アパレル 工業ミシン 工業用パターン 型紙工業用パターンの効果的な作り方

工業用パターン

 ■ 工業パターンの効果的な作り方
◎ 工業用パターンでは、
表地裁断用パターンに縫い代と合印(ノッチ)を入れたパターンを作るのみでなく、裏地のパターン、芯地のパターン、ポケットの袋布のパターン、なんかも作ってしまいます。さらに全面芯張りを要するものは荒裁ち用のパターンも作らなくてはなりません。左右同じものはそれぞれ別に作ります。ファーストパターンは3枚でも工業用となると20枚くらいになってしまいます。生地の方向も記入しておきます。特に芯地の方向は大事です。芯地の方向を間違えただけですごくやり辛く(縫製しにくく)なってしまいます。

◎ 表のパターンと裏のパターンを間違えないようにパターンの紙の色をかえたり、品番・部所・サイズ名を記入する時、マジックインクの色を決めていたりして誰が見てもわかりやすいようにしておきます。

◎ 標準的なタイトスカートの場合のパターン作成枚数
表パターン・・・前スカート・後ろスカート右・同じく左・ベルト荒裁用と本断用5枚
裏パターン・・・前裏スカート・後ろ裏スカート右・同じく左3枚
芯パターン・・・ベルト前面・ベンツ上前・ベンツ下前・ファスナー右・同じく左5枚
インベル芯用パターン・・・脇ゴムの場合3枚
ゴムカット用パターン・・・2枚


合計18枚のパターン作成が必要です。1つのサイズですので、さらに5サイズある時には、18×5=90枚のパターンを作成する必要があります。
ジャケットに関してはこれの3倍〜5倍以上の量になります。
工場の一部屋がパターン保管庫として管理されます。もちろん社外秘です。

◎ 誰が裁断しても、また誰が縫っても間違いなく同じように出来上がるように細心の注意を払い工業用パターンに作成します。面倒がらず手抜きすることなく作成・修正する事が安定した品質を保つ技術のひとつと考えます。

 ■ボトム編 (工業パターン細部の修正事項) 確定項目ではありません

◎ 生地の収縮性・ストレッチ性を考えて丈の調整をする
パターンは紙で出来ていますので、伸び・縮みがありません。
したがって表の生地は伸びるのに裏地が全く伸びないベンベルグ等を使う場合、パターンの表と裏の接点を同寸にしてはいけません。
まず、表の収縮率を調査します。収縮が安定していないものは、スポンジング加工に出して、反ごと縮絨をかけます。それでも完璧ではありませんので、1枚パターンどおりに裁断して、そのまま、プレス機を通してみます。その時の温度と時間・プレス圧は記録しておきます。
だいたいの結果がでたら、データを元にパターン修正を行います。収縮率が2%ならば、まず表のパターンを2%平均に伸ばします。表と裏の接点は、表側に+2%、それに全く縦伸びしない裏地のパターンには1%の縫いずれ分を加算するという割合です。

それだけの緻密な計算をしてパターンを作成しても、調査結果のデータどおりにには事は運ばず、あとは、縫製者の、感性に頼るのみです。

◎ ファスナーのところは、このパターンで誰が縫ってもきれいに仕上がります。
ファスナー付けを工場量産する時には、まず裏地に逆向きに付けてから、その後表地に付けるわけなんですが、ここもまた緻密なパターン上の計算が必要です。修正しなくてもベテランさんは縫いで調整できるんですが、初心者には、ちょっと無理みたいです。初心者でも、簡単に裏ファスナーが付けられるように、パターンのファスナー付け部分を修正します。修正の仕方はファスナーの長さ及び種類によって微妙に違ってきますが、企業秘密となっていますので、知りたい方は、来社いただければ講習料金にて指導いたします。

◎ ベンツ付きスカートの表と裏地のゆとりについて
【例】後ろファスナー開き後ろベンツの場合・・・
表地の収縮率が0としてファスナー付けの下方からベンツ付けの上部にかけて0.8程度の裏地のゆとりが必要です。さらにファスナー付けで1%・ベンツ接ぎで1%の裏地のゆとりが必要です。合計するとだいたい1.2センチほどになるんですが、このゆとり分をパターンでどのように修正していくかで、縫製者のやりやすさ、やり辛さの境目になります。早くきれいに縫えるようなパターン修正を得とくしています。

◎ ポケットのパターンを作るときに注意する事項
袋布の縫い代をなるだけ少なくして生地を節約したいメーカーの希望もわかりますが、最低限の縫い代では、失敗します。ポケットの出来上り寸法より左右1cmずつでは縫い合わせのずれとか縫いずれ等により5mm以上縫い代が確保できない時にはミシンの押えも入り込む事ができず、縫えません。また周囲のロック始末もできません。やっぱり縫い代が1cm確保の時には5mm〜1cmの有余は欲しいです。
玉ぶち布、箱ポケット口布に関しては、これまた緻密な修正が必要ですので、知りたい方は来社の上ご相談ください。

◎ 表地と裏地を接ぎ合わせるには?
上記に書いているとおり、同寸パターンではダメです。
表の収縮率0%の時、裏地に1%程度のゆとりを入れますが、ベルベット等毛足のあるものは3%以上必要な場合もあります。いずれも試し縫いが必要です。
【試し縫いの仕方】
生地に余裕があれば表地と裏地を同じ大きさ(50cm四方以上)に裁断し(表地・裏地2枚重ねて裁つ)手加減しない状態で縫い合わせてみる。どちらかというと裏地を上にして縫った方が正確なデータが出ると思います。裏地を下にして縫い合わせた場合、裏地の方が入り込んでしまう事が多いです。最後までずれなく縫えたらゆとりはいらないでしょう。ずれた場合その差がずれ分としてゆとりに加えた方が、量産の時に良い結果が見込めると思います。

◎ 縦地の目とバイヤス地の目を継ぎ合わせるには?
1枚先行裁断・試し縫いは必須です。
バイヤス裁ちの場合1枚裁断したら必ずスタン等に貼り付けてパターンと比べてみます。
特にジョーゼット・シフォン等は、予測がつかめません。
たて地の目と正バイヤスの接ぎをパターンどおり同寸で接いでしまうと悲惨な結果が待ち受けていますので、事前に伸びを確認して接いだ方がいいです。しかし、伸びてるからといって伸び分全てをずらして縫うのも考えものです。これまた、感性と経験を必要としますので、初めての方は十分実験されてから及んでください。

◎ ストレッチの素材とかベルベットのパターン修正と裁断注意事項
収縮率を計算したパターンを作成したのはいいのですが、延反・裁断方法にも問題がありまして、緻密な計算を施したにもかかわらず、放反をしなかったばかりに裁断直後に縮んでしまったり、伸びてしまう事があります。伸びた場合はカットすればいいのですが、縮んでしまったら後は、縫い代調整するしかありません。サイズ優先か?縫い代確保か?考えどころです。
ベルベットの裁断に関しては、地の目方向は書かずと解かりきった事ですが、重ねた後に上から触る度にずれていきます。これも裁断時の注意が必要です。各工場いろいろと工夫して裁断されているようです。うちも社外秘の技を隠し持っています。

◎ 皮及び皮革素材をきれいに仕上げるには
シリコンスプレーとかテフロン押さえとか使用しますが、研究必要な素材です。そうそう化学薬品ばかり使っておられません。ですが部分的に皮・皮革素材の使用が増えてます。クリーニングも心配ですが・・・

【最後に】何事も少しでも手を抜いたり、忘れたりすると縫製がやり辛くなるばかりでなく、返品・買取の対象となりますので、心して取り掛かってください。


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