺人事件。上手く描かれていると思います。
 あぁでも、また最後の方で「(こんなオチで)プレイヤーもさぞ呆れている事だろう」だなんてもったいない事を言っちゃって……。★5から評価を下げたくないのに、これはかなり致命的……。

 で、胡蝶の夢的なラスト。絵柄はかわいい(動物)んですが、これはこれで良かったですね。ラストが二転三転する、という感じで。

 選択肢もいくつかあった事ですし、結末はいくつかあるのかもしれませんね。僕がたどり着いたラストも、なかなか良かったです。
 2時間くらい、イッキに読ませてくれました。この編もまた、面白かったです。
 もしかすると、このシナリオこそがメインシナリオなのかもしれませんね。ミステリーっぽいですし。わくわくの?連続殺人事件が起こりますし。

 ではレビューはこんな所で切り上げたいと思います。後はみなさん自身の目で、お確かめ下さい。
 チカラを込めて、イチオシしたいゲームでした。

 とにかく、シナリオが素晴らしかったです。
 イベント画も、重要なところでちょくちょく入ってますので、ノレましたね。ちゃんとホラーしていたと思います。


『The noose』 ―― ZIGZAGさん
 (情報提供:フィアーさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:21.8M)

 ホラー度:★★★★(全体的に恐怖一色)
 面白さ :★★★★(後半に入ると、ジワリと面白くなってくる)
 難易度 :★★★★(冒頭がとっつきにくく、読み手を選ぶ気がする)

(あらすじ: 首を吊って死んだ弟。弟の日記に残された、不可解な一ページ。今夜もまた、私は恐怖に怯え続ける。私と弟の間に何があったのか。そして日記に描かれている妹の存在は…?)

(一言: 前半はただひたすら主人公が怯え続けるだけで、物語にすらなっていないと思いました。後半になって真相が明かされると、前半も理解できるようになり、面白さも増してきました。ただ、画面揺らしの演出が全体的に多すぎ。狂気を演出した文章は、(良くも悪くも)かなり実験的な印象。文章が視覚的に怖く見えるのはいい感じ。全体的に、ホラーとして非常に良作)

●いきさつ

 掲示板にて、フィアーさんより、紹介していただきました。

 (無題)  投稿者:フィアー  投稿日:2010年04月23日

 (前略)今回は「The noose」という作品を紹介させていただきます。
 この作品は恐さは一級品だと思います。しかし物語は分かりずらいかもしれません。でも一度はやってみる価値はあると思います。
 プレイ時間は2,3時間。選択肢は終盤に一度だけです。興味がわいたらやってみてくだい。それではまた。 
 
 との事。恐さが一級品、というのにそそられました。ゲーム的にも難しくなさそうなので、プレイしてみる事に。

●レビュー

 ●冒頭の印象

 いきなり恐怖の連続。主人公がひたすら怖がっています。
 異常なフンイキを作ろうとしているのはいいんですが……、話が非常にわかりにくい。

 怖い文章の連続、非常に怖いBGMに効果音、画面を激しく揺らしたりの怖い演出、怖くて暗い場面…

 なのに、内容が全く理解できない。
 ここまでワケがわからないと、怖いんじゃなく、不快。
 いつまでもしつこく、同じような「怖がる」場面が続くだけ。何も理解できないから、主人公の恐怖があまり伝わってこない。

 視覚的にも音的にも、何もかもを怖く作っているハズなのに……、「読める物語」になっていない。
 「怖いものを作ってやろう」という意気込みだけは感じるのですが、ただそれだけ、になってしまっているような気がしました。すみませんけど。

 ●やっと話が見えてくる

 正直、前半の印象はあまり良くありませんでした。ワケわからなさすぎて。

 で。後半になって、やっと物語が見えきました。食卓でカレーを食う辺りからですね。……それまではホント、何を書いているのかすら、サッパリわかりませんでした。主人公が弟の亡霊におびえている、という事ぐらいしか。

 なるほど。話がわかってくると面白くなってきました。
 「私」が家に戻った辺りで、話がだいぶ見えてきました。この辺は感心モノですね。うなってしまいました。

 ■が一瞬「妹」に戻った時の一コマも、感心するほど怖い。と言いますか、ここは素晴らしすぎです。「うお〜!」とか声が出てしまいました。(そういう人ですみません)

 静かなBGMに乗せて、静かな物語が流れていきます。動と静のギャップもいい。
 でも、素晴らしいばかりでもありません。
 「単純な話をわざと難解に書いている」という気もしますし、反復箇所も多すぎ。しつこいなー、と思うぐらい。
 文章も色々と砕けすぎてますね。ホント、実験的に盛り込んでいる、という感じ。例をあげれば、狂ってる演出として、ひらがなを多く使ったり、1ページ丸ごと悲鳴にしたり。

 よく考えれば、話の内容はスゴク単純。それをこんな長いノベルにしてしまう、その力量はスゴイです。
 それに、全編恐怖一色ですからね。この潔さというかこだわりもスゴイです。
 そして、かなり独創的ですね。この異様さは、なかなか描けるものじゃないと思います。

 ホラー度も文句なく、高め。直接的な怖い「画」は、あるようでないんですが、充分に怖さが伝わってきました。優れたBGMも一役買っている、と思います。

 ところで「noose」とは絞首刑、といった意味があるようですね。まぁ素直に「首吊り」という感じのタイトルだったんですね。

 ●気楽に立ち上げられない…

 変な話ですが、「恐怖を楽しむ」というノベルではなく、「恐怖を味わう」という感じのノベル、であるような気がします。……だから何となく、気楽に立ち上げられない。
 物語を楽しんでジワジワ恐怖が来るのではなく、ゲームを立ち上げると、もうそこは恐怖一色。ロードしても恐怖一色の所から再プレイ。だからこのゲーム、立ち上げる前に妙に「構えて」しまいます……。

 ここまで怖いノベルって、今までなかったような気すらします。
 ですが、物語そのものがすごい怖い、という感じでもない。「物語の怖さがこちらにまで伝わってくるノベル」でも言った感じでしょうか。……要は、ここで描かれている狂気と恐怖に飲み込まれてしまいそうになるんですね。
 色々と、勉強になるところがありそうです。

 ●視覚的に怖い文章でも、芸があるかどうかはまた別

 個人的には「視覚的に怖く見せる文章」というのは多分一生やらないと思います。
 「怖い怖い怖いこわいこわいこわいこわい…」をしつこく繰り返すとか、1ページ丸ごと悲鳴とか。

 邪道とは言いませんが、スマートじゃないと思うんですよ。特に、プロの作家はそういうのをやっちゃいけないと思いますし。やったらきっと、「芸がない」と言われると思います。プロが「ヒィヤァアアアアアアアアア!」なんて悲鳴を「書いちゃったら」、何だかなぁと思いますし。
 その辺は個人の好み、の問題ですけどね。

 でも、悲鳴をガラスが割れる効果音で表現したのはかなり味がありました。上手いです。

●総評

 ストーリー展開がスゴイ訳でもなく、キャラが立っているワケでもない。
 なのに恐怖の物語として、一流の作品だと思いました。

 画面揺れの演出がしつこいとか、前半は意味不明すぎとか、マイナス要素もありますが、でも全体的に充分に恐怖を堪能できる、素晴らしいノベルゲームでした。
 個人的に一番好きなのは、妹の悲鳴ですね。あの壊れっぷりが胸に来ます。
 全体的な雰囲気もバツグン。文句なく、オススメできますね。怖いノベルとして。

 紹介して下さった、フィアーさん。どうもありがとうございました。紹介してもらわなければ、多分この作品にはたどり着けなかったと思いますので。感謝してます。

 ●(ネタバレ)

 でもちょっと理解できない部分はあります。

 (ネタバレ:
 私がいつ、どこで、どのように弟を殺したのか。
 そして現在は、それからどのくらいの月日が経っているのか。(まさか、冒頭で言う「3日」じゃないでしょうし…)
 自分達が両親から捨てられたのはいつか。

 その辺り、まだ理解できていません。またイチから読み返すのもおっくう(すげえ疲れそうな気が)なので、妄想で補完しときますか……。てか明らかにされてるんですかね……?
 時間的な流れもハッキリした方がいいのか、それともあいまいな方がこの作品の味を残すのか。難しいところです。
 狂気の物語は、多少わからない部分があった方がいいような気もしますし……。


『こわめいろ』 ―― 爪斬丸さん

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:0.8M) + RPGツクール2000RTP [ ダウンロード ] (11.7M)

 ホラー度:★★★☆☆(見た目の異様さがいい)
 面白さ :★★★☆☆
 難易度 :★★★★(迷路が広大すぎる。マッピングしないと、クリアは多分ムリ)

 (一言: RPGタイプの迷路脱出ゲーム。迷路の壁が見にくくなっているのが特徴。迷路はかなり広大。テキトウに歩いていても、まずクリアはできそうにない。途中、ちょっとしたワープやイベントなどがある。ゲームそのものは不親切すぎ)


これがメインの迷路
壁が見えにくくなっています


主人公の女の子
動きは遅め


いきなりこんな部屋にワープしたり
●レビュー

 ベクターで見つけた「こわめいろ」。どんなものか、とプレイしてみました。
 なかなかメルヘンチックなタイトル画面。BGMもそんな感じ。

 屋敷の前には、が。「この屋敷の説明をさせて頂きますめぇ。」と。
 話によれば、ここは「オバケ屋敷」である模様。中にはスタッフがいて、お客さまを楽しませる仕掛けがしてある、と。

 中に入ると、そこは暗闇に近い場所。
 迷路。しかし迷路の壁が見づらいように工夫されています。
 見た感じ、「ゆめにっき」を思い出しました。BGMも神秘的でいい感じです。

 ちょっと辺りを探索してみましたが、なかなかいい感じ。
 迷路をさまよう。何のヒントもないので、テキトウに進むしかないのか?

 で。数分テキトウに歩いていたら、いきなりどこかの部屋に出ました。
 静かな場所。時計の音だけがします。
 人がたくさんいるので、話をしてみます。しかし、話ができません。みんな無視……。

 で、立ち止まってる人に話しかけてみると……、またいきなり場所が変わりました。
 同じ場所っぽいんですが、暗い場所。幽霊みたいのが歩いています。左下の方に、下り階段が。
 階段を降りると、また迷路に戻りました。

 ●

 テキトウに迷路をさ迷っている内に、魔法陣のあるところに行きました。
 ですが、ここから脱出できません。あみだくじのようになっているのかぁと思ったり、色々やってはみましたが、ダメみたい。あきらめました。

 また最初からやり直してみます。「迷路は左周りに進めば必ず解ける」とか何とかいう法則に乗っ取ってやってみますが……ダメです。ワープがあり、堂々巡りになってしまいます。

 ギブアップ……ですかね。
 迷路の大きさもよくわからないし、進み方もイマイチわからない。テキトウにやっていると、何度も同じ事を繰り返しているだけで、一向に進展しそうにありません。
 何かしらのヒント、が欲しかったですね。また、ワープしても、どこに行ったのか見当がつかないのでは困ります。

 せっかく見た目が魅力的なんですけど、このゲーム、ちょっと不親切すぎです。ゲーム初心者の方がプレイしたら、ただ迷路をウロウロし続けて、終いには「何これ?」と飽きてしまうんじゃないか、と。
 どうせなら、迷路を小さくまとめてステージクリア型にするとか、謎解きをハッキリさせるとか(解かないと次に進めない、など)そういう工夫が欲しかった気がします。
 色々と、惜しい気がします。

 ●マッピングしてみる

 迷路をマッピングしてみる事にしました。
 方眼紙を使って、手書きで壁を書いていくんですね。……昔もこんな事よくやってたっけなぁと、なつかしい気持ちに。
 マッピング、やってみると案外面白いんですけどね。
 まぁ、マッピングしなきゃ解けないゲーム、だなんて今時は受け入れられないとは思いますが。

 ●ヒントなど

 マッピングしてみると、だいぶ形がつかめてきました。やってみるもんです。
 でもマップ、広大すぎ。ノートの方眼紙(32×22マス)、6ページ分をつなぎあわせても、まだ足りない勢いなので……。マップ完成したら、ヒントとして公開しようかな、と。

 で。個人的には、半マスの箇所は不要だったんじゃないかな、と思いました。(半マスというのは、方眼紙でマッピングした時、どうしても1マスでは描けず、マス半分の場所で、壁になってしまうようなところ) しかも半マスの箇所、少ない(ような)ので。

 マップさえあれば大丈夫。もういちいち進む方向には迷いません。
 マップ上にワープ箇所などを書き込んでいくと、色々とつかめてきました。
 で。迷路内をウロウロ歩いている人にぶつかると、妙な場所にワープさせられてしまうんですが、あれは人を避けた方がいいみたいですね。あと、ウロウロされている辺りが、進展の方向だったりしますので。

 強制的に、イベント部屋にワープさせられる所もいくつかあるんですが、それらはマップ的にその先が行き止まりになっていたりする模様。
 でもホント、マッピングしないとクリアは多分ムリです。それだけ複雑怪奇になってます、この迷路。

 ●一応のエンドを迎える

 とある場所に行くと、火災報知機が作動しました。
 するとスタッフがすっ飛んで来て、非常口まで連れていってくれました。
 ……そんなこんなで、アクロバット的な、迷路の脱出を迎えました。やたー! ってこんなんでいいのか、と。

 ちょっとしたエピローグもあり、屋敷の右側にず〜っと行ってみると……、今度はまた別の迷路が待っていたりと。まだまだこのゲームは奥が深そう。何たって、僕が見たのも正規エンドというワケじゃないようですので。

 迷路内にはまだまだ謎が隠されています。
 暗号入力を求められてくる場所もあれば、僕がどうしても抜けられなかった魔法陣の場にも、何か秘密があるのかもしれません。

 方眼紙さえあればマッピングはできると思いますので、チャレンジしてみるのも面白いかと思います。「マス目を使って、壁があるところに線を書いていけばいい」だけですので。まぁ半マス箇所には気をつけて下さい。

 で。僕としてはゲームそのものより、マッピングする楽しさ、というものを久しぶりに味わえたのが良かったです。

 ゲームそのものだけ見れば、かなり不親切なゲームかなぁ、という気がします。
 テキトウにやれば、迷い続けてひたすらに堂々巡りしかねない、と思いますので。
 でも迷路のフンイキとか、かなり魅力的でした。「迷路を見にくくする」という変わったアイディアも、なかなか生きていると思いました。
 主人公キャラが小さな女の子、というのも良かったような気がします。


『山荘で』 ―― ソラトビサカナさん
(情報提供:フィアーさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:20.4M)

 ホラー度:★★★☆☆(恐怖画がもう一歩)
 面白さ :★★★☆☆(ラスト以外、全体的におとなしすぎる)

 (一言: 山荘に集まって来た客たちと、暖炉を囲んでの怪談話。選択分岐式のノベル。エンドは6つ。立ち絵あり。大半のエンドが「どこかで聞いたような怪談話」であるのが残念。でもラストのエンド6はなかなか良かったです)

●いきさつ

 ウチの掲示板にて、フィアーさんから紹介の書き込みをいただきました。

 初投稿です。  投稿者:フィアー  投稿日:2009年12月26日

 はじめまして。いつもこのサイトを楽しく読ませていただいている者です。特にフリーホラーゲームレビューは非常に楽しく読ませていただいています。
 今回投稿したのはフリーホラーゲームを紹介したいと思ったためです。できればレビューしてください。
 「山荘で」というタイトルで今の季節にピッタリな冬のホラーノベルゲームです。選択肢がありますが全部クリアするのに一時間ほどしかかからないため時間があまりなくてもプレイできます。注意する点としてはすべてのエンディングを見ないと面白さが半減してしまうという点でしょうか。
 たぶんまたフリーホラーゲームを紹介させていただきます。今回はこれで失礼します。

 ……との事。ご紹介、ありがとうございました。


山荘が停電になり、暖炉に客たちが
集まってくる。
●レビュー

 とある山荘で、主人公はヒマをもてあましていた。
 せっかく有給休暇をとってまで来たのに、天気が悪く、今日一日はどこにもいけなかったからだ。

 その山荘に集まってくる客たち。暖炉を囲んで、怪談話などをするハメになってしまいます。
 ……ちょっと見、「かまいたちの夜」っぽい。
 で、選択肢が何度か出てきて、エンド2に行きました。ここまでのプレイ時間は10分程度。

 物語を作る上で、他人との関わりが必要になるのは仕方ないんですが……、
 「気楽に他人に声をかけて、すぐに仲良くなる」というのが、少し安易すぎはしないか、と。

 まぁ暖炉が一つしかないから、みんなそこに集まって来るしかなかったんでしょうけど、だとしてもいきなり、他人と怪談話までしちゃうのはちょっと……。山荘の支配人がみんなを集めて怪談話をする、というのならまだわかる気もしますけど。
 その辺、読み手を上手くノセてほしかった気がします。ややキビシイ意見かもしれませんが。

 でも影絵や恐怖画(迫力はともかくとして)などもちゃんと入っていますし、ただ背景画を見せられるゲームじゃなくって、そこはノレました。

 ●プレイ続行

 基本的なスジとして、山荘に集まった客同士で怪談話をして、「これ以上話を聞くかどうか」の選択肢を選んで、分岐になるという感じですね。
 次はEND4をゲット。これはこれでいい感じですね。あのまま変に感動話にならなくて良かったです。短編で感動ってかなり難しいと思うので。あんまり気持ちが入らないまま、物語が終わってしまいますからね。

 ちょっと気になったのが、会話文終わりの「〜〜〜。」
 その丸(。)は個人的には要らないと思うんですけどね。しかもあったりなかったり、でかなり統一感もないし。

 あと「次の選択肢まで進む(スキップ)」を使っても、演出 (BGMがフェードアウトするまで、文字表示をストップ) のせいで、テンポが遅れますね。……個人的な話ですが、僕はこれをやめました。何度も繰り返しプレイさせるのなら、スキップ優先、という感じで。
 細かい話ですが、しおりの数も妙に多すぎですね。10個もあれば充分かな、と。

 END3のあたりは2度笑えますが、BGM効果も良かったと思います。

 さて。全部の選択肢を見たつもりでしたが、まだエンドが1つ残っています。それがTRUEENDになるんでしょうか。

 ところで物語冒頭に、「夫婦」がやってくるんですが……、これって物語的にはあまり面白くない展開だと思うんですよ。
 リアリティを考えれば、まぁそんなもんかな、という感じもしますが、ゲームをやっている限りでは、女同士がくるとか、女一人で来るとか。そういった方が、何かしらプレイヤーに「期待感」というものを加えられるんじゃないかなぁ、と。

 夫婦やカップルがくると、彼らの中で話はもう終了してしまっていて、その先の期待感は皆無。となってしまう。……まぁあまりにも個人的すぎる感想ですみませんけどね。でも、夫婦漫才や痴話(ちわ)げんかを見せられたところで、笑えるものかどうか。僕には疑問ですね。
 (だからと言って、作品に夫婦やカップルは出せない、というワケじゃないんですけどね。でも出すのなら、かなりの工夫が必要になると思うんです。個人的に)

 主人公が子持ち、というのもめずらしいんですが、それを劇中で生かしていますので、そこは好感が持てました。

●総評

 CGのクオリティも良く、BGMなどは一部をのぞけば(途中、変に耳障りな曲があった)、普通によさげ。
 シナリオに関しては、ラストのエンド6は、感心しました。二転三転するのが気持ちいい。
 でも、その他のエンドが「どこかで聞いたような怪談話」すぎたので、そこはもう少しひねってほしかった気がします。

 ゲームの完成度は良さげだと思うので、次回作に期待したいですね。もう少し、壊したシナリオを期待します。今のままじゃおとなしいし、普通すぎる気がしますので。エンド6のあのパワーが全体的に必要かな、と。

 紹介して下さった、フィアーさん。どうもありがとうございました。


『青鬼』(ver5.2) ―― nopropsさん
(情報提供:αさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:7.6M) + RPGツクール2000RTP [ ダウンロード ] (11.7M)

 ホラー度:★★★★(青鬼にビビる。全体的には★3
 面白さ :★★★☆☆(全体的には★4。しかし難易度が高すぎ、面白さが半減)
 難易度 :★★★★★(やたらと詰まる)

 (一言: 謎解き型館脱出ゲーム+化け物回避アクション。いきなり出て来る青鬼にビビル。後半は、出て来る度に逃げるのが面倒に。謎の難易度はかなり高め。アイテムの使い方がかなり工夫されているんですが、中にはかなり理不尽に思えるものも。詰まりまくって、ストレスたまりまくりでした)

 ●必要ファイル:RPGツクールXP RTP(マニュアル内にURLあり)

●いきさつ

 掲示板にて、αさんからご紹介いただきました。

 [1813] はじめまして。  投稿者:α  投稿日:2009年12月25日

 (前略)
 青鬼というゲームなのですが、ノベルではなく、結構アクション要素を含んだフリーゲームです。
 舞台はお化けが出ると噂されている館で、そこに中学生4人がやってきて探検する話です。

 謎解きも多くて、楽しめる作品だと思いますので、よければやってみてください。

 ……との事。ご紹介、ありがとうございました。
 ベクターでも「ホラーアドベンチャー」のジャンルで、長く1位に輝いている作品。……その人気の秘密は何なのか? 探ってみる事に。

●レビューなど

 ●いきなり余談ぎみ

 ベクターでの紹介ページの「このソフトは有料ソフトです」の文字に、「は?」と。値段は1100円ほど。
 でも「寄付歓迎」の、一応はフリーソフトなワケですね。まぁ本当に寄付する物好きが、この世に何人いるのかは疑問ですが……。

 あと悲しいと思ったのは、ベクターにて「COOL」をもらうほどの超人気ソフトでありながら、作品へのコメントが「0」というところ('10年2月6日現在)。
 何か一言でいいから、書き込んでほしいものです。みなさんの一言ひとことが、作者への報酬となり、次回作へのやる気とつながるハズですから。
 ……とは言え、別の場所(ニコニコ動画、YouTube、2ちゃんねるなど)ではかなり話題に上っているようですからね。作者さんもきっと、相当喜んでいるに違いありません。




卓郎
チョイ役


ひろし
プレイヤーとなるキャラ


たけし
猛烈な違和感が…



青鬼出現。
逃げるしかない!

後半になると、怖いというより
イヤな気分に(逃げるの面倒)
 ●ゲームプレイ

 必要ファイルのRTP(ランタイムパッケージ)に「XP」と表されている事もあり、ウチのMeでは動作しない模様。すぐにエラーが出てしまいます。なので、ノートのXPマシンでプレイしてみる事に。

 で。……タイトル画面、ないんですね?
 館の中に入る4人。卓郎、たけし、ひろし……、と出ますが、卓郎とひろしが少女マンガめいた超イケメンで、何故かたけしだけ、ギャグ調の簡素な顔。素材を使うにしても、ここまで統一性のない使い方をするとはめずらしい……。

 で。動かせるキャラはひろし、ですか。いかにも脇役、みたいな顔だと思いましたけど。
 屋敷に入るなり、カチャン、と音がしたので、近くのキッチンに行って割れた皿を確認して戻ってみると……、誰もいなくなっていました。

 屋敷の中を探し回ります。屋敷の作りはそう複雑ではなく、すぐにほとんどを見て回れますね。
 ですがドアを調べど調べど、「開かない」「開かない」「鍵が掛かっている」ばかり。

 3階に行くとやっと開いているドアがあり、その部屋の中のたんすかクローゼットの中で、たけしがガタガタと震えていました。どれだけ恐ろしい目にあったのか、一言もしゃべってくれません。
 その部屋を調べていると「図書室の鍵」を見つけました。図書室に行ってみます。というか、どこが図書室なのかわからないので、探さなきゃならないんですが。

 図書室は1階にありました。そこに入るなり、出て来る化け物。これが……「青鬼」ですか。
 でかい頭。青い姿。こちらに気づかず、どこかへ消えてしまいました。

 で、図書室内を調べて、机の上にて鍵を見つけると……また青鬼が現れて、こちらに向かってきました。
 あわてて逃げます。が、あっという間に捕まって、GAMEOVER……。

 ●いきなりギブアップ

 何度かやり直す。でもあろう事か、青鬼はドアもすり抜けてくるし、その速度はやたら速い。どこか開いているドアを探しているヒマもない。
 10回くらいやり直して、ギブアップ。「どうすりゃいいんだよ、これ……」と絶望的な気持ちに。 

 ところで青鬼のグラフィック、あのキモ顔がいいですね。多少、人間めいていて。パンチパーマっぽいし、土人?かと思いましたが。
 異世界ファンタジーっぽく、目を吊り上げてキバを生やして、いかにも化け物……みたいなグラフィックだったら、もしかすると怖くなかったかも?
 触れられれば問答無用で死ぬのも、なかなかホラーしています。

 ●序盤の図書室での、青鬼から逃げられない…

 ネットで青鬼の攻略を探してみましたが、バージョンによって攻略方法も違うらしい。
 凝ってます、というか、同じ舞台で何度も楽しめるように工夫した、という事なんでしょうか。バージョンが変わっても攻略方法が全く同じだと飽きられる、と思ったのかどうか。やってくれます。

 で。YouTubeで青鬼5.2の攻略動画があったので、見てみました。やはり青鬼から逃げる、序盤で苦労している様子。ネタバレ: しかし、図書室を何周かしてから外に出ると、あら不思議。青鬼が追って来ないではありませんか
 ……コレですね。

 僕も無事、進める事ができました。あぁ良かった。実はここでもうレビューを投げてしまおうか、とも思いましたが。

 (バージョンによっては、青鬼を撒く事ができたり、歩数や秒数で青鬼が消えたりするらしいんですが……5.2は違う模様。いくら逃げても、いくら待っても(1階左ハジのトイレに隠れて、20分ほど放置したりもしましたから)、青鬼はあきらめてくれません)

 プレイしてる時は「この速度は理不尽すぎる!」と頭に来てましたが(たんすの中とかに、素早く逃げ隠れるものだとばかり思ってましたから)……難を逃れてみれば、「あぁこんな簡単な事だったのか」と納得。


いきなり青鬼出現で、あえなく
GAMEOVER…の嵐。
 ●サクサク進み、アイテム群をゲットしていく

 ある程度落ち着いて、屋敷内を探索できるようになりました。続々とアイテムをゲットしていきます。
 そうしていると、3階で青鬼がいきなり出現! またもや逃げ切れず、GAMEOVERの嵐……。

 おぉ、1階の図書室に逃げ込んで、撒(ま)く事に成功。再度調査を進めていきます。
 1階の畳の広間で青鬼がまた! しかし慌てずにまた図書室に逃げ込み、ここは軽く難を逃れる。
 きっと何かあるだろう、と思い青鬼が出て来た付近を調べてみると、「ライター」を入手した。

 青鬼がいつ出てくるかわからないので難を逃れる度に、細かにセーブしていきます。



横に並んだ5つの玉を並べ替える
のだが…

まさかコレが単体で溶ける謎だとは
思いませんでした。
どこにヒントがあるのかと探しまくり…
 ●おひなくこの謎

 さて。一段落つきました。
 迎えるのは、3階の右上の部屋。額縁の中に、何らかのパズルが。
 「真っ直ぐ伸ばしてそろえて背高順に上から並べよ」との事。
 玉は「o,hi,na,ku,ko」の5つ。おひなくこ? どう並べても言葉になりません。

 ……わからん。
 テキトウに動かしても言葉が出てきません。

 別の場所にて。
 イスを動かせる部屋。よおく見ると、タンスの上に何か光っている。もしや、と思いイスを動かして……
 やった、というか、すげえ!
 そこにライターのオイルがあったという。うわ。こんな事を考える作者さん、すげえです。重要かどうかもわからないアイテムを見つけただけなのに、何か感激しました。2Dかと思いきや、3Dみたいな発想をさせるとは。

 ライターでメモや館の地図をあぶるあぶり出しって何十年前の話なんだろ……今も存在するの?と……、メモの方はイマイチ意味不明なままでしたが、地図の方では発展が。

 でも、そこにはまだ行けない模様。
 あのおひなくこの謎を解かなくてはならないのか。一旦終了。

 ●詰まったので解答を見る

 地図で気になっていた場所で皿の破片を使ってみると……おぉ、隠し通路を発見。しかし、ドアノブが必要らしい。
 この辺りから、青鬼が色んなところでいきなり出てきます。思わず何度かのけぞってしまいました。

 おひなくこの謎がどうしてもわからなかったので、ネットで見つけた解答(どうやら作者さんが作ったらしい)を見ました。
 ネタバレ:おひなくこが、5本指の頭文字だったとは……。あぁ自分、すげえ頭が硬い模様。
 
 無事、何だかわからん暗号を入手。
 うわ〜、やっと進展ですか。ここでだいぶ悩みましたね。おひなくこの謎は、館を探索していくウチに、何かヒントを見つけるものだとばかり思ってましたので。まさか単体で解ける謎だとは思いませんでした。

 ●ピアノのある部屋

 3階。何だかベッド脇に色の違う床を発見。しかし調べてみても反応ナシ。
 かと思いきや……ベッドが動くとは。しかも想像とは逆の方向に。……くあ〜やってくれます。

 で、ピアノのある部屋に行きました。というか落ちた模様。
 ピアノの鍵盤をうんぬんすると(解答をチラ見してしまっていたのが悔やまれる)、暗号が出てきます。
 しかし、この数字をそのまま、この部屋の隠し金庫に入力してもダメ。ここであのメモが役立つワケですか。なるほど。

 そして子供部屋の鍵を入手。つーか、どこが子供部屋なのかは探してみなきゃわかりませんが。

 こうした謎解きの合い間にも、チョコチョコと青鬼が突然出て来て、GAMEOVERになるので、気は抜けませんね。いいアイディアだと思います。謎解きが単調にならないので。(青鬼が出てこないと、ただの館脱出ゲームになりかねない)
 (でも、後半は青鬼がかなりウザくなってきましたが)


美香
可愛い顔しても
ダメです
 ●冷たい美香

 子供部屋には美香という子が。いきなり人間がいたんで、多少ビビリましたが。何故か美香の顔のドットが荒いです。

 で、美香を連れて行くかどうかの選択肢が出ましたが、連れていけない模様。そして彼女は「卓郎」の名をつぶやく。いえ、「卓郎…」としか言わなくなってしまいました。主人公のひろしの事はまるで見えていません。残念なひろしがここに。
 こんなヒロインはリアルかもしれませんが、プレイヤーには決して好かれないヒロインなんだろうな、と。

 この部屋で+ドライバーを入手。そして意気揚揚と屋根裏部屋へ向かう(解答チラ見のせいで、残念ながら使い方がすでにわかっていたという)。そこでまたも青鬼……。スピード速いから、出てくるだけでビクッとします。

 ●パスワード、暗号……

 また詰まる。1階の畳部屋の中央からの隠し通路の先、パスワードがわからない。暗号も解読できず。

 解答をチラ見し、謎のPASSと謎の一本線の画がネタバレ:そろばんを意味している事がわかり、パスワードを入手。いい謎なのかどうか、この辺は疑問ですね。
 今の時代に●●●ん、とか言われても……。その存在すら忘れかけていましたが。

 ●ところで

 青鬼の出現が脈絡なさすぎるような気が。
 青鬼の出現した場所付近こそ、進展の謎が隠されている、とかいうのならまだ話はわかりますが。

 変な所から理不尽気味に出て来られると、「またかよ。逃げるの面倒なんだけど」という気になってしまいます。

 ●だんだんムカついてくる……

 屋敷から、隠し通路を抜けて、暗めの場所へ。 
 そこで行き詰まっていると、とある部屋の、何でもないような所でアイテムを見つけ、さらには隠し通路が……。こんなんアリですか?

 そしたら停電に。
 ここからがムゴイ。ライターを点けて、狭い視界を確保したのはいいんですが、ソッコウで青鬼に追いかけられるハメに。
 何回やり直したかわかりませんが……、これはひどい。アクション苦手な人はクリアーできないんじゃないか、と。
 まして本のない図書室みたいな所も、左周りで回らないと上手く出口が見つからない、という手の込みよう。ぐわ〜……。

 何とかクリアーして、落ち着いてブレーカーの部屋で明かりを点けた途端またもや……。ここは怖いというより、かなり頭にきました。やりすぎだろ?と。
 何か、青鬼。出て来る度に「怖い」というより、「ムカついてきた」んですけど……。

 ●

 いやしかし、あの鉄板をドライバーで外して、出て来たものを見て、「おぉ〜っ」と思わず歓声を上げてしまいました。
 でも、もう数字の暗号、面倒でイヤなんですけどね……。しかも計算とかしなきゃならない? ぐわぁ……面倒クセー。(ハラ立ちすぎ)

 で。机の上のメモをヒントに、日記調の数字を計算してみる。で、フツーに出した答えと、ひねって出した答えの2種類が出る。
 そのどちらとも不正解。で、何となく4ケタの数字を逆に入れてみたら……正解?

 はあっ? 何で?
 全然スッキリしないんですけど。


暗くて見づらいですが、ゲーム中は
大丈夫
 ●別館へ

 ドアが開き……ぐわあっ! 騙された。ここが別館なのか! 今までのはただの通路……?
 セーブ箇所が4つというのはツライ。まぁレビューなんかしなきゃ、4つで間に合うのかもしれませんが。

 もう結構チカラ尽きてます。
 謎解き、自分あんまり好きじゃないのかも。

 ●暖炉にアレを入れてうんぬん、するだとおっ?!

 別館でも色々仕掛けがありますね。
 人形の目に青い石をはめた辺りで、どうにも力尽きた感じが。あの人形のパズルはどうやっても解けない気が……?
 ところで(今さらながら)フルスクリーンでプレイしてみたんですが、思いの他、青鬼がでかく見えて、迫力ありました。ビビリ度も上がります。

 あんまり詰まったんで、また解答を見ましたが……。暖炉にアレを入れて、うんぬんするだとおっ?! んなモン、どうしてわかるんだよぉおおおっ!!
 あ〜あ。それやったら色々と進展。こんなのノーヒントでわかる人いるんスか……?

 あの頭を移動させるパズルは、やっぱりワナだったのかと。
 その後、電球を使ったトリックには感心しましたが……まぁた数字のパスワードが必要に。もう、「パスワード」というもの自体、嫌いになってきたんですけど……。
 やる気になるまで数日ほったらかしておく事に……。

 ●

 と思ったら、あれは暗号じゃなかったという……。アイテムの説明をよく見るべきだったんですね……。ぐわあ、やられたー! 作者さん、頭良すぎなんじゃないのかと。ネタバレ: 板を使うと開いた穴から答えが。よくこんな事思いついたなぁと……。

 あ〜でも、この鍵はどこで使うんだ? わからんのでまた後日……。
 頭使いすぎて疲れます……。

 ●別館の地下室はどこに?

 地下室があるハズなんですが、見つかりません。いちいち詰まりますね。
 別館、調べ尽くしてもわからなかったので、解答を見ます。

 すると何と! 終わったアイテムかと思っていたネタバレ:赤い日記帳を使う場所があるとは……。つーか、こんなのどうして自力でわかるんだろ……? ありえねぇ……。

 格子戸を抜けると、またもやパズルが待ち構えていて……。ぐわあっ! もうパズル要りませんって……。
 でも4色塗りのパズルは、そう難しくなかったので良かった。どうやって作ったんでしょうね、こんな(判定とか)面倒そうなパズル……。

 またすぐ詰まった……。
 解答を見たら、何と、ここでまた板を使うってえ? そんなのどうしてわか(以下略)

 小さな鍵のありかは、まぁ納得がいきます。ここは上手いと思います。

 ●クリアーしても達成感が……

 で。仲間見つけられないまま、クリアーしてみました。
 何だかひたすら疲れただけでしたが……。青鬼も出て来る度に、怖いというよりイヤな気持ちになってました。逃げるの面倒ですから。
 うわぁ……解答見過ぎて、全然達成感がなかった……。
 つーか、解答見ないでクリアできる、というレベルじゃないような気がするんですが……。

 何のヒントもなく、「あのアイテムをあの場所で使えば進展」なんていうのが何度も出てきましたからねぇ。特に別館では。

 青鬼に関しても一言。
 追いかけられる、という恐怖はかなりいいと思います。でも理不尽気味に出てこられると、イラつきますね。
 最悪だったのが、館から別館へ行く途中の通路で、視界がかなり狭いのに、青鬼に追いかけられてしまうところ。これは難易度の高いアクションなので、ここで詰まってクリアできない人がいても不思議じゃないと思います。イジワルすぎですね、ここは。
 
 ●救出エンド

 あぁ、全員助かってのエンドは良かったですね。
 物語的にもいい。
 ゲーム中の苦悩といらだちを溶かしてくれるエンドだったと思います。

 総評としましては、
 「こんなのどうしてわかるんだよおおっ?!」(例:暖炉でアレを燃やす、月のところで板使う。一番凶悪だったのが、別館の地下への隠し扉。んなもん、わかるハズがありませんから)……という箇所がなければ、いいゲームだったんじゃないかな、と思いました。
 パズル等、色々と丁寧に作られていて、青鬼の恐怖演出も色々とありましたし。

 もう後、当分の間は、館脱出ゲームをしたくはないですね……。謎解きももう腹いっぱいです。
 苛立ちと疲労をここまで感じたゲームは今までなかったような気が……。詰まって解答を見るまで、ムダに色んなところを探しまくりましたからね……。

 ゲームバランスに関して、一般的ではない、と言わせていただきます。
 自分を一般的だと思って、すみませんけど。


『怪光写真』 ―― MENCHANさん
 (情報提供:かめきちさん)

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:18.2M)

 ホラー度:★★★★
 面白さ :★★★★

 (あらすじ: 大学生の跡部は、バイトの募集を見て、真夜中2時に廃倉庫街の一倉庫に行く。そこで待っていたのは美月という女性。彼女から心霊写真を見せられ、その場の調査をする事になった。2日目は調査の依頼主である浅倉となり、3日目は美月となって話を進めていく)

 (一言: 画像のクオリティが高く、動きのある演出も盛り込まれていて、見ているだけで楽しい。BGM、効果音も使い方が上手い。心霊写真の謎を追うストーリーにも引き込まれる。テンポ良く出てくる「謎解き」もかなり楽しい。アニメ効果を使った謎解きは脱帽モノ。ただ謎解きそのものが、後半になればなるほど「ストーリー的に意味不明」になっていったのは残念)

●いきさつ

 ウチの掲示板で、かめきちさんより、情報をいただきました。

 はじめまして  投稿者:かめきち  投稿日:2009年09月04日

 どうも、はじめまして。管理人さんのフリーホラーゲームのレビューを見ました。丁寧に解説してあって本当に驚きです。
 さて、管理人さんは既にプレイしているのかわかりませんが、ニコニコ動画の実況プレイで見たフリーホラーゲームが面白かったので、紹介させていただだきます。
 『怪光写真』というゲームなのですが、ホラー要素はあまりないものの、作りこみはなかなかのものだと思います。
 是非、プレイしてみてくださいね。

 ……との事。書き込み、どうもありがとうございました。 

●あらすじ&レビュー

 大学生、跡部隆一。彼は、駅前の掲示板で見つけた、怪しげなバイトをしてみる事にした。
 夜中の2時、指定場所である倉庫街の、一倉庫まで出向く。中にはロウソクの灯り。パソコンが一台置かれてあり、美月 小夜という大人の女性が待っていた。

 美月がバイトの依頼主だった。心霊写真を見せられる。写真の場所へ行き、心霊写真の真相をつかむのが、バイトの仕事内容であるらしい。
 美月は200万の報酬で、その仕事を他から受けていた。跡部はバイトとして、その助手のような事をさせられるのであった。

 写真の場所は「泉ノ恩丘」。町外れにある森だ。
 この真夜中。跡部は早速、単身でその場に調査に行くハメになった……。

●依頼主、浅倉
 
 その場所で会う男、浅倉。彼こそが、美月に200万の大金を払ってまで(前金50万、成功報酬150万)、調査を依頼した男なのであった。
 彼は、この森の奥の神社で、カップルの写真を撮った。しかし、そのカップルは翌日、死んでしまったという。
 浅倉はそれに責任を感じ、心霊写真の真相をあばこうとしているらしい。

 浅倉に案内されて、その神社まで来る。
 浅倉と手分けして、神社内を探る。と言うか、何故わざわざこんな真夜中に探らなければならないのかは……謎。

●泉ノ恩丘、廃神社へ

 この辺からノベルではなく、ADVらしくなってきます。テキトウにクリックしていくだけでは、進まなくなってくるワケですね。
 「手水」の方法が書かれた紙があるんですが、その通りに手水をする必要があります。僕はメモしましたけど。
 手水の後、「錆びた鍵」を見つけ、それを使って、神社裏の扉を開けて中に入る。
 するとそこには小さな社(やしろ)があり、足元には「3色のこけし」が落ちていた。

 ここでまた足止めの謎。
 左側の壁についているペンキを見て、3色のこけしを順に押して行く……というものなんですね。
 謎解きの指示がハッキリ書かれておらず、自分なりに推測するのがなかなか楽しい。こけしのこの順に押せ、とはどこにも書かれていないし、押す色の順番だって、どこが最初なのかわからない。
 なかなか、難易度は高めなんじゃないかと思います。指示がないから、自分で「こうすればいいのだろうか?」と考える必要がありますし。

 一応ここでのヒントを書けばペンキが重なっている、上から順に押していけばいいと。
 で。何だかわからない消しゴム?を入手して、その場は一旦おしまい。浅倉と別れ、廃倉庫街に戻る。


謎解きが数多くあるのが楽しい
 戻ってみても、美月はいない。勝手にパソコンなどをいじってみる。ここでパスワードを入力したり、となかなか楽しい仕掛けがありますね。(パスワードのヒントは、運転免許証の中にある数字)
 しかもパスワードをプレイヤーに「推測させる」というのがまたいい。答えをハッキリと言ってしまわないところに、さじ加減の上手さを感じます。

 そして、いなくなった美月を追って、泉ノ恩丘へまた……。
 泉ノ恩丘での進み方は、ヒントを書くまでもなく、心霊写真に描かれてある通りに。
 洞窟の奥にいた美月。
 岩に書かれた謎の文字。天井で光るホタル……。ヒント: ホタルが光る順なんですが、ちょっとわかりにくい。「モエタイノル」が答え。でも言葉として全然、成立していないような……

 そしてそろそろ夜明けが来る。そうして1日目は終了。
 なかなか濃い1日でありました。プレイ時間的にも、この辺で1時間弱程度。

●この辺で感想などを

 時折見せる、ちょっとしたアニメ効果が楽しい。この後も盛りだくさんの、アニメを利用した「謎解き」などは、なかなか感心させられます。動きもかなり凝ってますし。丁寧に作られてあります。(謎解き自体は、だんだん意味不明なものになっていくような気はしますが)
 人物は影絵ですが、実写背景にはよく合っていると思います。

 ゲームは読み進めるだけのノベルタイプではなく、ADV(アドベンチャー)形式。
 見る、調べる、などのコマンド選択式のADVですね。コマンドの数もそれほど多くはなく、イラつかずに進んでいけるのもいい。選択による、ストーリーの分岐はしない模様。
 静かぎみのBGMも、なかなかいい雰囲気を作り出しています。ここぞ、という時のあおり効果音もまた素晴らしい。
 なお、主人公の(1日目のみ)跡部は霊感がなく、何かあってもいちいち怖がらないのもいい。性格的にもくだけた感じで入り込みやすい。

 他、感心したのは、「心霊写真の光の中に、肉眼では見えない文字があり、それを画像編集ソフトで見られる」という部分。よくこんな事を思いついたなぁ、と。

●2日目 (ややネタバレしていきます)

 ここで、主人公が跡部から浅倉に切り替わるんですね。感情移入できるのか、ちょっと不安。

 跡部は昨日の晩、泉ノ恩丘の神社で、何気なく浅倉の心霊写真を撮ってしまった。おかげで泉ノ恩丘の洞窟を発見する事ができた(怪光部分に道順が記されていた)んですが……、代わりに浅倉の命をおびやかす事になってしまったのだ。あの神社付近で写真を撮った者は、その翌日に死ぬとされているからだ。

 浅倉は今日じゅうに死ぬかもしれない。跡部はそれを浅倉に隠している。
 浅倉はまた今夜も泉ノ恩丘に行く、と言うんですが、跡部はそれを引き止めない。強く引き止めるとか、浅倉に、今夜だけは外を出歩かないようクギを刺しておくとか、しても良さそうなんですけどね……。
 (あぁそう言えば、浅倉も自分があの神社で写真を撮られた時、「まさか今、俺の写真を撮ったのか?!」とか、もう少し神経質になっても良かったかも)

 で。洞窟奥。
 謎の文字が彫られた岩。昨夜とは答えが違うんですね。(ヒントは、もりのい○○。言葉になってます)
 美月からの暗号メール。ここは画面をよく見ていけば問題なし。
 で、厠の中には美月が。しかし、厠から出られなくなっている。
 ここでまた謎解きが。6つのおフダをメモし、祠(ほこら)の裏の張り紙通りに、文字を読み飛ばしてつなげていけば、OK。
 このゲーム、メモしまくりです。メモしないとわからない謎ばっかり。
 で、その謎を解いて出て来たのが何故かバール……。都合良すぎてワケわかりません。

 この辺、美月とのちょっとした会話で、笑えたりしますね。

 で。美月と別れて、焼けた廃屋へ。
 焼け跡に残されたダイヤル式の金庫。謎のブリキのおもちゃ。ここの謎はかなりやっかい。ブリキのおもちゃの目が、アニメで光るんですが……非常にわかりにくい。ここで詰まる人も多そうな気がしますので、ちょっとくわしくヒントを。
 ヒント:光り方は「○。 。 。。。。 ○。。。 。。」○が5で、。が1、数字を足す。答えは5ケタ

 ……面白い。面白いんですが、どうにも理不尽な謎解きをさせられているような気が。

●さらに謎解きが続く

 跡部のいる廃倉庫へ。
 ここで浅倉のケータイに立て続けに謎メールが入ってくるんですが……ここ、明らかに人為的(じんいてき)なのに、ネタバレ: 結局誰がこんな謎をしかけたのかは、最後までぶんなげられている気が
 さらに加えてネタバレ: 泉ノ怨丘掲示板の、シンタロウと麻子の書き込みは幽霊がやったという事なのか? そしてちょうど24時間後に殺す理由などもわからない

 虹メールの謎は、跡部との会話で、解き方がわかってくる。
 ヒントを書けば、カワノウエヤミナカを、虹色のメール色と照らし合わせ、赤→オレンジ→黄色→緑→青→紫の順に組み替えていけばいい。「ウミノナカ○○○○」となる

 メール受信などの「間」は、なかなかドキドキしていいです。



 跡部は最後のぎりぎり1時間だけ、浅倉を保護しようとしていたんですね。一応は納得。
 で。虹メールの謎を解き、跡部の制止を振り切って駆け出す浅倉。
 その先、厠の中で妙なメールを受信するんですが……そのアニメーションするメールは何なのか。電源が切れてるのにメールが受信される、という時点でもうリアリティなさすぎ。
 と言うか、このアニメメールを作ったのは……、誰すか? まさか幽霊??
 ネタバレではないんですが: 怪光写真も実は全部、美月のやった事でしたー、とかいうオチになるんじゃないか、と思ったりもしましたが。美月がフォトコラージュの天才、とかいう時点で全部作り物だったというオチかと思ったり

 ナナメの三角通りにボタンを押し(3回)、そしてできたよくわからない穴にマリモを(……はあっ?)入れると、自分のポケットから封筒が落ちて、それを見たら着信が……って、この流れは書いててもよくわかりません。意味不明すぎ。

●3日目(おおざっぱに)

 ここで主人公は美月に切り替わる。跡部は、ネタバレ: 浅倉を死に追いやってしまったとして意気消沈している模様。
 謎が残る、泉ノ恩丘の厠(かわや)に行こうとする美月。しかし、途中で竹垣ができていて、通れない。

 そこでアリが出て来る。……えぇ、何故かアリです。
 またアニメでの謎解きがここに。それは楽しいんですが……、こんな竹垣、謎を解く以前に、ただ蹴っ飛ばすとかで済みそうな話……。ヒントは、アリがアニメする5パターンをメモし、アリが出たり入ったりしない穴(入らないでUターンする穴)を順に5回塞げばOK

 その先の蝶の謎は、最悪に意味不明。つーか、クモの巣があるから通れません、って何なのか。その辺の枝ではらえばいいだけっしょ……。

 8ミリフィルムの謎は、色々検索してみた(海の日関連、鎌倉、大黒堂前には何があるのかとか)んですが、どうにも答えにたどり着けず、ギブアップ。
 検索で見つけた「怪光写真」のレビュー内に答えがあったので、それを入力。……というか、これは答えに納得がいきません。フィルムで出た通りの3種類の文字を、ただつなげるだけって……
 ここだけ、謎があさはかな気が。ゲーム最後の謎がこれでは浮かばれません……。

 後は読んでいくだけ。結末はいかに……?

●総評

 謎解きは面白い。でも1つ1つの謎が、「その存在自体、納得がいかないようなものばかりだった」のが残念。(厠内でのケータイを使う謎や(+マリモ…)、竹垣でのアリや、クモの巣の蝶などは、あまりにも意味不明すぎ)
 もちろん「ゲーム的に見れば」、どれも解き甲斐のある、面白い謎ではありました。ノベルではなく、ADVの良さというものを久しぶりに味わった気がします。

 全体的に、物語としてもうまくまとまっていると思います。
 (ネタバレ: 読後感も良かったです。
 まぁ怨念の元が、あれだけやっといて(殺しといて)、あぁなっては甘いな、という気もしないでもないんですが。
 でも、さんざん謎解きをさせた後に、(ストーリー的にホラーを追うがために)メチャクチャになるよりは、今の感じでいいのかもと思ったり。バッドエンドは、苦労させるゲームのラストには向かないんだろうな、と思いました。分岐があるならともかく。

 ゲーム内の3日間、なかなか濃かったです。プレイ時間的にも、2〜3時間程度でいい所までいけるんじゃないかなと。イライラする所も少なく(ロボットの光はわかりにくかったんですが)、なかなか快適に進めましたし、謎解きも適度に手応えがあって、楽しかったです。

 ストーリーも、柱である「心霊写真」からほとんど外れなかったのが良かった。話に集中できました。
 跡部や美月など、キャラにも魅力があって良かったです。そんなにアニメ的でもなく、適度にその辺にいそうな感じが良かった。それでいて、ちゃんとキャラとして「立って」ましたね。

 かめきちさん。ご紹介いただき、真にありがとうございました。
 解き甲斐のあるホラーゲーム、というものを、久しぶりに味わう事ができました。もちろん、作者さんにも感謝ですね。


『南月島の人魚』 ―― ないとあすたー(Yoshi)さん

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:22.6M)

 ホラー度:★★☆☆☆(一部:★4
 面白さ :★★★★

 (あらすじ: 翔とピーコは大学生。沖縄の「南月島」へ旅立つ二人。旅の途中で出会ったメグとノゾという女の子達と共に、沖縄を満喫する。ちょっとした仕事を頼まれた際、約束を破った事がきっかけで見つけたとある場所。そこで、南月島の「影」を見る。…島に伝わる「人魚」の伝説をからめた、壮大な物語)

 (一言: 分岐ナシのノベルですが、かなり長い(5〜6時間)。ちゃんと場面に合った背景画像が細かに用意されてあるので、かなりノレます。BGM、効果音もていねいに配置。物語そのものもなかなか面白いし、沖縄旅行に行った気分になれるほど、話作りが上手くてていねい。ホラー度は、一部を除けば弱め)

 ●作者サイト: http://www.cwk.zaq.ne.jp/night_a_star/

●ゲームプレイ&レビュー

 まず、タイトル画面がいい感じ。でもホントにホラーかなぁ、と不安?になったり。
 で、このノベルは選択肢がなく、一本道である模様。

 詩の朗読。フンイキ出てますね。まぁ僕に、詩を愛でる心は無いに等しいんですが。
 ……序章「おわりのはじまり」と出ます。どこかで聞いたような……と思えば、映画「20世紀少年」の副題っぽい。
 うぅっ。「シャンデリアの装飾がやけに輝いている」……という言葉の割には、背景画像が質素。廃墟の一室かと思いました……。ちょっと心配になります。ゲームでも映画でも、出だしが勝負だと思うので。ほころびは目立ちます。

 途中でBGMが急に鳴りますが、音量がいきなりでかくて、びっくり。NS作品はコレが多いですね。……ウインドウ上のメニュー内の「ボリューム」を調節する必要が出てきます。


親友のピーコ
お調子者だが、根はいいヤツ
 で、第1話に入りました。子供が出て来たかと思えば、大学生スか……。え〜……っ?
 いかにも沖縄っぽいBGM。
 主人子、と親友のピーコ(男)が、主人公の親戚が経営するホテルに行くところですね。

 沖縄の特徴などは面白く読めましたが、どうもムダな文が多い。ムダが多いからテンポものろい。
 あ。今気付いたんですが、ただの立ち絵じゃない。まばたきアニメーションしてるじゃないですか。スゴイ。

 ところで、ピーコがいきなりナンパ成功したようで。何の警戒心もない女の子二人と、いい感じに。あの……世の中、こんなに上手くいくもんなんですか?(と誰に聞く……)
 メグとノゾ……。ノゾ? 望(のぞみ)だからノゾ、と呼ばれているそうな。ノゾ……スか。

 僕的にはノゾが好みですね。とか言ってる場合じゃないですね。はい。
 でもこの展開はどうにもリアリティが……。う〜む。


メグ(左)、ノゾ(右)
彼女達が物語の花となる
 ●南月島へ

 フェリーに乗り、南月島へ向かう。親友のピーコと、港で知り合ったメグとノゾという女の子と4人一緒。楽しい旅になりそうで、うらやましい。
 おぉ。カモメの鳴き声の効果音が。いいですねぇ。

 船内の休憩場。おぉ、TV画面がチラチラ映り変わる、という芸の細かさに感激。
 んで、どうでもいい(失礼)トランプゲームが始まりますが、何だかこの辺、「ひぐらし」を思い出してしまいます。「島に着くまで、4人でトランプをして楽しんだ」という一言で済ませたくなるような場面を、事細かに書いちゃう。……真面目に読んでると、疲れます。
 というか、これホラーになるんですか? 今のトコ、微塵もそんな感じじゃないんですけどね。

 で、ノゾが船酔いしちゃって吐いちゃうんですが……、その後フツーに会話する前に、口をゆすいだりはしないんですか……?

 さらにケイタさんという若者とも出会いますが、人の出会いってこんなに簡単なものなんですかね。
 ……声をかければ、見知らぬ人でもすぐに知り合いになる。とんとん拍子に進む物語。個人的には……どうかなぁ、と。

 ●ホテルに到着

 で南月島に着き、ホテルに着く。
 支配人の林昌(りんしょう)さんは、主人公の親戚。レストランが閉店した時間に到着したものの、そこにはまかない料理(店員が食べる簡単な料理)が用意されていて、それをピーコ達と一緒にごちそうになる。
 食事のシーンもていねいに描かれていますが、沖縄料理を紹介しているので、これはこれで面白かったです。テンポは悪いんですが。
 
 で。島には子供が二人しかいない、とかいう話が長々と続く。これって本編に関係してくるんですか?
 この辺のフンイキはBGMのせいでやたら重いですけどねー……。


兄山中腹に位置する謎の廃墟
 なかなかホラーになってくれないんですが、話はなかなか面白いです。
 文章が上手いのかキャラがいいのか、ちゃんと旅行気分になれています。沖縄特有のものを紹介したり、方言を交えた会話があったりでそういうフンイキになれている模様。
 林昌さんのホテルに、翔とピーコはタダで泊まれる。その代わり、ちょっとしたおつかいを頼まれます。この島で一番高い「兄山」の頂上にある小屋から、(まき)をたくさん持って来る、というものだった。それを「人魚祭り」で使うとの事。翔とピーコ達はそれを見に、やって来たのだ。

 で。翌日その山に登るんですが、その中腹に、謎の廃墟(はいきょ)を見つける。
 そこでいきなり、ホラーに突入です。いきなりすぎて、びっくりしました。

 ●(この辺から物語のネタバレをやや含んでいきます)

 人魚神社に薪を届ける。
 この辺で色々と感心させられる話などが出てきます。 
 ……生物には、相反する二種類の組み合わせは存在できないようになっている。哺乳(ほにゅう)類と魚類の混ざる「人魚」は、生物学的にありえないのだ、とか。まぁ事実かどうかは知りませんが。

 ここで人魚神社の神主さんの話を聞かされるワケなんですが……これがまた、やたらと面白い。ホラー的に。
 何もかもを忘れて、夢中になってしまいました。この辺はかなりいいです。

 ●ここまでを振り返ってみる

 この辺までプレイ時間は2〜3時間程度。背景写真も多めで、フンイキもかなり出ています。
 物語的にはかなりカットできそうな部分が多いと思うんですが、逆に言えば「描写がていねい」で、物語を深く味わえる。
 沖縄方言もふんだんに出てくるし、ホントに沖縄にいるかのような(ほめすぎ?)フンイキに呑まれてしまいます。

 第4話の辺りから、ホラー的にも面白くなってきました。ちょっとホラー要素が強すぎて、キャラが死んじゃう(キャラが保てなくなる)んじゃないか、と心配するほどでした。
 ……見事です。面白い。夢中になってます。
 ですが、4話まではかなりグダグダな展開だった気もします。実際、話にノレなくて、何度もプレイを中断しながら読み進めてきたので。

 廃墟に肝試しに行くくだりも面白い。普通は女の子が怖がるところを、男が笑い飛ばして強引に行こうとする感じだと思うのですが、ここでは全くの逆。時代を感じます。


ヒナちゃん
 ●廃墟で一言

 廃墟に行く展開は必然とは言え、ハタから見るとやはりおかしい。
 大学生集団のくせに、小さな子であるヒナちゃんまで危険な目にあわせてしまうのがまずおかしい。それに大人であるケイタさんも、ここではどうもご都合主義的(展開を優先し、キャラを曲げる)。
 で。足跡であれだけ引っ張っといて、やっぱり(イヤな予感はしてましたが)●●だった、っていうのはちょっと……。

 ●他、おおまかな感想

 ヒナちゃんの語尾「〜やっし」が非常に可愛いです。そもそも沖縄を舞台にしたホラーゲーなんて、新鮮すぎ。
 フェリーだの海や山の背景、廃墟写真に至るまで、あらゆる必要な背景画像をとりそろえているので、かなり物語にはノレました。

 それにしても、このノベルは非常ーに長いです。「ひぐらし〜」並、もしかするとそれ以上かも……? あんまり長いんで、何日にも分けてプレイしたんですけどね。

 ●落とし穴が2つ

 で。言っちゃなんですが、クライマックスに大きな落とし穴が。
 主人公らが旅行に来て、●●に会ったそのタイミングで今日明日じゅうにでも島がどうこう……、というのはあまりにも変な話だと思うんです。どうしてそのきっかりのタイミングで、それが起きなきゃならないのかがわからない。

 他、もう一つ。
 人魚が「作られたもの」なのはいいんですが、イブが「不老である理由」が描かれてません。
 若いまま、何十年か経っているハズなので。一緒にいたアダムがミイラになったんですからね。

 ●

 それにしても全編に渡って、おまわりさんをバカにしすぎですね。何かイヤな事でもあったのかと思うほどに……。

 文章的には、色んな角度から物事を見て、事細かに描かれていますね。ムダに憶測が過ぎる(考えすぎる)場面も多い気はしますが。
 とにかく、何でもかんでも書きすぎですね。カットしてこそ、物語は生きてくる。ダイヤもカットしなきゃ、あの輝きは出せないんですから……(とか言ってみる)。

 迎えた最後の最後もやたら長い長い……。僕なんか4〜5日かけて読んでも、「長くて疲れたぁーー」と思うので、これを一日やそこらでプレイしたら、どんな感じになってしまうのか……。
 小難しいことを長々ながながぁ……と書かれても、ホント読んでて疲れるだけ。最終話(+序章)も丸ごと要らなかったと思います。

 でも、全体的には面白かったです。壮大な物語を楽しませていただきました。


『The Box Of Lore』 ―― 黒猫銀次 さん

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:3.75M)

 ホラー度:★★★☆☆
 面白さ :★★★★

 (あらすじ: 友人の俊介が何者かにムザンに殺されて死んだ。形見として謎の箱を手にする主人公、黒崎。その箱から、花子という女が現れた。この箱は「都市伝説」に影響を及ぼす力があるらしい。この箱を使い、50日の期限内に「都市伝説の王」を呼び出すのに成功した暁には、その者の願いを一つ、叶えてくれるのだという。拒否する権利もない。黒崎は早速この箱を使い、都市伝説のカケラ集めに出かけるのだった)

 (一言: ADV+SLG。アニメ調の立ち絵あり。移動して、カケラ集めをし「箱」を使って都市伝説を作って広めていく、という繰り返し。時折イベントもあり、あきさせない。都市伝説が実体化して殺される、様々なDEADエンドがいい。始めはわからない事だらけでとっつきにくいのですが、慣れてくるとなかなかハマリます)

 ●作者サイト: http://navi.bake-neko.net/

●概要など

 都市伝説を作っていく、ADV+SLG(シミュレーションゲーム)。
 制作ツールは「Nscripter」。アニメ調の立ち絵あり。

 ゲームシステムは独自のものなので、readmeテキストなどをしっかり読まないと、何をしていいのかサッパリわからないので注意。
 オープニング後、SLGとしてのゲームが始まりますが、『移動』して「欠片(かけら)」を集め、『箱』で都市伝説を作って、広めていきます。
 期間は50日。目的は、「都市伝説の王」の復活。ゲームを進めていくと、王の名前が徐々に浮かんできます。

 色々な場所に行くと、欠片を拾うだけではなく、さまざまなイベントが起こります。そのイベントを上手く進めていかないと、期間終了時、BAD的なゲームエンドになってしまうようです。
 なお、期間が終了する前にDEADエンドを食らってしまう事も多々あります。

 ●オープニング

 友人である洋介の兄、俊介が死んだ。残酷な死に方で。
 主人公の黒崎は俊介の形見として、謎の箱とノートをもらった。その箱は、生前の俊介がかなり大事にしていたのを黒崎は知っていた。
 で、家に帰ってその箱を眺めていると、箱から謎の少女が現れた……。

 と、いかにもマンガ的すぎる出だしですが。
 さらに、いかにも「素材を切り貼りしました」という謎の少女、花子の出現方法にもやや不満。花子がフツーの美少女っていうのも、個人的には残念。
 でも、やる気をうながすBGMは救い。

 そんなこんなで、その箱を手にした黒崎は、さまざまな都市伝説を復活させていかなくてはならなくなる。
 それにしても何故、登場人物のCGの周りを、四角く残しているんでしょうか。見映え、あまり良くない気がするんですけどね……。


ゲームの基本画面。
●ゲームプレイ

 ゲーム難易度が選べるので、「易しい」に。アイテムアラームなるものも「ON」。
 え〜…音楽が鳴り始める度に、音量が勝手に大きく上がるんですけど…。僕だけスか?
 メニュー内の「各種設定」でボリュームの調整をする。これでOKでした。

 学校や商店街、紅山、公園、病院など、色々な場所へ移動する度に、「欠片(カケラ)」がわんさか手に入る。
  欠片『車』を2個手に入れた。欠片『玉』を1個手に入れた。欠片『老婆』を手に入れた……などなど。
 今の時点ではこれらをどうすればいいのか、よくわかりません。

 とりあえず、行ける所を全部見て回った後、「箱」を見てみます。
 「?????」というのがだいだい色になっていれば、都市伝説を作れる状態との事。作って広める、という繰り返しでゲームを進めていくみたいですね。

 公園にいる謎の人物「酒井」。彼は重要アイテムなどをくれるんですが……、そこで流れるBGMがあまりにものんびりしすぎていて、ヤな感じ。フンイキぶち壊しです。……まぁそもそも、このゲーム自体そんなに怖いイメージではないのですが。

 で、残り20日くらいで突然、DEADエンドを食らってしまいました。
 都市伝説を体験して死亡、というのはいいです。ここは面白怖かったです。
 でも納得のいく終わり方じゃないのが残念。プレイ時、何が悪かったのか、ちょっとわかりません。


商店街。
様々な場所でイベントがある。
 ●プレイ再開

 セーブ箇所から再開。調子よく進んだかと思いきや、またもやDEAD。

 今一度、readmeファイルのヒントなどを読み直し、再プレイ。
 ゲームのシステムが独特なので、始めは何をしていいのか手探り状態でしたが、プレイを重ねる度に色々わかってきて、次第に面白さがにじみ出てきました。

 とにかく、箱の中の都市伝説のバーが赤くなると危険らしい。でも期間もラストに差し掛かるとだいぶ真っ赤になってきて、どうすりゃいいんだろう、と頭を抱えてしまいますね。
 トランプが生命値を表しているようなので、それが少なくなったら、丸い薬を飲んで回復、という感じでしょうか。

 何度目かのプレイで、やっと「都市伝説の王の名前」がだいぶ浮かんできました。すっかり出たとしても、他のイベントがおろそかだといいエンドにはならない模様。そうなると、だいぶ前からゲームをやり直したりする必要なども出てきそうです。

 ゲーム中盤までやや単調な繰り返しなんですが、中盤辺りでとある人物から「写真」を入手すると、ストーリー的にもなかなか面白くなってきます。
 ……ハマリますね、コレは。面白い。でも難しい。


「箱」の中。
様々な都市伝説を、欠片を使って
作っていく。
●プレイを終えて

 数時間プレイを重ねましたが、結局、END3止まりでした。
 なかなかイイ線はいったと思うんですけど、冒頭での俊介殺しの犯人が謎のままではダメみたい。

 表示方法などが独特で、色々とわかりにくい部分の多いゲームなんですが、プレイしてみると面白いです。ちょっと遊んでみるつもりが、気づけば4〜5時間プレイしてましたので。

 惜しむらくは、文字ですませてしまった箇所がちょっと多いかな、というところ。
 まず、このゲームのキモである「箱」のイメージCGがないのは残念。最重要アイテムなので、ここは欲しかった。

 なお「都市伝説」部分にそれっぽい怖いイラスト(せっかく口裂け女やテケテケなどを扱っているので)あったりすれば、なおフンイキも出たんじゃないかな、と思います。
 ……とは言え、素材でそれらをまかなうのにはムリがあると思うので、ここは「要望」という感じでしょうか。絵描きさんと組んでゲームを作れば、もっといいものができたのは想像に難くありません。

 ●色々と惜しい…

 あと、ゲームそのものも、やや不親切。何のヒントもなく、どこかで重要なイベントがあったとしても、スルーしてしまうのは仕方ないし、DEADエンドを食らっても、何が悪かったのかがよくわからない。どうすればそれを回避できるのかも、いまいちわからない。
 自分的には、トランプが減ったら薬を飲む、という感じでやってましたが。あと、できるだけ色々な都市伝説を作って広めるのに専念したり。

 全体的にホラー度は低めなんですが、数々のDEADエンドはかなりいい感じでした。
 劇中の様々なイベントも、もっと怖いものにできたと思うので、そこはもったいないなぁと思いました。……でも作者さんは「ホラー度」より「物語の面白さ」を追求したんだと思いますので、それはそれで。感覚の違いですね。

 でも、さまざまな都市伝説を劇中に出していくのはかなり面白い試みでした。感心させられました。
 オススメにかなり近い作品だったのですが……、何か一つ足りなかった。
 強いて言えば、全体的なホラー度。立ち絵がいかにも素材、というのも残念。システムのわかりにくさ、などなど。出だしのマンガ的な部分も、もう少しひねって欲しかった。

 でも、面白かったのは確かです。


『カイダン実ハ。』 ―― トラベルミン さん

 [ ダウンロード ] (DLサイズ:12.2M)

 ホラー度:★★★★
 面白さ :★★★★

 (あらすじ: とある寒村に出向いた主人公。頭の弱いとある村人の家で、村の奇怪な風習についての話を聞かされる。その異常な話は、本当に起きた出来事なのか…?)

 (一言: 性別も年齢もわからない村人の異常な話を、えんえんと聞かされるノベル。背景写真のみで立ち絵はなし。文章は会話口調なためか、かなりしつこいしムダも多い。後半で選択肢が一度だけあり、話は6つに分岐する。ホラー一色なのが好印象。物語全体に大きな仕掛けが施されてあるのが一番の魅力かと)

 ●作者サイト: http://www.travelmin.com

●はじめに

 作者さんのサイト、かなりクセがありますね。思わず見入ってしまいました。
 ミニキャラの素材がたくさん。ゲームレビューがほとんどアダルトかBL、というのもなんだかスゴイ。

 「カイダン実ハ。」にも妙な?期待がかかってしまいます。


朽ちた村。
廃墟写真などももりだくさん。
●ゲームプレイ

 ツールは「Nscripter」。背景画などは素材みたいですね。
 ゲームのプレイ時間はどうなのか。作者さんのサイトの紹介文によれば、プレイ時間は1周15分との事。安心して気軽にプレイできそうです。

 ……とある村の前。取材か何かで村を訪れた主人公の前に、誰かが現れます。
 状況を説明する文がないので、それが何者かはわかりません。年齢も性別すらも。ただ、この村の村人である模様。

 いちいち丁寧に、「有り難うございます」だの「すみません」だの言う、その村人。やがてその者の家に招待されます。
 で。BGMがずっと鐘の音というのも、なかなかいいもんですね。うまいです。(プレイ後半ごろになると、さすがに飽きてはきましたが)

 村人は自分の事を語り出します。
 村での奇怪な風習、を語られるんですが……、話はちょっと長めですね。
 その後、やや唐突ぎみに選択肢みたいなものが出て来るんですが……、とりあえず「壱」を選んでみます。


サイコロの目で未来も変わる?
センスが光ります。



村人の家で話を聞かされる。
 ●「壱」

 しつこくてやたら丁寧な文章、読んでて疲れます。例えば「ごめんなさい。」を8行も続けてみたり。やりすぎでしょ?
 ラストも何だかキレが悪い感じ。ずるずる続いていきますねー。

 で。話している相手にとても好感はもてない。しつこく謝られりなんだで、不快感すら感じてしまう。
 その不快感こそを表現したかったのかもしれませんが、話としてはノレないなぁ……と。

 ●「弐」

 語っている者のイメージが、突然崩れてしまう。これは感心モノです。

 さらにさらに。ここまでプレイして、なぜタイトルが「開始」「再生」なのか、よくわかりました。物語が切れる時のブチブチ音が何なのかも。……これはうまい。うますぎ(?)です。
 こういう大きな仕掛けは大好きです。やりますねー!

 欲を言えば(よりリアルに凝るならば)、主人公の会話もソレに混ざるハズなんですけどね。……まぁそれは不要ですか?

 ●ここまでプレイして(ネタバレ多少あり)

 立ち絵はなし。物語の性質上、ない方が効果的なのかもしれませんが、やっぱりさびしい気がします。
 BGMは鐘の音一つで乗り切ってますね。BGMって案外そんなもので通ってしまうもんなんですね〜……?

 村人も主人公もどんな人間なのか全くわからないまま、物語のラストの方で明らかにされていくのは面白です。「弐」は特に驚かされました。

 ●「参」以降

 「弐」でがぜん面白くなってきました。続けて、「参」の選択肢の後を追います。
 ……でも「参」はちょっと弱かった。次に期待。

 で、「肆」(四)。ぐわっ! ここはワケわからなすぎ。やたらと短いですし。
 「伍」「陸」……と、結局最後まで読んでみたんですが、「弐」が一番良かったですね、個人的には。

●まとめ

 物語全体に大きな仕掛けを設けているのが、一番の魅力。これだけでも高評価に値するゲームだと思います。

 マルチエンドとして、選択肢後の一話ごとに物語の角度を変えているのはいいんですが、まだまだ話を面白く練られたハズ。「弐」ぐらい面白い話があと2〜3あれば、もっとよくなったんじゃないかな、と思いました。ゲームクリア時に追加される「付録」も、似たような話が続くのなら蛇足かな、と思いましたし。

 でも奇怪さ一色で固めたこのゲーム。雰囲気もなかなか良かったです。呑まれてしまいそうになりますね。


●過去のレビューは、別リンクになります。

 レビュー過去分1
 レビュー過去分2
 レビュー過去分3

↓ 以下の作品をレビューしています。

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『嫉妬深い彼女』
『書いてある』
『遺言』
『ジンクスホリック・シンドローム』
『レンタルビデオ』

『BloOdeR』
『果敢無く散り行く徒花は』
『Lost Maria ―名もなき花―』
『Gu−L』
『鏖 -MINAGOROSHI-』

『片翅の蝶』
『DEAD ROOM』
『学校七不思議4』
『精神破壊』
『砂の記憶』

『blue rose』
『猫鳴ク夜』
『百鬼夜行』
『万華鏡奇談』
『怪物のかぞく』

『最上邸』
『きゅうけつきのよみち』
☆+★★『ゾウディアック』
『Demon’s Game』
★★『囚人へのペル・エム・フル』

『寄生ジョーカー』
『頽廃ノスタルジア』
『小さなホラーvol.3』
『逢魔時』
『コトリバコ〜真夏の赤い花編〜』
『SUPERSTITION 〜機械仕掛けの物語〜』
『校底にいる女の子』
『ゆめにっき』
『cubic(キュービック)3』
『人生は運に尽きる』

★★『煉獄のユリカ』
『双重峠』
『【和風】彼岸と翳りし( ^ω^)【ホラー】』
『黒の時 -葉月-』
『上着』/『料理』『ハッピークラス』/『キライナモノ』

『1999ChristmasEve』
『ROOM NO.404』
『狂楽天』
『それじゃあ、またね』
『機械仕掛けの鴉(カラス)〜前奏曲〜』

『苦情』
☆+★★『ひぐらしのなく頃に -鬼隠し編-』
『鍵』
『ホームタウン』
『学校の殺人ピエロ』

『都市伝説研究レポート(1)』
『-車-』
『魔夏〜MANATSU〜』
『異界の門番』
『M』

『死神雪夜』
『CORPSE PARTY(コープスパーティ)』
『闇狙』
『学校の恐怖』
『無垢 -鬼の涙- 序幕"第一の発見者" 』
『樹海』
『June Bride(ジューンブライド)』
『LoveMail』
『あそぼ』

『Purple Eyez(パープルアイズ)』
『DANGERZONE(デンジャーゾーン)』
『CRIMSON RING(クリムゾン リング)』
『邪紋の鎖』
『学校七不思議 〜小学校の花子さん〜』

『†VAMP†(通常版)』
『PSOアンダーグラウンド』
『THE BLACK ROOM』
『鬼ヶ島(NScripter版)』
『残影―時の調べ―(前編・後編)』

『赤い部屋』
『MANSION OF THE FEAR』
『GRAY-POOL(グレイプール)』
『Angel Make(エンジェルメイク)』
『怨霊戦記外伝VOL.1「庭川村伝説」前編』

『学校七不思議』
『YaKATa』
『唄ウ人形三話』
『開けるな』
『南子安三丁目』

『首がない子の話』
『CronoSnow(クロノスノー)』
『Distill(ディスティル)』
『涅槃(ねはん)―完全版―』


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